2017年12月23日土曜日

四国7回 38~43番 生駒発

平成29年12月12~13日

観自在寺 平城天皇遺髪塚
生駒から42名のお客様と8時20分四国最南端の足摺岬を目指して出発。長距離とあってドライバーさんも2人体制だ。淡路島の室津PAを経て吉野川HWO到着が12時過ぎ、これか39番延光寺まで3時間はかかる。高知道の終点四万十ICを出たのが14時頃、「ゆういんぐ四万十」でお買い物&トイレ休憩。お薦めは、ミレーのビスケット(生姜味)と四万十川上流の地栗焼酎「ダバダ火振り」だが、ダバダは在庫切れ。延光寺に到着が15時42分、梅田組と駐車場ですれ違ったが、頑張って38番金剛福寺を目指すという。お寺からは17時までに入るように釘をさされたようだ。(後で聞くと5分前に到着とか)我々の打ち止めは16時35分足摺岬のホテルに向かう。アップグレードの足摺国際ホテルとサニーサイドホテルの分宿だが、ほとんどはサニーサイドだ。
13日 6時40分の朝食時は梅田組と合同で食事作法。7時30分出発で38番金剛福寺へ。誰もいない朝1番のお参りは実にさわやかだ。いつもは山門前で集合写真を撮るのだが、最近閉店したという。足摺黒潮市場に立ち寄って「マグロの冑煮」を買う。なんとダバダ火振が大量に並んでいる。希望者に十分行き渡る量だ。40番観自在寺まで1時間半ほど。ようやく伊予の国だ。41番龍光寺門前の「長命水」のママは、先日西国12回で一緒だった方。
和尚の顔を見て大喜び、大量のミカンのご接待。試食を用意してもらったお饅頭屋さんも大好評で人気。42番仏木寺から43番明石寺へ走る。明石寺の山門に「三宝鳥」と題した弘法大師の漢詩が掲げられている。正しくは「後夜仏法僧鳥を聞く」と説明し、一吟披露。
打ち止めは15時前。帰路も長丁場、石鎚PA、吉野川HWO、を経て淡路SAが20時。神戸では車窓から「ルミナリエ」の灯りを確認。生駒着21時半。今回で無事結願の方も。高野山のお礼参りは、暖かくなってからと。天気に恵まれ、良いお参りとなりました。合掌

 延光寺にて  経流る 赤亀の寺 師走風

 金剛福寺にて 香煙の 足摺の朝 冬遍路

2017年11月29日水曜日

読売奈良 四国12回 大和八木発

平成29年11月26~27日

屋島寺の紅葉
上野や名張から八木、JR奈良、西大寺と廻るコース、始発から西大寺まで3時間ほど掛るようだ。確かに、和尚が乗った八木集合は7時50分、西大寺集合が9時なので、良く分かる。お客様は32名、和尚と初めてという方は5名ほど。日曜日とあって、高速道路はスムースで2回ほどの休憩の後、12時40分頃82番根香寺に着いた。紅葉の時期とあって、一般客の車も多いので、交通整理の係が待機しバスを山門前に誘導してくれた。牛鬼像が紅葉に包まれ、お客様の被写体となっている。山門から石段をまず下り、そこからは本堂まで、一気に上る。足の具合の良くない方も数人いるが、みんな頑張った。同じ五色台の中にある81番白峯寺へ。干支の守り本尊が揃っているので、自分の干支のお堂を確認しながら上り、下りにお参りをと勧める。崇徳上皇の白峯御陵がある寺で、「鳴けば聞く聞けば都ぞ慕はるるこの里過ぎよ山杜鵑」の歌に応えホトトギスが欅の葉でくちばしを巻いて泣き声を出すのを遠慮したという説話が伝わっている。いつもながら、「私の干支のお堂が見つからない」という方が何人か出てくるのが面白い。五色台を降りて79番天皇寺へ。崇徳上皇が46歳の生涯を終えられた時、この寺で遺骸を「八十場の水」に浸して安置したという。二条天皇が上皇の霊を鎮めるために建立した白峰宮の鳥居をくぐった中にある。15時半頃、80番国分寺へ。四国にある四つの国分寺の中では、土佐と並んで、かっての政治経済、文化の中心と納得できる境内である。寺では、弘法大師の幻の大日如来の再現に取り組んでいて、大師堂のお参りの後に、勧進の話がある。ようやく台座を取り捲く八頭の獅子像がほぼ完成し、いよいよ大日如来の製作に取り掛かるようだ。16時半、83番一宮寺着。線香、蝋燭は運心でお願いして、お勤め。地獄の釜音を並んで順に聞いてもらう。祠に首を突っ込み、耳を澄ますと、ゴーというかすかな音が聞こえるのだ。17時打ち止め、お宿は庵治観光ホテル。
志度寺五重塔
27日 7時45分出発、84番屋島寺へ向かう。ミステリーゾーンのある有料道路が、7月1日より無料になっていて、駐車料金のみに変更されていた。1番乗りで実にさわやか。源平合戦の図で「義経の弓流し」の解説をする。85番八栗寺へのケーブルで上る左側によもぎ餅のお店がある。実は、昨日皆さんの希望を聞いて予約を入れておいた。5個入り11個、3個入り9個をお参りの間に届けてもらう算段なのだ。また、ケーブルの中で流れる「いろは歌」を大合唱出来るように、昨日練習もしておいた。ケーブルは、ほぼ貸切状態なので、心おきなく歌わせて貰う。86番志度寺の境内の整備が進んでいる感じ。海女の墓の周りが、今だに丸太の柵で囲まれているのは、残念だ。こちらの方の整備を優先してもらいたいと思うのは、和尚だけではあるまい。87番長尾寺では、本堂の鴨居に刻まれた箒について話をする。仏弟子の「周利槃特(しゅりはんどく)」の話で「塵を払い、垢を除かん」と唱えながら箒でひたすら掃除を続け、ついに阿羅漢になったという。また、静御前の剃髪の寺でもあり、塚がある。88番大窪寺にお参りする前に門前の野田屋で昼食。結願の証を求める方が10人ほどだったが、昼食中に追加の申し込みがあり、添乗員が昼食そこそこに納経所に走る一幕も。本堂、大師堂とまわり、無事に結願。1番霊山寺にお参りして、帰路に着く。15時前に出発したが、淡路島を抜けると渋滞が待っていた。やむなく東大阪PAでトイレ休憩、八木到着は20時、最終は22時頃になるかも。結願の方おめでとうございます。合掌

長尾寺「周利槃特の箒」


 落紅葉 踏みしめ参る 根香寺や

 結願の お勤め嬉し 冬遍路

2017年11月7日火曜日

四国2回 7~11番 生駒発

平成29年11月6日

熊谷寺の鬼瓦

熊谷寺中門の多聞天
先月の第1回に続く2回目、前回ご一緒だった方がどのくらい乗られているかと思っていたが、43名のお客様中3割以上だった。8時20分集合で、淡路へ向かう。比較的高速道路もスムースで1時間20分ほどで到着、買い物忘れの為の1番霊山寺には11時過ぎで、良いタイミング。早めのお弁当を頂きながら11番藤井寺へ向かえるのだ。12時、藤井寺着。30畳敷きの大龍の図が外陣の天井に描かれている。13時過ぎから、10番切幡寺へアタック。タクシーのオプション利用者は16名、27名が山門までの800mをなだらかに上り、333段の石段を一歩一歩踏みしめる。和尚の頭から湯気が吹き出しているが、構わず読経、大師堂、はたきり観音、と廻り切幡の大塔へ案内する。途中にある不動堂でご真言の練習。お不動さんのご真言は、リズムが大事なのだ。大塔から眼下の吉野川を眺めるが、天気が良すぎて、霞がかかっている。9番法輪寺のお楽しみは門前のあわじ庵の草餅だ。売り切れる恐れがあったので、予約を入れておいた。5個入り400円、15セットが完売。8番熊谷寺は、奥行きが深く、雰囲気の大好きな札所。大門、多宝塔、中門、本堂の鬼瓦など見どころも多い。打ち止めの7番十楽寺に着いたのが16時15分、16時半以後は火の気を使わない事になっているので、本堂と大師堂の両方にお蝋燭、お線香などのご供養を先に済ませていただく。そして大師堂からお勤め。大師堂と本堂の間にある「疾目救歳地蔵」を案内する。かっては、納め札の裏に歳の数だけ「め」を書いて祈願していたのだが、今は、本堂で祈願のお札(200円)を手に入れて納めるように変更されている。そうなるとだれも求めに行かない。「救歳」が「済」でなく「歳」なのは、歳に関係なく救ってくれる意と説明して、皆でご真言を唱える。本堂から愛染堂と廻って打ち止めは16時45分。淡路HWOで休憩して生駒着20時頃。和尚は、先月22日に、庵で滑って転倒し左のあばら骨にヒビが入っていて、切幡寺の石段を気にしていたのだが、痛みもなく、お大師さまのお陰と感謝。天気にも恵まれ良いお参りとなりました。いつも思うのだが、和尚も奈良に住まいして30数年、奈良発のお遍路バスが、もっとも居心地が良い。お客様の雰囲気がとても良いのだ。合掌

 冬日和 三百三十三段の切幡寺

2017年10月15日日曜日

西国5回 12~15番 なんば発

平成29年10月14日

石山寺
ぐずつくような天気予報のなか、集合の8時50分を1時間ほど早く到着。モーニングコーヒーをと思っていると8時20分集合の先達仲間がぞくぞくと終結、なんと7台が同時に出発とかで大賑わい。久しぶりに元気な仲間の御顔を拝見できた。西国5回は、我々と京都から1台という。お客様は43名、12番岩間寺から順打ちだ。10時過ぎに到着したが、山道で岡山からのバスと摺れ違って、いやな予感がした。やはり先着の京都組の納経が始まったところだった。本堂に上らせてもらって、お勤めし、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の古池はここだと説明する。納経係は2人で、団体と個人にそれぞれ対応するが、個人参拝も多く長い列ができる。結局、スタートできたのは1時間15分後、お昼近くになってしまったが、昼食前に13番石山寺をお参りすることに。小雨が降り出したが、傘を差すほどではない。和尚は、先に納経を済ませ、皆さんを案内して山内を巡る。大黒堂で80歳になるという住職がここの大黒様は右手を金拳に握る珍しい御姿と解説していただく。お昼のメニューは洗心寮の「しじみご飯」、初めての方には好評だが、和尚ら添乗組にとっては、いつもながらのもの。14番三井寺は、まずは観音堂へ198段の石段を登って堂内で読経、すべて椅子席なので喜ばれる設営だ。希望の方々を案内して三帝産湯の井戸、弁慶のひきずり鐘、金堂とまわる。三井の晩鐘の音を聞いてもらおうと300円出して、鐘を突くがパワー不足で弱々しかった。係の方が顔を出し、もう一度と声を掛けてくれたので、今度は力を込めて一突き。音の三井の晩鐘と称えられる音を聞いて頂けた。山門横の釈迦堂(食堂)をお参りしてあとにする。15番今熊野観音寺に向かう前に、筒井八橋で、お買いものtime。ここから30分ほどで、今熊野到着。弘法大師の五智水をお話して、ペットボトルのある方はと勧めておいたが、5,6人の方が汲まれていた。本堂でお参りし、お大師堂など境内を自由にお参りして頂く。和尚は、個人納経の最後尾に並ぶ事に。お参り終えて丁度17時。傘も差さずに良いお参りができました。18時過ぎになんばでお別れ。朝、出会った先達のバスも到着で、さすればと千日前で一献。ごちそうになってしまった。合掌

