2010年11月28日日曜日

四国2回 7番~11番 西大寺 発



平成22年11月26日

西大寺からの添乗、お客様は21名。この人数だと、添乗員は一人で納経に向かわなければならないので、大変だ。渋滞もなく、快調に走り、休憩と納経用品の買い足しのため霊山寺に着いたのが11時過ぎ。逆打ちでお参りすることにして、11番藤井寺までの間に食事をしてもらう。10番切幡寺は、タクシー組と歩き遍路組に分かれるが、約半数が歩き組に。山門まで800m、そこから333段の階段を登る。歩き組の速さに、先についているタクシー組がびっくりする。大塔にあがる途中に不動堂がある。そこで一服かたがた、お不動さんの御真言の練習をするのが、和尚のパターンだ。大塔からの景色は天気が良すぎて霞んでいる。麓の金山商会でお茶のご接待を受ける。和尚の「ようおまいり」も残部2部とかで、追加注文をいただく。9番法輪寺の草餅が相変わらずの人気、境内の紅葉とたわわに実る柿が美しい。8番熊谷寺はご詠歌の流れる中、紅葉の参道を歩む。中門の「多聞天」は、単独でおまつりされると、「毘沙門天」と呼び名が代わると説明する。7番十楽寺を打ちあげて16時半、順調なお参りだった。十楽寺の愛染堂をお参りして、「輪」の叩きかたをレクチャーする。高野山大