 秋雨や 石山寺の 苔光る

 響き鳴る 三井の晩鐘 秋の湖
今熊野観音寺の多宝塔

2017年10月13日金曜日

真言宗 信貴山 釋迦院 秀寛庵の開設

平成29年10月13日

皆々様の多大なるご支援のお陰にて、小庵の開設準備がほぼ整いました。10月22日に恒例の[こんにゃく祭り]を開催するのに合わせて、初法要を修します。場所は、信貴山の大阪側の麓、近鉄信貴山口駅より南へ約500m。2階の窓からアベノハルカスが遠望できる位置にあります。
御縁とは、有難いもので、遍路仲間の友達の御姉さまが、石切り神社系の教会を開いていたところ。その方が亡くなられて、空家になっていた物件です。一目見て気に入りました。井戸水を引いた滝場まであるのです。1偕は、襖を取り外すと20畳を超える空間となります。神道の祭壇を改造して、須弥壇にしました。ご本尊の釋迦如来は、T書店の仏像コレクションの一つ。右の不動明王は、信貴山千手院大阪分院の護摩堂から遷座。左の小さな白檀の弘法大師は、松本明慶の作。青不動の絵は、三重県の長谷川紀幸画伯の筆、弘法大師の絵は、弟子の田川詠華尼の作品です。須弥壇などの荘厳は、地元の「おの仏宝堂」に特注しました。
全ての照明をLEDに取り換え、屋根瓦を150枚ほど差し替えたりと、気になる所の修復に時間がかかりました。圧巻は、看板です。和尚が4月より通いだした無双直伝英信流居合道白鳳館の阪田博館長から、看板木をお祝いに頂きました。道場の看板とすべく大事にされていたもので、分厚く堅く立派なものです。「釋迦院 秀寛庵」の揮毫は、師事する吟道関心流家元藤井宗齊先生に無理をお願いいたしました。字の部分は金色で、全体に防腐・防水処理がなされています。
改めて平成30年1月28日に開白法要と披露の宴を開催いたします。法要は、釋迦院秀寛庵で15時より。披露の宴は、石切温泉ホテルセイリュウにて18時よりの開催です。
幸いなことに、私の志を引き継いでくれる人々にも恵まれていますので、この庵を「弘法利人」の場として、力を合わせて盛り上げて行きたいと思っています。合掌
                                     八尾市黒谷4丁目24 
                                     真言宗 信貴山 釋迦院 秀寛庵
                                           院主・少僧正 田尾秀寛
                                             ☎  072-921-6110
                                            携帯 090-2351-3927

2017年10月3日火曜日

四国1回 1~6番 生駒発

平成29年10月2日

安楽寺のさか松
金泉寺の義経戦勝祈願所


10月出発の第1回目、JR奈良~西大寺~生駒と廻るコースで和尚は生駒から乗車。8時20分に生駒を出発したが、雨の為か高速道路が渋滞し、淡路島の室津PA到着が10時半前。1番2番を打ち終えて6番に向かう車中でお弁当を食べていただく予定だが、13時を回りそうだ。室津にはコンビニがあるので、その旨伝え対策を取ってもらう。和尚も、朝食抜きだったので、サンドイッチとコーヒーだ。聞けば初めての方がほとんどなので、仏前勧行次第、お参りの作法、遍路用品などについて説明をする。しっかり聞いていれば、2回目からは大丈夫なように話をしたつもり。1番霊山寺の本堂は、改修工事中。したがって法話や受戒は大師堂だ。お客さまにとっては身近にお大師さまを拝めるので、ラッキーなことだ。2番極楽寺では大奥様にご挨拶、お供えに名物のレンコンなど頂く。6番安楽寺は、松本明慶の仏像の宝庫だ。なんとお大師身代わりの「さか松」が松くい虫か、松葉が真っ赤に変色している。5番地蔵寺で、九州からの参拝団と鉢合わせ。やむなく大師堂のお参りは合同したが、ユニークなお勤めで、皆さんびっくりされたようだ。所変われば、勧行も違うものだ。4番大日寺の門前に大きな石の標柱が設置されている。平成の大修理の一環のようだ。ご本尊を良く見ていただいて、大日如来の話をする。3番金泉寺は見どころの多い寺、雨の中を皆さん熱心に廻られていた。打ち止めは16時40分。立ち寄り先のハレルヤ製菓には、待ってもらって何とか事なきを得た。この回は、お念珠の頒布があるのだが、4セットもお買い上げ。帰路も、渋滞だったが、ドライバーさんのコース取りで、生駒に20時半ごろ到着できた。終日雨のお参りだったが、良いお参りでした。
合掌

秋雨や 尼僧の法話 霊山寺

秋雨や 義経偲ぶ 金泉寺

2017年9月27日水曜日

西国1回 青岸渡寺 なんば発

那智の滝
平成29年9月25日

草創1300年の記念スタンプも頂けるとあってか、西国巡拝に人気が集まっているようだ。秋スタートの第1回青岸渡寺を目指すバスにお客様は42名、大分県からの男性や四国宇和島からの女性なども含まれる。しかも約半分の方がリピーターだ。和尚も会員の「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会の役員も参加している。立ち寄り先の中田食品に併設されている「ぎゃらりい梅園」も秋の展示に変わり、和尚が初めて接する作品も並んでいた。お客様にもお勧めしていたので多くの方が、足を運んでいただいた。那智山の麓の「カマセン」で蝋燭と線香のセットをPICKUP、和尚も希望者に販売する念珠を受け取る。一ヶ寺一珠でそれぞれに漢字が一文字づつ刻まれていて、揃えば観音経の一節が出来上がる訳だ。なんと希望の方が7名。添乗員の判断で、今回はお寺詣りを先に、那智の滝を帰りに拝観することとなった。和尚は初めてだったが、記念撮影を参道入り口で済ませると、那智の滝は下まで降りなくても良い訳で、足の負担が軽減される効果もある。上天気に恵まれて、昼過ぎの山登りには汗が吹き出るほど。境内から見下ろす那智の滝も美しく、記念撮影ラッシュとなる。お参りを終えて、黒飴ソフトに行列ができる。一息入れて那智の滝へ。客様達から記念に一緒にと頼まれカメラに収まる。帰路は、中辺路ルートで「ちかつゆ」が休憩ポイント。和尚も名物の「焼き鯖すし」を注文しておいた。高速道路もスムースで、20時頃なんば着。お疲れ様でした。合掌

 秋空に 飛沫舞ひ散る 那智の滝

2017年9月11日月曜日

佐渡八十八ヶ所霊場会(佐渡へんろ)

平成29年9月3日~6日

29番安照寺 佐渡一国遍路開創記念碑
四国遍路を佐渡に写した記録は1745年に始まる。島内各地に写し霊場が存在したが、昭和6年に整理統合され「佐渡四国八十八ヶ所霊場」として親しまれてきた。平成16年に佐渡の十ヶ市町村が佐渡市として合併したのを契機に、札所の飛び番解消などを行い、平成18年に「佐渡八十八ヶ所霊場」として改編された。佐渡ヶ島は、淡路島や東京23区の約1.5倍、朱鷺の島、花の島、歴史の島、人情の島、信仰の島であるという。因みに人口56000人ほどだが、お寺が280ヶ寺もあるのだ。
和尚の四国一国巡りでお世話になっているハロートラベルサービス大阪の肝いりで、この企画がはじまった。今秋は、3泊4日で50ヶ寺廻り、来年の6月に残りを廻る。伊丹から新潟に飛び、ジェット諷ォイルで佐渡入りする旅程だ。
四国と違う点もいくつかある。
1.基本的に大師堂はないので、お勤めは本堂のみとなる。
2.納経のご朱印は、各自が自分で押す。(ほとんど無人なのだ)
3.本堂は施錠されていないので、勝手に上がり込み、お勤めすることになる。
4.蝋燭、線香のご供養も、和尚が代表でやり、各自ではしない。(火災防止のためかも)
5.道の狭いところもあるので、せいぜいマイクロどまり。
6.真言宗の寺も多いが、真義系で豊山派と智山派がほとんどだ。
今回のメンバーは、和尚をいれて6名。美容院を経営するご夫婦とそのお嬢さん、もと郵政マンの長老、そして、和尚の友人の写真家という取り合わせだ。85歳以上が3名、60歳台が2名、和尚が70歳という構成だ。お参りには、8人乗りのタクシーを貸切、3日は、霊場会の会長、6日は副会長がご案内、4,5日は佐渡汽船のガイドが付いてくれた。高齢者の取り合わせなので、お寺の近くまで車で行けるのがありがたい。面白い事に、どの本堂もデザイン的にはほとんど同じ、内陣の荘厳は素晴らしく、感動ものだ。ドライバーさんの気転で、朱鷺の群れに遭遇、皆さん大興奮。和尚は、本堂で、お参りの準備をしていて遅参し見逃してしまった。
15番弾誓寺は、新潟県で唯一の天台宗のお寺、老尼僧が招き入れてくれて、お茶やお菓子のご接待。今では壇家は5軒になったという。いろいろとお話してくださって、良い時を過ごさせていただいた。4日に、会長の29番安照寺にお参り。境内には「佐渡一国遍路開創記念碑」(昭和6年)がある。本堂で、寺に伝わる「弘法大師絵伝」の御軸(4部)を見せていただく。尚、この寺は大相撲佐渡ヶ嶽部屋の元祖、佐渡ヶ嶽猪之助の菩提寺でもある。
ホテルの夕食でアレルギー症状が出て、夜中に医者の門を叩いた方やスズメ蜂にガイドさんが刺されたりしたが、いずれも軽く事なきを得た。何しろ50ヶ寺も廻るので、観光スポットにはほとんど立ち寄れなかったが、真野鶴の酒蔵や五重塔の妙宣寺は見学できた。来年も楽しみだ。合掌

 
 稲刈りの 始まる里や 朱鷺舞える

 佐渡へんろ 海の珍味や 秋の夜





2017年8月23日水曜日

四国2回 7~11番 生駒発

平成29年8月21日

熊谷寺本堂の鬼瓦を大師堂から眺める
JR奈良~西大寺~生駒から四国へというコース。和尚は、生駒からの添乗でお客様は29名。集合も早くて予定より10分早く出発できたが、通勤ラッシュと重なり大渋滞。環状線まで45分の表示で、生駒トンネルを抜けるとたちまち停止状態。結局、淡路SAに2時間以上掛かってしまった。まずは1番霊山寺に立ち寄って、お買い物休憩とお弁当のpick upし食事をしながら11番藤井寺へ。ご本尊薬師如来も厄除け薬師として有名だが、何といっても本堂天井に描かれた30畳敷の雲竜図が素晴らしい。10番切幡寺は、歩き組とマイクロ組に分かれるのだが、ほぼ半数づつの割合となった。山門まで約800m、さらに333段の石段が待っている。はたきり観音から切幡の大塔へと案内する。9番法輪寺の門前のあわじ庵の駐車場にバスを停める。草餅の予約をして山門をくぐる方も。遠くに稲妻も走り、雨が降っているのか、涼しい風が流れてきた。8番熊谷寺は奥行きが深く、ご詠歌の流れる中、参道を進む。中門には、持国天と多聞天がお迎えだ。本堂から大師堂に石段を上ると、本堂の鬼瓦が眼前に現れる。その姿をカメラに収める方も多い。打ち止めは7番十楽寺、疾目救歳地蔵が本堂と大師堂の間にある。今までは、納札の裏に年の数ほど「め」と書いて祈願していたのだが、寺では、祈願札を新たに頒布し、その祈願札を収める箱を設置した。今までのやり方は否定された訳だ。逆に言えば、人気にあやかって有料化したということか。十楽寺に到着したのが16時20分過ぎだったので、本堂と大師堂それぞれに蝋燭、線香を供えるように伝える。16時30分を過ぎると火の気を使わないことにしているためだ。大師堂から本堂とお参りし、愛染堂も覗いて打ち止めは16時50分。少し雨に降られたが、大したことはなかった。淡路HWOまで一気に走る予定が、急に腹痛を訴えるご婦人がいて、室津に緊急停車、皆さんには待っていただき、淡路で休憩。20時半ごろ生駒着。お疲れさまでした。合掌

 遠雷雨 新涼届く 法輪寺

2017年8月20日日曜日

 名古屋 西国5回 5~7番

平成29年8月19日

壺阪寺の石仏
大観音の御手とお大師
阪急名古屋から西国5回に4台のバスが出ているという。和尚の添乗するバスは岡崎発の2号車、1号車ともども天理PAにて合流だ。7時40分頃岡崎を出発し、天理へ10時過ぎに到着。お弁当を積み込み、6番壺阪寺へ向かう。1号車は、7番岡寺から。壺阪寺は、見どころの多い寺で、広い境内を歩け歩けだ。まずは多宝塔の解説をし、釈迦の一代記の絵伝を説明する。石のレリーフを見学するための予備知識という訳だ。拝殿でお勤めし、本堂の千手観音様のお膝元へ。お里澤一の夫婦杖など触り、夫婦円満を祈願。二人が身投げした谷には、二人の像がある。レリーフを解説しながら通り、大観音や寝釈迦像のゾーンへ。寝釈迦の前からだと大観音が背景に収まり、良い写真が撮れるのだ。石堂(納骨堂)から釈迦三尊、千手観音、四天王が集う立体曼陀羅へ。眼に効くお茶をいただき、講堂の諸尊を拝観して約1時間。茶店でインド綿のショールを売っていて、和尚は白を衝動買い(1000円)遅めのお弁当をいただきながら、岡寺に走る。本堂では、神戸組がお勤めの最中。終えるのを待って、本堂でお勤め。三国の土を混ぜ合わせて造られたという本尊は、二譬の如意輪観音で、珍しい御姿をされている。(重文)打ち止めは5番葛井寺、駐車場が閉鎖されたので、藤井寺駅前ロータリーで降車し、踏切を渡り商店街を抜けて西門から境内に。1号車が先着しており、納経待ちとなる。お勤めを終えても、境内に留まるよう念を押して、しばし自由行動。お勧めしておいた「葛井餅」に行列ができる。16時打ち止め、和尚は駅でお見送りして帰路に。合掌

 蜩や 石仏めぐる 壺阪寺

 澤一の杖を撫でるや夏巡礼

2017年8月13日日曜日

讃岐路探訪

平成29年8月10~11日

金蔵寺山門
母校善通寺1高の2年に一度の同窓会総会が11日に開催されるのに合わせ、10日の午後から讃岐に向かった。盆休みに入る前とあって、比較的高速道路は空いていた。お宿は、いつもの善通寺グランドホテル、夕食を一緒にと同期生に声をかけていたので、4人で会食。2人は下戸なので、逆に進んだと見えて、和尚は皆と別れてバタンキュー。真夜中2時に暑さで目が覚めたが、裸でベットに倒れていた。エアコンを入れて、もう一寝入り。6時に目覚め、朝シャン。ホテルをチェックアウトして讃岐名物朝うどんへ。讃岐では、随所に朝から店を開けているうどん店があるのだ。善通寺南大門前の「コトブキ」でモーニングコーヒーを楽しんで、善通寺のお参りとお買い物。マイカー用の交通安全ステッカーや讃岐うどんを買って、さらに中門前の堅パン屋さんへ。いつものパターンだ。同窓会総会の会場は、旧・偕行社。重要文化財の中で総会と懇親会を開く訳だ。終了後、76番金蔵寺へ。納経所で聞くと、毎月25日に大師堂を無料拝観できるようにしたという。ついで79番天皇寺から80番国分寺と廻る。祝日とあって、一般の参拝客も多い。12日からお盆の法要が始まるので、帰路に着く。阪神高速が渋滞していたが、カーナビが別ルートを指示、従うと名神高速から大阪に抜けるルート。とてもスムースに帰ることができた。合掌

  
  故里の友と盃盆の月
 
  目連の神通力や盆の月


2017年8月7日月曜日

読売 西国8回 26・27番 大和八木発

平成29年8月6日

圓教寺参道の如意輪観音
読売奈良営業所主催の西国8回は、バス4台仕立て。和尚は8時八木出発の4号車、和尚は別に何ということもないのだが、他の先達さんに聞くと、始発で八木7時出発に間に合ったとか、バスがないので間に合わないので、香芝SAから合流したとか、大変な様子。和尚も最寄りの8時五位堂出発というのが、ベストだ。どうも、4人の先達の出発地など気にしないで手配している様子なのだ。4号車のお客様は38名、ほとんどが顔なじみメンバーで、和尚と初めて言う方は5名ほどか。今回は、西国札所の西のはずれの2ヶ寺を廻る。添乗員2名は、若い女性コンビ。まずは26番一乗寺へ。三木SAで休憩して一乗寺着が10時15分、急な石段が待っている。昇れるでしょうかと心配顔のご婦人には、手すりが有るから大丈夫、下りはスロープでと答える。国宝の三重塔を左手に見ながら本堂へ。天井には、花模様のように打ちつけられた木の納め札が。西国霊場唯一の景観だ。
事前に、読売は連絡してあったのだが、納経係は2人のみ。一人が個人納経を、もう一人が団体対応、4号車は3台目に到着したのだが、まだ1台目の納経の最中。結局、到着から出発までに2時間近くかかってしまった。お昼は30分ほど走って、ドライブイントーヨーの「戸隠そばと和食の樹家(いつきや)」、ドライバーさんが驚くほどの見事さ。27番圓教寺のロープウエイは、臨時便対応。しかし摩尼殿へ行くマイクロバスは、故障中でできるだけ歩いて欲しいとのこと。歩き組には、和尚の解説付きと話して、参道に並ぶ33ヶ所のご本尊などを説明しながら登る。摩尼殿でお勤めの後、元気な方を案内して、三つの堂へ。ラストサムライなど、いろいろな時代劇の撮影ポイントだ。食堂の2階が宝物館になっていて、案内する。お楽しみは、麓の和菓子屋「杵屋」さん、トムクルーズが爆買いしてという「千年杉」が人気だ。16時20分に出発したが、高速道路は宝塚付近13kmの渋滞。西宮名塩SAまで1時間半、宝塚を抜けるとスムースで、八木に19時15分頃に着けた。合掌

 一乗寺にて   炎天下 百六十段の 一乗寺

 圓教寺にて   蜩や 木漏れ日照らす 山の道

2017年7月31日月曜日

西国 32.33番

平成29年7月30日

観音正寺の入口
お参り仲間4人で西国へ。Y氏がいよいよ満願となるので、仲間も付き合うこととなった次第。堺在住のM先達を和尚の最寄り駅・五位堂で7時半に迎え、隣町のY氏の自宅へ。さらに富雄駅近くのY女を拾って32番観音正寺へ向かう。時折、雨がぱらつく蒸し暑い天候だ。石寺の登山林道を走ると、残り約450段の所に駐車場がある。(通行料600円)石積みの急な階段を登りきると、汗びっしょりだ。しばし息を整えて、本堂へ。松本明慶作の白檀の千手観音様に久しぶりのご対面だ。本堂を吹きわたる風がさわやかで、千手様の前に座して読経する。山を下り、再度高速に入り、多賀SA
で昼食休憩。思い思いの食券をカウンターに差し出すと、ブザーのような器具を渡される。準備ができると、それが鳴る仕組みだ。関ヶ原ICを出て、谷汲山を目指す。カーナビの誘導で走るが、バスで来る時と違うルートだ。山門の駐車場まで行くつもりが、入り口で止められそばの駐車場へ誘導される。聞けば、日曜と祭日はそのように規制しているという。やむなく800m歩くことに。途中の仏具店で、散華の台紙を物色。額付き5000円を4500円にするというので、予約し帰路受け取ることに。本堂、笈摺堂、満願堂と廻って、無事打ち止め。結局、往路の走行距離は約200km。15時前に
出発し、草津SAでコーヒーブレイク。M先達を学園前で下し、富雄経由で帰る。Y氏を送って、自宅着19時頃、日曜日とあってか渋滞もなく、とてもスムースだった。合掌

 蝉時雨 背を押されつ 山寺へ

華厳寺山門

2017年7月29日土曜日

四国1回 1~6番 生駒発

平成29年7月24日

7月出発の第1回目がスタート。和尚は、生駒から添乗、お客様は41名。10名ほどがリピーターで、和尚と一緒だったという方も数名。新たに納経帖などを買い求めた方も10名ほどなので、継続見込みの方が約半数ということか。今年は四国遍路の端境期で、お客様も一服状態。今日も遍路バスは、我々の1台のみのようだ。1番霊山寺の本堂は、改修中で、法話も大師堂だ。久しぶりにご住職の登場で、ご挨拶。同じ仏教稲門会のメンバーでもあるのだ。2番極楽寺の大奥さんには、御目にかかれなかったが、新しい庵の御案内を預けておいた。2番から6番に飛び、その間にお弁当タイム。松本明慶大仏師の20代からの各年代毎の作品が揃っているのだが、大師堂が暗くてお大師さまの御姿が良く見えないのが残念なところ。5番地蔵寺の門前の駄菓子屋さんも、店を開いていない。お客さんが少ないと見越したようだ。4番大日寺、3番金泉寺と打って16時半打ち止め。ハレルヤ製菓に立ち寄って、帰路に着く。和尚は、健康診断を明日に控え、21時までに食事を終えていなければならない。そんな訳で、淡路HWOで淡路牛ハンバーグカレーなるものをいただくことに。なかなか結構でした。帰路も順調で、20時頃に生駒到着。お疲れさまでした。またご一緒しましょう。合掌

  地蔵寺や読経に重なる蝉の声

2017年6月28日水曜日

西国巡拝 播磨路25~27番+花山院

平成29年6月26日

花山法皇ご廟
特任先達の納経軸も残り2ヶ寺となっていたので、思い立って朝からスタートした。まずは番外の花山院を目指したが、渋滞に巻き込まれることもなく、スムースにたどり着いた。法皇殿で、お勤めの後、本堂や幸せ七地蔵、御廟などを参拝し納経所へ。「西国巡礼」という分厚い本が、住職推薦として置いてあったので紐解くと、非常に懇切丁寧なもの。サブタイトルは「三十三所の歴史と現代の意義」。西国三十三札所会監修で、文も絵も五叟鐡太郎とある。(電気情報社刊、2,500円)姉妹書として「板東巡礼」もあるようだ。山を下り「十二姫尼の墓」に立ち寄る。25番播洲清水寺で御軸は、満願。昇補申請書をいただく。ツアーで来ると時間が無いが、今回は余裕なので、根本中堂から寺名の興りとなった霊水「滾浄水(こんじょうすい)・おかげの井戸」に足を延ばした。播磨の札所は、なかなか来れないので、26番一乗寺から27番圓教寺も廻ることにした。一乗寺の帰路は、石段を避けて山道を下る。圓教寺では、三つ堂ゾーンに赴き、食堂2階の宝物館をじっくり鑑賞させていただいた。17時前に打ち止めし、帰路についたが、カーナビに従ったのが大失敗。姫路バイパス経由で大渋滞に巻き込まれることに。ロープウエイのアナウンスで、最寄りのICは、姫路西と言っていたのに、ドジなことでした。合掌

2017年6月21日水曜日

読売奈良 四国6回 西大寺発

平成29年6月18~19日

禅師峰寺の不動尊
三重県各地を経由して西大寺から高知へ向かうコース。初発地から乗車のお客様は、西大寺まで3時間を要している。総勢40名のお客様と9時に出発、日曜日とあって高速はスムースで、一気に淡路南PAまで2時間で走行、お弁当をいただきながらさらに2時間で南国IC。お弁当は、鳴門市の「さわ」、手造り弁当と謳うだけあって、質量ともに合格点だ。IC近くの土佐市観光でマイクロ4台に分乗し、35番清滝寺の山を登る。個人の参拝も多く、離合が大変だ。それぞれのマイクロが、揃い次第、36番青龍寺へ車を走らせる。石段を登り3台分は揃ったが、添乗員の乗る4台目がやってこない。本堂と大師堂のご供養を済ませてもらい待つことに。納経に時間を取られたようだ。お軸が17本あるのも一因かもしれない。下りは、スロープで恵果堂まで降りて行き、手を合わせる。バスが、近くの「竜の浜」まで回送され、34番種間寺へ。道中には、あじさい街道と名付けられた水路沿いの花壇が続き、あじさいが色とりどりに迎えてくれる。6月11日には「あじさい祭り」が開催されたようだ。店じまいをしていたアイスクリン屋さんが、バスを見てまた店を整えて待ってる。丁度17時に打ち止めして、アイスクリンをいただく。安産祈願し御礼参りで奉納した「底の抜いたひしゃく」が、子安観音の周りに打ちつけられている。年齢を見ると、44歳が最高齢出産だった。お宿は土佐御苑、般若心経のコピーをお願いする。
竹林寺の五重塔
19日 7時半に出発、37番岩本寺へ1時間ほど。納経所に声をかけて、本堂に上がり込んでお勤め。ご本尊が5体あるので、順にご真言を唱えて行く。本坊で、奥の院本尊地蔵菩薩の御開帳が続いていたので、皆で参拝する。お楽しみは「此処や」のアイスクリーム、昨日電話を入れて、早く開けるように頼んでおいたのだ。和尚は、しょうがと小倉のセット。皆さん思い思いの組み合わせを注文する。近くにある芋けんぴで名高い「水車亭(みずぐるまや)」が既に開店しているというので、急遽立ち寄る。33番雪蹊寺に戻り、長宗我部元親ゆかりの寺と説明する。隣接の「秦神社」も同様だ。32番禅師峰寺は高台にあって、眺めの良いところ。参道の坂を登る時、十一面観音立像の後頭部の大哄笑面を見ることができる。お昼を過ぎたので、「かつお船」で昼食。鰹のたたきが美味。鯉幟ならぬ鰹幟がはためいている。
打ち止めは、31番竹林寺。現在、本坊周辺が大工事中。駐車場から坂を下って、正門から石段を登ってゆく。緑が美しく、五重塔と重ねるとまるで絵葉書だ。我々に続いてやってきた団体の先達さんは、神戸のK女史。やあやあと久しぶりのご挨拶。五重塔から一言地蔵に案内して、14時過ぎに帰路に。吉野川、淡路SAと休憩して西大寺に19時半前に到着。とても順調な走行でした。合掌


 紫陽花の 青さ目にしむ 青龍寺

 種間寺へ あじさい街道 水路沿ひ

2017年6月14日水曜日

善通寺遍照会と讃岐巡り

平成29年6月10~11日

善通寺五重塔からの餅捲き
11日に善通寺遍照会の総会が開かれるのに、初めて出席することにした。10日の朝、マイカーで出発、まずは88番大窪寺へ。目的の一つは、新先達の申請書をいただくこと。そして散華の台紙も。ご住職は、不在だったがフェイスブック仲間のお兄さんに会えて、握手。お供えに奈良の地酒「梅の宿」を持参した。丁度、お昼時で「打ちこみうどん」と「おでん」の定番のメニューを楽しむ。
ついで、77番道隆寺へ。門前の「サンエイ」で白作務衣を購入、これは先達仲間に頼まれたもの。奥様に久しぶりに御お会いできて、四方山話に花が咲く。バスの添乗と違って、自由が利くのでのんびりとした行程だ。76番金蔵寺、74番甲山寺とお参りして、72番曼陀羅寺、73番出釈迦寺に駆け込む。お宿は、定宿の善通寺グランドホテル。夕食は、併設の「蔵の匠」で、同級生の藤間流の師匠と一献傾ける。そしていつものカラオケスナック「道」へ。店が移転し、新しくなったが、21時閉店と早じまい。したたか酔ったのか、バタンキュウで気がつけば朝。遍照会の受け付けは10時過ぎなので、朝うどんへ。善通寺の駐車場に車を預け、御影堂から金堂へお参り。今日は「大師市」の開催日でもあって、露天の準備でにぎわっている。南大門前の「コトブキ」でコーヒータイム、店主は同級生だ。受付を終えて、時間があるので、宝物館へ。御大師様の稚児像、それも聖徳太子の孝養像をモデルにしたスタイルで、特別展示なのだ。遍照閣の八八ヶ所出開帳本尊(松本明慶作)を一つ一つ鑑賞、同じ仏様でも、それぞれの札所の御姿を表現していることが良く分かる。親鸞堂、護摩堂と上がり込んでお参り。総会は、教化部長のお話を聞いて、おうどんのご接待で昼食。本日の目玉は、昼からのドキュメンタリー映画「いきたひ~家族で看取る~」だ。全国を巡回中で、四児の母である長谷川ひろ子さんが、夫の生きざま・死にざまをホームビデオで撮ったもの。企画から構成、作曲から歌まで自分自身でやりぬき2015年に完成したという。上映前後に彼女の話があり、中々の感動作だった。終演後に五重塔で餅捲きが有ると云うので、覗いて見たが、とても危なくてその輪に入れる雰囲気ではない。雰囲気をカメラに収めて、帰路に。合掌
金蔵寺山門

2017年6月9日金曜日

京都三弘法と高野山お礼参り

平成29年5月30~31日

2年かけて和尚の一国参りに参加された仲良し3人組の御婦人達とのお礼参り。30日の京都三弘法だけには参加したいと先達仲間も加わった。足は、いつものドライバーさんとレンタカー。新大阪からなんばを経由して、まずは、東寺へ向かう。五重塔、金堂、講堂と解説しながら廻る。4,5人の男性グループが話を聞きたいとついてきた。大師堂は修理中だが、大日堂の横に仮堂が設置され、同じ御姿という大師像が安置されている。その前でお参り。観智院がリニューアルオープンで公開中というので足を延ばす。美しく整備され、今後は常に公開するとか。
次いで、仁和寺へ向かう。大師堂は、一番奥にある。金堂の前にある納経所に朱印帖などを預け、お参りに。ほかに参拝客はなく、大師堂に上がり込んでのお参りだ。
神光院に向かう。東寺や仁和寺が三弘法というのは、理解できるがなぜ神光院がメンバーに加わっていると云うのが、面白いところ。弘法大師が、この寺でご修法で籠られ、お別れに御印を依頼されて、本堂前の池に姿を映して自刻された像があるのだ。江戸時代は、東寺で菅笠、仁和寺で金剛杖、神光院で納め札入れを求めて、お四国参りに出発し、廻り終えてお礼参りに来たと云う。今は、その名残りに小さな木札にその絵を描き、三つ揃えてビニールケースに収めて御守りにする。
京都三弘法を終え、お弁当をいただきながら高野山を目指す。先達とは、京都駅でお別れ。第二京阪から阪和道、さらに京奈和道と高野の麓まで快適に走れるようになった。まずは、高野政所の慈尊院へ。拝殿に上がりお勤め、案内犬ごんちゃんや玉依御前の話をさせていただく。自尊院から、山道を走り丹生都比売神社へ。17時前にたどり着けた。いづれも世界遺産だ。太鼓橋も美しいが、この季節ならではの茅の輪が本殿前にあり、くぐり方の解説も掲示されている。右、左、右とくぐるとか。順に試みて高野山の無量光院へ。ドライバーさんとはお別れ。

   仁和寺や 日射しに映ゆる 若楓

   三弘法 巡り祈るや 初夏の京

   慈尊院 乳房の絵馬や 風薫る

   丹生都比売 茅の輪くぐりや 二度三度

徳川蓮台 家康公ご廟所
31日 無量光院のお朝事に本堂へ。いつもながら外人客も多い。和尚は内陣に案内され、読経に参加、祖父のご供養もさせていただいた。朝食後、中本名玉堂の車がお迎えだ。今回も無理をお願いし、山内を運んでいただくのだ。まずは、奥の院へ。中の橋から入る。最初のゾーンは、企業墓中心だ。息子が勤務するキリングループの墓に手を合わせる。奥の院を巡って、金剛峯寺に運んでもらう。ここの売店でのみ売っている「弘法大師物語」をお勧めする。中本名玉堂で、昼食を楽しむ。ご婦人方は、森下商店の生胡麻豆腐に興味。壇上伽藍を隅々までご案内して、徳川蓮台、霊宝館なども巡る。名物麩まんじゅうも手に入れ、お土産などで膨れ上がった荷物を持って、特急こうや号でなんばへ。今回も無量光院や中本名玉堂に大変お世話になりました。ありがとうございました。合掌

  万緑の 町石たどり 奥の院

2017年6月8日木曜日

西国 全周の旅 7泊8日

平成29年5月19日~26日

3月の旅に続いて企画されたもの。なんとお客様は男性2名、女性4名の6名、豪華な旅だ。和尚は、近鉄特急で名古屋に向かい、新幹線で東京からやってくる一行を待つ。9時20分、中型バスで出発、2時間ほど走り、始神(はじかみ)テラスで休憩。車中で、名古屋名物の「てんむす」のお弁当をいただく。13時過ぎ、那智山の麓に到着し、かまぼこセンターに立ち寄って那智の滝へ。石段は133段。1番青岸渡寺の参道の石段は467段ある。本堂でお参りの後、三重の塔へ。ここからの那智の滝も素晴らしいのだ。那智大社も参拝して下山。おもしろい事に、那智大社で平安衣装の貸出しをやっていて、1時間2000円、2時間3000円の表示。お宿の南部ロイヤルホテルに向かう途中、橋杭岩を観光。

  短夜に 邪鬼が邪魔した 橋杭岩

20日 2日目は最もハードな一日、8時40分に出発し、2番紀三井寺まで1時間強。そそりたつような石段が待っている。231段の厄除け坂なのだが、結縁坂とも云う。かの紀伊国屋文左衛門が妻「かよ」と鼻緒が切れた縁で結ばれたのだ。新仏殿で、松本明慶作の大観音を拝観し早めの昼食、3番粉河寺に向かう。阪和道と京奈和道が繋がったので、50分ほどで到着、随分と早くなった。お陰で、境内をゆっくりと案内できる。4番施福寺へのトンネルが開通してマイカーなら30分位だと聞いていたので、駐車場で道を教えてもらう。かつらぎ西IC~県道125号~国道480号、トンネルを5つほど通過するのだが、「鍋谷トンネル」開通がポイント。さらに国道170号から施福寺への県道228号へと云うコースだ。トイレが不便なので、道の駅「山愛の里」に立ち寄るが、それでも40分ほどだ。
ここ施福寺が、最大の難所、自らの足で40分ほどの山登りを強いられる。無理をしないように念を押してスタート。急坂を登り、山門までたどり着くと紅い石楠花が迎えてくれた。山門にここから30分の張り紙がある。本堂で、立体曼陀羅の仏前でお参りすると決めていたので、皆のそろうのを待つ。(本堂拝観料500円)自信がないと言っていた方も、無事登りきった。1時間半程でスタートできたので、びっくりだ。和尚は2時間かかると思い、打ち止めの5番葛井寺の到着時間を気にしていたが、杞憂に終わった。葛井寺まで1時間弱、ゆっくりお参りしても17時前に打ち止めできた。門前の葛井餅の試食を頼んでおいたので、皆で味見。日持ちがするので、お土産にまとめ買いする方も。いつもの駐車場が閉鎖され、お客さんの流れが変わったので、売り上げが落ち込んでいるらしい。お宿は橿原ロイヤルホテル。和尚は自宅に近いので、一時帰宅。
   
   施福寺や 紅の石楠花 門前に
   石楠花の 紅鮮やかに 迎ふ寺

21日 ホテルを8時10分に出発し、壺阪寺(南法華寺)へ。本堂からお里澤一像~釈尊一代記のレリーフ~大観音~石堂~釈迦三尊石像~講堂と巡回しながら説明。1時間半近く要した。7番岡寺(龍蓋寺)まで20分ほど、ご祈祷を受ける方のお参りを待って、本堂へ。1~3月は、厄除け祈祷の期間で、本堂に上がれなかったのだ。ご本尊は如意輪観音、塑像としては、最大級。天竺、中国、日本の土を練り合わせたと云う。11時過ぎなのに、行程上もう昼食だ。ヤマトの柿の葉すしをいただき、8番長谷寺へ。駐車場にバスを停めて、まずは番外の法起院からお参り。西国創始の徳道上人のご廟所だ。長谷寺の登廊を登り、舞台でお参り。大師堂~本長谷寺~五重塔と廻って下山。9番興福寺南円堂まで1時間弱。観光客の間を縫って、奥のお堂に。もう1ヶ寺をどこにするかと悩んだ挙句、番外元慶寺へ。バスが入れないので、国道から歩いて往復する必要があるからだ。
16時半過ぎに打ち止めして、お宿の京都東急ホテルへ。17時過ぎに到着できたので、ゆっくりしてもらえそうだ。しかも連泊だ。

壺阪寺の石像
22日 8時15分出発、17番六波羅密寺へ。宝物館が素晴らしいので、お勧めする。(拝観料600円)教科書によく出てくる空也上人像や平清盛像などだ。11番醍醐寺は、受付が9時からなのだが、10分過ぎに到着と云う、素晴らしいタイミング。今は、閑散期料金で、800円。三宝院、宝物館の拝観もセットされている。既にバスが着いていると思ったら、小学生の写生大会、五重塔を画く子が多い。1時間ほどの滞在の後、10番三室戸寺へ。花の寺も、今は新緑の時期だ。12番岩間寺(正法寺)本堂に上らせていただきお勤め。その前の池が「古池や蛙飛び込む水の音」の古池と云う。
三室戸寺本堂
13番石山寺の駐車場に入り、まずは洗心寮で蜆飯の昼食。石山寺は、奥行きが深いので、ポイントの処を選んで周遊する。ついで、西山の20番善峰寺へ高速を使って向かう。本堂に上がりお勤め、遊龍の松など写真撮影を楽しんでいただく。綱吉の母・桂昌院が復興した寺で縁の品も多く残されている。再度、高速で京都市内に戻り、15番今熊野観音寺へ。本堂でお勤め後、役僧からの話を聞く。16時頃打ち止め。今日の動き方は、ドライバーさんの苦心の作だ。ホテルに戻ってから、六波羅密寺のご朱印を貰い損ねていたことに気がついた。駐車場に行くドライバーさんが、寺近くまで送ってくれて、時間内にたどりついた。久しぶりに、木屋町の馴染みの店に立ち寄ろうと、ぶらぶら歩く。開店まで時間があるなと思っていたら、立ち飲みの店がやっていたので、一杯やりながら時間をつぶす。お店で旧交を温めて、ホテルへ。風も心地よく、歩いて帰る。

  醍醐寺や 法螺吹く頬に 五月風
  新緑の 絨毯広ぐ 三室戸寺

23日 8時30分出発、16番清水寺へ。既に修学旅行の生徒たちの姿が見える。本堂でお勤めを始めると、外人観光客が物珍しそうに眺めている。10時集合として解散、音羽の滝などお勧めする。
和尚は、参道の先輩の店に立ち寄り、四方山話だ。19番革堂(行願寺)へは、路駐したバスから歩いて往復する。納経所に住職の老尼の姿が見えなかったのは、残念でした。18番六角堂(頂法寺)はご存知、池坊華道の家元が住職、京都の真ん中で「へそ寺」とも。早めのお昼は、西尾八ッ橋本店、「京のおばんざい」として女性には人気が高い。名神を使って、茨木の22番総持寺に走る。お寺の近くで、バスを下車し山門へ。山蔭式包丁式の寺でもある。救った亀に助けられ、ご本尊も亀の背に立つ。23番勝尾寺は、壮大なお寺。一方通行で境内を周遊するスタイルだ。打ち止めの寺は、亀岡の21番穴太寺。特別拝観の時期で、厨子王丸の守り本尊やお前立ちの聖観音が御開帳。本堂には逗子が3つ並んでいるが、真中が薬師如来、向かって左が聖観音、そして右がお前立ちの聖観音という。お前立ちが、並んでいるというのだ。説明を聞いて初めて知った。16時過ぎに打ち止め。お宿の宮津ロイヤルホテルに17時半到着。

24日 8時出発。 29番松尾寺へ。西国唯一・馬頭観音を本尊としている。バスは、一度福井県に入り、裏山から寺に行く。古びた本堂でのお勤め、納経所やトイレは、石段を降りた所にある。天橋立を右手に見ながら、28番成相寺への急坂を登る。重文指定の鉄湯船で、手を清めると云うのが面白い。本堂の右上に掲げられている左甚五郎の真向の龍は、写真撮影OKだ。松井物産で昼食、またまた名物のオイルサーデンを買ってしまった。2時間近く走って、番外の花山院へ。タクシーに分乗して900mの急坂を登り、観音堂へ。十一面観音を真中に、花山法皇と弘法大師が並ぶ。納経所から、有馬富士が左方に眺められる。打ち止めは27番圓教寺、15時30分のロープウエイで登り、寺のマイクロに乗っていただく、時間を短縮し、三つ堂に案内したいからだ。三つ堂付近は、ラストサムライなど時代劇の撮影場所として有名。その一つ食堂の2階は、宝物館となっていて、見るべきものも多い。ゆっくり案内して、麓の杵屋で試食タイム。トムクルーズが爆買いしたバームクーヘンもある。お宿は、姫路キャッスルグランヴィリオホテル、18時前に到着した。

  田水張り 畦焼く烟や 有馬富士
  さみだれに 白く霞むや 姫路城

25日 8時30分出発。 26番一乗寺へ。急な石段が迎えてくれるが、途中に国宝の三重塔がある。いつも、ここで一服しながらの説明だ。本堂の天井に、かっての納め札(木札)が花模様に打ちつけられている。三重塔は、本堂からの見下ろす写真撮影も趣がある。1時間ほどで、25番播洲清水寺。御嶽山清水寺なのだが、京都の清水寺と区別するためにか、播洲清水寺と通称する。山門をくぐってからも結構な距離の参道だ。昼食は、東條湖グランド赤坂。宝塚に戻り、24番中山寺へ。花山法皇が、ここの石棺から宝印を取りだし、西国霊場を中興したという縁の寺、安産祈願で知られた寺だが、五重塔が復興され「青龍塔」と云うように、青みがかった彩色が成されている。塔のそばに大師堂があり、拝観させていただく。名神で一気に14番三井寺(園城寺)へ。お宿が大津プリンスホテルの為、残しておいたのだ。近江八景で名高い所でもあり、見どころも多いお寺なので、ゆっくりとご案内する。まずは、観音堂に上ってお参り。金堂にお参りする前に、弁慶の引き摺り鐘や御井など案内する。金堂を拝観した後は、三井の晩鐘を突く。重文のせいか、一突き300円。しかし、詳しい小冊子を記念に下さる。三大銘鐘の中でも、音色一番と云う。17時前にホテル着。

26日 いよいよ満願の最終日、8時前に出発。31番長命寺からスタート。麓からタクシーで登るのだが、駐車場から100段強の石段が待っている。麓から800段を超えるから、それでも有りがたい。聖徳太子創建の寺で、寺名は武内宿禰の「寿命長遠諸願成就」の8文字からきていると云う。32番観音正寺も麓の五個荘からタクシーで登り、駐車場から500m歩くと境内だ。歩けば、約1200段の難所だ。白檀の千手観音は、松本明慶の作。いつ拝んでも、優しく微笑んでくれる。30番宝厳寺への船便はいろいろあるが、我々は彦根港からのオーミマリンで12時30分発、井伊直政ゆかりの赤備え船だ。11時50分頃に着いたので、出港までの時間を利用してのお弁当タイム。信仰の島・竹生島には、人は住んでいない。僧侶も神主も皆通いである。片道40分、滞在時間70分のスケジュールだ。急な石段を登り、まずは本尊大弁天で読経。宝物館で、四国霊場志度寺ゆかりの面向不背の宝珠を案内する。和尚は、これを見るだけで、価値があると思っているので、お勧めする訳だ。
国宝の唐門は、修理中だが、重文や国宝の宝庫でもある。15時に彦根港に戻り、打ち止めの33番華厳寺に向かう。問題は、お寺の納経時間が16時半までということ。お客様が「満願の証」を予約されているので、少しの遅れは待ってくれると思うものの、渋滞があるば、大変なことになりかねない。しかも、駐車場から本堂まで1km近く離れているのだ。ドライバーさんの奮闘で、駐車場に16時10分に着いた。添乗員のI女史が、小走りに参道を行くのを見ながら、我々も後を追う。満願の証のお名前の確認をしてもらう必要があるからだ。それさえ終えれば、お参りはゆっくりで良い。本堂、笈摺堂、満願堂と廻って、打ち止めは17時。なんとか間に合った。17時20分に駐車場を出発、新幹線の岐阜羽島駅へ。和尚は、ここでお別れし、名古屋から近鉄特急で帰宅。満願おめでとうございます。合掌
華厳寺満願堂の三狸

2017年5月16日火曜日

西国3ヶ寺と智恩寺

平成29年5月15日
智恩寺の鉄湯船

成相寺の鉄湯船
隣町のYさんを伴っての西国のお参り。朝8時に河合町を出発し、20番善峯寺に向かう。京奈和道城陽と第2京阪田辺北が新名神で繋がったので、とても早くなった。山門で法螺を鳴らし、本堂へ。
顔なじみの添乗員とアシスタントが現れたので、慌てて納経所へ。案の定、名古屋からの団体だった。これは幸いと、お勤めは便乗させていただくことに。遊龍の松や幸せ地蔵、多宝塔、桂昌院の墓など散策する。ここから29番松尾寺に向け京都縦貫道をひた走る。京丹波PAでトイレ休憩のつもりが、時計を見ると11時半、早めの昼食にした。道の駅「味夢の里」も併設されていて広々としている。バスで行くときは、福井県に入って裏山から進入するのだが、初めて表参道ルートで登ってみる。普通車なら、まったく問題はない。お参り後、納経所で駐車料を払うと、駐車証と共に、機関紙「菩提樹」88号を下さった。表面は「昭和天皇と二人の教官」裏面は「四則について」で、とても興味深く、読ませていただいた。次いで28番成相寺、おまいり後は、パノラマ展望台まで登り、天橋立を股覗きする。山を降り、日本三大文殊の一つである智恩寺(文殊堂)に立ち寄る。阪急のツアーでは素通りするので、和尚も久しぶりだ。木々に結ばれているのは、小さい扇子。よく見ると、それは御籤なのだ。遠目には、白い花が咲いているようにも見える。成相寺と智恩寺に同じような鉄湯船がある。説明文によると、銘文から、いづれも正応3年(1290)河内国の鋳物師山川貞清の作という。
智恩寺の扇子御籤
お参りの予定はここまで。今日は無理に帰るのはやめにして、宮津ロイヤルホテル泊まり。翌朝、8時に出発したら、3時間かからずに帰ることができた。合掌
善峯寺の遊龍の松
駐車場料金 善峯寺(500円)・松尾寺(400円)・成相寺(500円)・智恩寺(600円)

成相寺にて   風薫る 天橋立 昇り龍

智恩寺にて   五月晴れ 扇子御籤や 文殊堂

2017年5月13日土曜日

西国2回 2~4番 生駒発

平成29年5月12日

紀三井寺の観音立像を上から撮影
紀三井寺本堂
JR奈良~西大寺~生駒と廻るコース。お客さんは36名で、和尚は生駒から合流し8時20分過ぎ出発。まずは、4番施福寺の山登りから。風薫る五月の好天気で、夏日の予報が出ている。トイレ事情がもうひとつなので、近くの道の駅「いずみ山愛の里」でトイレ休憩し、山登り開始。和尚は、身軽な格好で、お参り道具や黒衣をリュックに背負う。2名ほどリタイア―したが、残りは全員で本堂で内拝することに。人手が無く、拝観料500円を和尚が集金する羽目に。しかし、今の仏像群は立体曼陀羅そのもので素晴らしい。11時半頃、昼食会場のマリーナシティ「黒潮市場」へ向け車を走らせる。少し遅めの昼食を済ませ、2番紀三井寺へ。結縁坂ともいわれる急な石段を登り、本堂へ。そして、12mの十一面千手観音立像に案内し、解説する。打ち止めの3番粉河寺への道が、大変革だ。先月末に、京奈和道と阪和道が繋がったのだ。どのくらい短縮できるか興味は尽きないところ。紀ノ川東ICで降りて、紀三井寺から40分少々でたどり着いた。今までは、1時間はかかっていた。見どころの多いお寺で、ゆっくり案内すると50分ほど要したが、移動時間の短縮で、まったく気にならない。生駒着17時45分。1回目も和尚と一緒だという方もいらして、楽しい旅となりました。又、御一緒いたします。合掌

 薫風の 山に響けと 法螺を吹く

佐渡ヶ島 遍路の旅の御案内

平成29年5月13日

四国遍路を佐渡に写した記録は、1745年から見られるようです。長い歴史の中、平成の大合併で、佐渡の十ヶ町村が佐渡市となりました。これを機に整理が行われ、平成18年に「佐渡八十八ヶ所霊場会」として改編されました。朱鷺の島、花の島、歴史の島、人情の島、信仰の島である佐渡を巡る企画を立案しました。3泊4日を2回で結願いたします。ご検討ください。

第1回日程 平成29年9月3日(日)~6日(水) 3泊4日  1番~50番

第2回日程 平成30年6月4日(日)~7日(水) 3泊4日 51番~88番

旅行代金 125000円(伊丹空港発着代金。相部屋料金)

お申込みはハロートラベルサービス大阪まで
☎ 06-6306-6410/ FAX 06-6306-6412

2017年4月26日水曜日

四国10回 60~65番 京都発

4月24~25日

神山のカカシ
京都から22名のお客様と伊予路に向かう。人数が少ないので、アシスタントは付いていない。まずはひたすら走り、昼食会場のリンリンパークに12時半ごろ到着、腹ごしらえをしてお参りというわけだ。高速道路から見る四国の山々は、若緑が萌え立ちはじめまさに山笑う状態だ。
60番横峰寺からお参り。山頂に駐車場があり、境内は下方にあるので、行きは下りだが帰りは結構な登りとなる。足に不安のある方二人を残して20人でのお参り。本堂の板の間に座ってお勤め。
石楠花が本堂から大師堂にかけての山腹にびっしりと植えられていて、壮観なのだが、まだ蕾堅しというところ。山を下りて、64番前神寺へ。本堂前の売店に、灘健二さんが車いすに乗せて、障害者対応の実証にお供した「神山のかかし」が飾られていた。新聞記事なども掲示され、和尚も現場に遭遇してお話してことなどを思い出した。小さい金色の招き猫(50円)が良く売れた。ここで、香園寺の駐車場に、霊場会の62番礼拝所がオープンしたと教えられた。63番吉祥寺到着が16時20分、
なんとか蝋燭、線香がお供えできると、本堂、大師堂の両方にご供養してもらい、おもむろに読経開始。本堂、大師堂と済ませ六角形の福聚堂に案内する。ご本尊が毘沙門天であるところから、このお堂に七福神の残りの六福神が祀られていて、七福神のお参りができるようになっているのだ。
打ち止めは16時50分、道後温泉ホテルルナパークに18時前到着。
25日 7時35分出発、8時にオープンする「ハタダのお菓子館」にまず立ち寄る。昨日からペットボトルの空きを用意するように伝えていた。石鎚山系の伏流水が頂けるからだ。9時過ぎに52番宝寿寺に到着、霊場会を脱退して独自の道を歩んでいる。御影も有料化(200円)し、お昼休みもある。
第62番礼拝所・納経所
61番香園寺では、大聖堂に上ってお勤め。大きな金色に輝く大日如来を前に、なぜ菩薩形をされているかなどをお話しする。お参り後、和尚は第2駐車場にできた礼拝所へ。プレハブの棟屋の中に十一面観音を中心に右に弘法大師、左に不動明王が祀られ、納経所もセットされている。10名ほどなら、中でお勤めができそうだ。納経帖や御影の表示は「62番 礼拝所」となっている。
 霊場会礼拝所・納経所設置趣意書には『四国八十八ヶ所第六十二番宝寿寺住職は四国八十八ヶ所霊場の脱会を主張し、御納経受付時間の短縮、納経帳・掛け軸を納経された方に無料でお授けしている白黒の御本尊御影の有料化(二百円)、お遍路さんや団体募集の旅行社数社に対する宝寿寺参拝や納経拒否等、霊場寺院住職として、お遍路さんや四国巡拝関係各位の方々に大変なご迷惑をお掛けしております。今般、当霊場会では、対応措置として霊場会第六十二番礼拝所・納経所を設置することと致しました。今回の判決で聖職者としての寺院住職の義務より住職個人の権利が優先され、霊場会の訴えが棄却差し戻されましたことは、大変残念なことであります。これ以上お遍路さんにご迷惑をお掛けすることはで出来ません。宝寿寺が、霊場寺院として、巡拝される皆様に正常な対応が成されるまで、霊場会礼拝所・納経所での運営を致します。参拝者の中には逡巡される方も多いと思い大変心苦しいのですが、ご理解ご協力賜わりますよう宜しくお願い致します。四国八十八ヶ所霊場会』
65番三角寺の麓に11時到着。3台のジャンボタクシーに分乗して山門下へ。急な石段を登り、鐘楼門で鐘を突いて境内へ入る。本堂の前に山桜の古木、一茶の句碑に「是でこそ登りかひあり山桜」
とある。無事打ち止めして、吉野川HWOで遅めの昼食。帰路もスムースでなんと17時前に京都駅着。お疲れさまでした。合掌

 山笑ふ 谷間に青き 吉野川

 青空や 奥阿波の里 山笑ふ

2017年4月21日金曜日

京都三弘法と高野山お礼参り 参加者募集

平成29年4月21日

秀寛和尚の案内で京都三弘法こと東寺・仁和寺・神光院をお参りし高野山へ。慈尊院・丹生都比売神社もお参りして無量光院にて宿泊。
朝勤行に参加して、奥の院・壇上伽藍・金剛峯寺などを参拝します。
新緑の京都、高野山を満喫しませんか。
 出発 5月30日(火) 8時 なんば 8時40分 新大阪
 帰着 5月31日(水) 夕刻なんば解散
 会費 43000円
初日は、専用車でお参りし、2日目のお参りも地元の専用車利用。
帰路は南海電車でなんばまで。
お申込み・お問い合わせは ハロートラベルサービス大阪 
☎06-6306-6411 橋本まで

2017年4月19日水曜日

四国1回 1~6番 京都発

平成29年4月17日

2番電車に乗って京都へ。雨の予報なので、レインコートも持参する。お客様は44名と満員、今にも降り出しそうな天気の中を8時前に出発する。淡路島室津PAで休憩後、納経帖などを集め1番霊山寺へ。本堂が改修中の為、大師堂で法話と受戒。2番極楽寺では本堂と大師堂の間の抱き地蔵に列を作る。長命杉の霊気をいただいて、6番安楽寺へ向かう車中で昼食を摂る。本堂で、薬師如来の話をさせていただいた。5番地蔵寺で樹齢八百年の大銀杏に手を当て思いを寄せる。4番大日寺は、我が東寺真言宗の準別格本山、本尊大日如来について説明する。大師堂への回廊に西国三十三観音が居並ぶのが特徴だ。打ち止めは3番金泉寺、大師堂では掲げられた弘法大師の一代を表現した絵を解説し、黄金の井戸から弁慶の力石に案内する。打ち止めは16時30分、立ち寄り先のハレルヤ製菓へ。ここまでは、なんとか雨にも降られなかったが、帰路にかかる頃から雨と強風が吹き始めた。鳴門大橋では、風にあおられバスは蛇行し、危険な状態だ。既に二輪車は通行停止、淡路島に入って一息ついたが、このままでは明石海峡大橋が通行止めになる可能性があると、添乗員は淡路での休憩取りやめ、早めに淡路島を抜けることに。西宮名塩PAまで走って休憩し、京都着20時。和尚は、20時15分発の近鉄特急に飛び乗り帰路に。合掌

 春嵐や 揺れる大橋 バス遍路

読売西国4回 10~14番 大和八木発

平成29年4月16日
醍醐寺三宝院庭園

橿原神宮前から大和八木と回るコースでお客様は35名、八木を7時15分に出発し11番醍醐寺へ向かう。8時半過ぎに着いたのだが、拝観券の販売も入場も9時からだという。入場口の仁王門で、納経所には9時に入るので、それまでは境内を案内させてほしいとお願いし、了承を得る。添乗員には拝観券を購入して追っかけてもらうことに。金堂、五大堂、真如三昧堂、祖師堂など案内して納経所入り。拝観券は1300円で三宝院と霊宝館も拝観できる。団体の巡礼者には、300円の納経券が付いてくる。しかし、添乗の先達も有料となった由。システムがすぐ変わるので、添乗員もバタバタだ。結局1時間半の滞在となってしまった。10番三室戸寺は花の寺で有名だが、今は少しの桜が遠望できるのみだが、屋外の茶席のような雰囲気を演出している。午前中に岩間寺までと思っていたが、昼食会場の洗心寮は11時半に来て欲しいとのことで、昼食を摂って石山寺を先に回ることになった。
13番石山寺は日曜日とあって、納経所は長蛇の列。個人納経の方を残して、山内を案内する。和尚の納経はあきらめた。バスに戻っても中々個人納経組が戻ってこない。相当時間がかかっていたようで、1時間を要した。12番岩間寺(正法寺)では、本堂に上ってお参りさせていただく。打ち止めは、14番三井寺。まずは一気に観音堂への石段を登る。上ってお参りしようと思ったが、特別拝観とのことで拝観料300円という。外でお参りして、弁慶の引きずり鐘から金堂へまわり内拝しながら諸仏を解説する。三井の晩鐘の鐘を聞いてもらおうと一突き300円を支払って、おもむろに突く。流石に素晴らしい響きだ。釈迦堂に回って打ち止めは16時前。八木着17時30分。なんといつもより早くの帰着。素晴らしい。合掌

 花吹雪 三井の晩鐘 おごそかに

西国1回 青岸渡寺 生駒発

平成29年4月12日

水量が落ち着き、滝口が3口に見える那智の滝
連日の青岸渡寺参り、今日は生駒発8時20分。満員状態のお客様を乗せる奈良観光バスは、ドライバー2名体制、それだけ距離があるというわけだ。昨日と打って変わって、さわやかな春の日差しが注いでいる。同じ行程でも、スタートが遅いので、滝で記念撮影し、寺への参道を登り始めたのは、14時をまわっていた。今日は副住職のお話を聞いて、三重塔へ。生駒着20時30分。合掌

 春風に 花散り始む 那智の山

西国1回 青岸渡寺 天王寺発

水量豊富な那智の滝と桜花
平成29年4月11日

いよいよ春のお参りシーズンがスタート。西国も四国も第1回目が始まる。三国が丘から添乗する予定だったが、早く目覚めたので天王寺からに変更した。お客様は42名と満員状態、三国が丘で集合場所の分からないお客様がいて、添乗員が迎えに走る。予定より10分ほどのロスタイム。紀ノ川で休憩して立ち寄り先の中田食品へ。梅製品の製造元だが、お勧めは「ギャラリー梅園」。集めめている美術品の数も相当なもので、季節ごとに入れ替えて展示する。この時期は春がテーマだ。
雨の中、特に風が強い。13時過ぎに那智の滝、記念撮影も中止。滝の水量も怖いくらいだ。お寺では、ご住職の法話をいただき、三重塔に案内する。(お寺から無料拝観券を人数分いただく)強風で4階は閉鎖だが、2階から展望させていただく。15時出発、「ちかつゆ」「紀ノ川SA」に立ち寄り、天王寺帰着20時。雨の一日だったが、お参りの最中は傘も要らず、良いお参りでした。合掌

 春雨を 抱き膨らむ 那智の滝

 雨に散る 熊野古道の 桜花

2017年4月6日木曜日

高野山大学 入学式

平成29年4月5日

高野山大学の入学式が挙行された。和尚は、同窓会大学院通信教育課程支部長として、できる限り参列することにしている。会場は松下講堂黎明館。今年の新入生は、学部、別科、大学院を合わせて98名(内女性43名)だ。特徴的なことは、東南アジアからの留学生が11名に及ぶこと。タイ、ミャンマー、中国などからだ。学長も新任の乾龍仁教授である。一人ひとりの名前を読み上げて行くのが高野山流、お和尚の母校マンモス大学の入学式ではありえない。黎明館前では、こうや君の着ぐるみが待ち受け、記念写真の要望に応えている。和尚も早く到着したので、その恩恵に預かった。1時間ほどの式典の後、新入生たちは金剛峯寺へお参り。和尚は、奥の院の参拝へ。相変わらず西洋系の外国人が目に着く。ミシュランの旅ガイドに三つ星が付いたとかで、高野山に訪れる外国人の半数はフランス人と聞いている。和尚の周りからも別科に入学した方がいて、ささやかにお祝いの昼食を摂って下山。合掌

2017年4月4日火曜日

土佐の国一国巡り 24~37番

平成29年3月27~29日

みくろ洞
不動巌の洞
秀寛和尚と巡るお四国遍路の旅シリーズも18回目、今回は土佐の国。金剛福寺と延光寺は伊予の国巡りに回して、残り14ヶ寺を巡る3日間。メンバーは、ドライバーさんを含め前回と同じ7名だ。なんばを8時半に出発して24番最御崎寺を目指す。淡路島の室津PAで小休憩して薬王寺麓の日和佐の道の駅で昼食休憩。足湯にお弁当を持ちこむ方もいたが、それは禁止と後で気がついた。海岸線をひた走り14時前にみくろ洞到着。崩落の危険があると、今は柵がしてあり立ち入り禁止となっている。最御崎寺は、山門前に駐車し、少し参道を登り境内へ。大師堂、一畑薬師堂、本堂とお参り。25番津照寺の石段に音を上げながら本堂へ。大師堂とお参りして、不動厳へ。ここは26番金剛頂寺の飛び地境内なのだが、弘法大師の室戸の修行の地は、此処ではないかとの説が地元では強い。地質学者は、当時のみくろ洞は海面すれすれで修行などとてもできないというのだ。不動厳付近は、風も強く、波飛沫も凄い。修行にふさわしいところと云えよう。16時過ぎに金剛頂寺へ、本堂、大師堂とお参りして宿坊入り。いつもながらの美味しい夕食だ。
28日 6時から護摩堂でお朝事。豊山派宗務総長の任を終えられた坂井智宏住職直々のお勤め、昨年作られたという見事なお寺の案内小冊子をいただいた。写真も資料も豊富で、重文の金剛旅壇具の写真には驚かされた。27番神峯寺へ向かう。急で、曲がりくねった山道を登り、駐車場へ。
ここからは、歩きだ。報恩の碑の前では、水谷繁治・しづ夫妻の霊験記を思い出して貰う。納経を済ませ、神峯の水をいただいて急な石段を登り本堂へ。大師堂からはスロープをくだり山門を経て駐車場に戻る。出発の寸前、荷物を忘れたと駆け戻る方。無事納経所に届けられていて事無きを得た。麓の地場産品直売「神峯」に立ち寄り「遍路君バッチ」を買い求めて28番大日寺へ。バスなら麓で駐車なのだが、我々の車は山門前までOKだ。お不動さんの縁日とあって、護摩堂では住職が護摩供の最中。本堂も外陣が解放されている。お寺のこだわりがあるので、本尊大日如来のご真言も金剛界の「オン バザラダトバン」を唱える。29番国分寺は、土佐の苔寺。とくに納経所の周りが美しい。30番善楽寺まで打って、遅めの昼食は「とさ市場」。鰹のタタキやてんぷらに舌鼓を打つのだが、お勧めと書いてある「ウツボのタタキ」が超美味だった。31番竹林寺は、本坊の建て替え工事中。32番禅師峯寺、33番雪蹊寺と打って時間切れ。34番種間寺は明日に回してお宿の三陽荘へ。夕食で名物「塩タタキ」を味合わせて頂く。これは絶品だ。大阪の阪急のバスも宿泊で、馴染みの先輩先達と一献傾けながら懇談、少し飲みすぎたか、朝風呂には入れなかった。
29日 7時半に出発して36番青龍寺へ。本堂へ向けまっすぐ登る石段に息を切らせるが、鶯の声が大歓迎してくれる。お参りの後は、スロープを下り恵果堂へ。長い中国線香が置いてあるので、それもお供えしてお参り。恵果堂があるのは、此処だけなのだ。34番種間寺では、安産祈祷の底の抜いた柄杓を眺め、35番清滝寺への細くて急な山道をこわごわ走る。境内の薬師像台座の戒壇巡りに挑戦し、打ち止めの37番岩本寺へ。五本尊のご真言を唱え、天井の格子絵を眺める。猫からマリリンモンローまで多彩で見飽きない。本坊に展示されている修復なった奥の院の本尊地蔵菩薩を拝観し、打ち止めは12時。「此処や」のアイスクリンを楽しんで、「ゆういんぐ四万十」で昼食。ミレーのビスケットや手造りおにぎりなど買い込んで、帰路に。阪神高速神戸線の大渋滞に遭遇したものの、梅田、なんばと送り解散。これにて結願の3人から「結願の証」を依頼されたので、和尚も30回記念の結願の証を思い立った。できるだけ早くに大窪寺に行ってまいります。合掌

空と海 歩き遍路や 土佐の路

法螺の音に 初音応ゆる 最御崎

八輪の 桜迎ゆる 東寺(ひがしでら)

春時雨 不動巌にも 波飛沫

春苔の 緑輝く 国分寺

鶯の 乱れ鳴くなり 青龍寺

菜の花や 結願の旅 土佐の路

朝寝して 朝寝朝酒 露天風呂

春惜しむ 土佐文旦の 歯ごたえや

2017年3月20日月曜日

西国あれこれ

平成29年3月20日

西国全周の折に、お客様の対応に追われ、ご朱印漏れの寺があることを発見。和尚のご先祖の墓は平成17年に讃岐から京都に移転しているので、お彼岸の墓参りを兼ねて、リカバリーに。
まずは、番外元慶寺に。北花山院交差点から下り左折しようと思ったが、和尚の腕では無理と判断、そばのドラックストアの駐車場に停めてお参りすることに。お参り後、近くの京都東山花鳥霊園に墓参。お参りのお花が満ち満ちている。日本人の心根を感じさせられる光景だ。和尚もお四国、石手寺門前の棕櫚屋でいただいた墓石磨きを駆使して磨きたてる。経を唱え、六波羅密寺へ。連休とあって参拝客の姿も多い。本堂に座り、勤行。帰路に。

六波羅寺 神籤読み合ふ 京の春

2017年3月19日日曜日

東京阪急 西国全周 7泊8日

平成29年3月11~18日

阪急東京の春の恒例西国全周に名古屋から添乗、お客様は21名。海外旅行より高いお参りツアーを選んだ方々だ。名古屋駅で9時過ぎに合流し、1番青岸渡寺を目指す。嬉野PA、七里御浜みかんパークで休憩の後、那智の滝に14時15分到着。滝前で記念撮影し、青岸渡寺の参道を登る。三重塔も開扉しているが、15時半までというので、慌てて駆け込む。ここは那智の滝の最高の撮影ポイントだ。今日は東日本大震災の7回忌、14時46分にサイレンが鳴る。和尚も呼応してホラ貝を吹き鳴らす。那智大社を参拝して下山、南部ロイヤルホテルに向かう。17時前に橋杭岩で見学休憩。先日和尚は、ここの売店でホラ貝を衝動買いし、加工してもらったのだ。お店の方にその報告をすると、ぜひ見せて欲しいし、吹いてみて欲しいというので、リクエストに応える。18時半頃ロイヤルホテル到着。
12日 8時出発。岸和田SAで、トイレを済ませ、4番施福寺を10時過ぎから登山開始。皆で、本堂に入りお勤めする。堂内を解説しながら案内して下山。槙尾観光センターで、草餅などが良く売れている。昼食会場の「はやし」に13時着。食事もそこそこに2番紀三井寺の石段を登る。お勤め後の大観音の参拝も、下から見上げて解説するに留めた。3番粉河寺に15時30分頃着、内陣でお勤めし、16時過ぎ6番壺坂寺に向け出発。電話で、向かう旨伝えると、17時までには着いて欲しいという。17時から警備会社の管轄になるというのだ。ドライバーさんが、裏道を探し走りに走ってくれたお陰で、16時55分に滑り込み。ご住職も心配して入口までお迎えに。着いたからにはゆっくり参拝をと云っていただき、大講堂のお雛飾りも開けておいて下さった。山内の石仏も拝観でき感謝感謝だ。結局18時前まで滞在し、宿の橿原ロイヤルホテルへ。明朝の神宮参拝をお勧めして、和尚は帰宅。30分ほどなのだ。
長谷寺の寒牡丹
13日 8時出発。気分の悪いお客様がいて、添乗員に付き添われ病院に。8番長谷寺の駐車場にバスを停め、番外の法起院へ。9時開門なのだが、10分ほど早く開けていただく。長谷寺登廊横には、寒牡丹が蓑の中にまだ花を付けていて、撮影会の雰囲気となる。本堂、大師堂、本長谷寺、五重塔と案内して、7番岡寺へ。30分ほどで到着。厄除け祈祷の期間で、本堂には上がれないが、厄除けの鐘を突き、龍蓋池、大師堂と回る。少し早目の昼食を「柿の葉ずしヤマト」で済ませ、5番葛井寺へ。バスの駐車場が閉鎖になったので、大型バスなら駅前で降りて商店街を歩くのだが、中型バスの強みで、いつもの処で降りてバスは回送。門前の葛井餅屋さんが、喜んでくれた。参拝客のルートが変わり、お客が減ったというのだ。45分ほどで、9番南円堂へ。残念なことに国宝館は工事中だ。14時20分頃に20番善峯寺に向け出発し15時半着。つづれ折りの急な参道を登ると説明していたのだが、駐車場のお店の方が、中型バスは上まで上がれると教えて下さった。本堂でお参りの後、遊龍の松など境内をゆっくり見学でき、京都東急ホテルにも17時に到着できた。和尚は、コンビニで般若心経の資料のコピー。ホテルには高くて頼めないからだ。病院に行ったお客様も、無事ホテルに直行し元気を取り戻したようだ。
14日 8時出発。17番六波羅蜜寺へ。本堂でお参り後、宝物館の見学。教科書に出てくる空也上人像など重文の宝庫だ。番外の元慶寺へは、歩け歩けなので、添乗員を先頭に和尚が最後尾について迷子予防。11番醍醐寺の入場システムが、変更になっていて、今は納経料、三宝院、宝物館の見学料込みで800円という閑散期サービス料金。季節によって変動するというので、HPなどで常にチェックが必要だ。1時間ほどかけて楽しんでいただく。10番三室戸寺は花の寺だが、今は静かなものだ。お昼は、平等院近くの喜撰茶屋。少し多めに時間を取って、平等院も各自で拝観していただく。12番正法寺(岩間寺)には、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」の句に出てくる古池が本堂と不動堂の間にある。13番石山寺は、和尚の属する東寺真言宗の大本山。山内も広いので、見どころを案内して回ると50分近く要した。普賢院跡の梅林が見頃で素晴らしい。14番園城寺(三井寺)も広いお寺、まずは観音堂への石段を登る。数えてみると178段だった。弁慶の引きずり鐘、金堂、三井の晩鐘、釈迦堂など案内して、打ち止めは16時40分。
石山寺普賢院跡の梅林
15日 7時45分出発。16番清水寺に一番乗り、バスの駐車場も1台もいない。参道のお店も半分以上閉まっている。したがっていつも大行列の音羽の滝も貸切状態。和尚の先輩の村上喜宝堂にも、電話を入れて早めに開けてくれるよう頼んでおいたので、なんとか間に合った。1時間半ほど、楽しんでもらった。19番行願寺(革堂)は特別御開帳の時期にあたり、お勤めの後に内拝させていただく。(500円)18番六角堂頂法寺も御開帳だ。ご本尊は5.5cmの如意輪観音なので、お前立の脇からお姿を遠くに拝むことに。(1000円)両寺とも和尚は初めての御開帳だ。早めのお昼は、八ツ橋西尾の本店、料理は京都のおばんざいなので、女性軍には好評のはずだ。食後はお買いものタイム。12時に15番今熊野観音寺に向け出発、なんとこちらもご開帳。(200円)御開帳料金が三者三様なのが面白い。京都を離れ、22番総持寺へ。中型バスなので、線路のガード下がくぐれて、お寺の近くで下してもらうことができた。23番勝尾寺は、勝運の寺。境内の石段を登り始めた頃に、定例の法要が終わり、本堂の中でお勤めさせていただいた。和尚は2度目の経験。お客様は、御開帳もあり、幸運な1日と大喜びだ。境内の整備が終わり、帰路が多宝塔を回るルートとなっている。打ち止めは21番穴太寺、本堂の寝釈迦を撫でて、お宿の宮津ロイヤルホテルを目指すが、まずはトイレをと、「道の駅ガレリアかめおか」に立ち寄る。ホテル着18時20分。
中山寺五重塔
16日 8時出発。いったん福井県に入り、29番松尾寺へは1時間ほど。本堂に上がりお勤め。山主松尾心空師の講演録「日本を救った新渡戸稲造著「武士道」について」を2冊購入。1冊は居合道の先生へのお土産だ。次いで28番成相寺への急坂をバスは喘ぎながら登る。境内にはまだ雪が多く残っている。内拝をしていただき、孔雀明王、閻魔大王など案内し、ドライバーにお願いしてパノラマ展望台に登ってもらい、天橋立を眼下に楽しんでいただく。昼食は、本伊勢・籠(この)神社近くの松井物産、参道の店々のオイルサーデンの値段をチェックしながら歩く。TVで有名になったこの缶詰は、お店によって小売値段が違うのだ。決めたお店で聞くと、片口イワシとマイワシで値段が違う、本来は片口イワシなんだが、味はマイワシが上で、値段も高いという。和尚は3缶づつ買うことにした。(帰宅して買い置きを見ると、マイワシでした)食事後2時間かけて番外花山院菩提寺へ。タクシーのピストンで、急坂を登る。花山法皇堂でお参りの後、「本堂、ご廟などをお参りし、納経所前から有馬富士をご覧ください」と案内する。打ち止めは、24番中山寺。お楽しみは五重塔だ。工事中から気にはなっていたが、先日完成と聞いていたのだ。「青龍」と扁額がかかっている如く、青色を基調とした彩色がなされており、現代風で鮮やかだ。お参りの後は、広い境内を説明し、各自で自由に拝観していただく。17時丁度にバスは出発し神戸フラワー&フルーツパーク内のホテルへ。神戸市立とあってか、民間では考えられない設計空間だ。
17日 7時45分出発。27番圓教寺まで1時間強。ロープウエイで山頂へ。本堂までマイクロバスに乗る方と和尚と一緒に歩く方に分かれる。半分近くが歩き組だ。参道の三十三観音を説明しながら登る。摩尼伝でお参りの後、「ラストサムライ」などの撮影の舞台となった「三ツ堂」に案内し食堂2階の宝物館へ。下山してトムクルーズが大量に購入したいうバームクーヘンなど買い込むと2時間程を要した。26番一乗寺までは40分ほど、本堂でお許しを得て、天井の花模様の納め札など撮影させていただく。石段の途中にある三重塔は国宝だ。昼時となったが、昼食会場の東条グランド赤坂まで小1時間、遅めの食事となった。25番播洲清水寺まで15分、専用道路を登り、美しい山門前までたどり着ける。山門から、下って本堂へ。ここまでで14時、最終日の打ち漏らしの危険を避けるため、もう1ヶ寺回りたい。31番長命寺の納経時間は16時30分まで、32番観音正寺は17時までだが、肝心の道路は16時30分まで。両寺ともタクシーで登る。タクシー会社のベテランに相談すると、長命寺を勧めてくれた。ドライバーさんの腕を頼りに、事故渋滞のないことを祈りながらの2時間、16時10分に山麓に着いた。ピストン輸送で16時30分に皆が揃い、40分打ち止め。感謝感謝の綱渡りでした。長浜ロイヤルホテルに18時前到着。
18日 竹生島へ渡る彦根港からの1便は9時30分発なので、ゆっくりと朝食を楽しみ8時40分出発。
港に9時前に着いた。30番宝厳寺の国宝唐門は、目下改修工事中。上陸後、急な石段を登り、本堂へ。弁財天のご真言を唱えてお参り。宝物館に、「面向不背の珠」を見に行く。讃岐の志度寺縁起で名高いものだが、興福寺に奉納された後、どうゆう訳かここにあるのだ。出港前、いつもの「芋餅」いただく。彦根港着12時。美味しいお弁当をいただきながら、32番観音正寺へのタクシー乗り場五個庄へ45分ほど、3台のタクシーのピストン輸送。ところが、次の団体を乗せたバスがつかないため、待機のタクシーが我々に。お陰で、下りも6台で一気にという幸運に恵まれた。ご本尊は白檀の千手観音、松本明慶作だ。14時前に33番華厳寺に向け出発、この寺も納経時間は16時半までなのだ。2時間前後の走行時間として、寺近くの「谷汲みあられの里」でのトイレ休憩と買い物も可能だ。駐車場から本堂まで800m、桜並木を守るため大型車は通行禁止なのだ。本堂、笈摺堂、満願堂と経を唱えて回る。無事満願、「満願の証」を依頼している方も多い。16時30分打ち止め。岐阜羽島駅は、あまり買い物できないとの添乗員の判断で、近くのスーパーバローなどが入るショッピングゾーンに立ち寄る。18時半過ぎ岐阜羽島駅到着、ここで皆さんとお別れ。満願おめでとうございます。当初の計画だと、打ちもらしの恐れがあると、大幅に変更。ドライバーさんをはじめスタッフのチームワークで事なきを得ました。合掌

那智の滝にて   春風を 抱きくだける 那智の滝

京都の車窓から  ほんのりと 北山粧ふ 春の雪

成相寺にて    残雪の 橋立観音 春の海

中山寺にて    春空に 青龍と名付く 五重塔

彦根港にて    春の湖 赤備え船 竹生島

2017年3月10日金曜日

西国2回 2~4番 なんば発

平成29年3月8日
粉河寺の柴燈護摩供

43名のお客様となんばを8時25分に出発。まずは4番施福寺を目指す。あまり時間がないので、添乗員達は納経帖などの整理に大わらわだ。和尚も、自己紹介など後回しにして、朝のお勤め優先だ。1時間ほどで、麓に到着。無理をしないように話をしておいたので、下で待っていますという方も数人。皆で本堂に上がり、お勤めと拝観だ。事前に、全員が入堂するなら中でお勤め、あるいは外でお勤めして希望者のみ入堂するかと聞いていて、皆で本堂でお勤めとなった訳だ。ご本尊弥勒菩薩、西国の本尊千手観音、そして文殊菩薩や四天王の居並ぶ姿を解説し、方違い観音や馬頭観音など、説明しながら巡る。お客様の声は、大満足のようだ。(拝観料500円)下山中に、顔見知りの遍路研究者と遭遇、一人でお参りとのことだった。全員がバスに戻って出発は11時過ぎ、昼食会場のマリーナシティにまで約1時間だ。このシリーズでは、初めての食事作法。和尚たちは、別メニューの選択なので、ラーメンとチラシ握りですます。2番の紀三井寺までは、15分ほど、紀伊国屋文左衛門の結縁坂ともいわれる急な石段を登りきると、境内にたどり着く。本堂でお参りの後、松本明慶作の千手十一面観音立像に案内する。国内最大級で12m弱だ。打ち止めは、3番粉河寺。なんと我々の到着を待ってたかのように、丈六堂の前で柴燈護摩が始まった。マイクでがなりたてるので、我々のお勤めの経頭である和尚も負けるわけにはいかない。大声を張り上げる。16時過ぎ無事に打ち止めて、良く見るとこの地区の雛飾りのイベントの期間だった。それぞれのお宅の雛飾りを披露している。(粉河とんまか雛通り)17時30分なんば着、お疲れさまでした。ゆっくりとお風呂で足を癒してくださいと伝えてお別れ。合掌

粉河寺にて   春風に柴燈護摩の煙かな
粉河とんまか雛通り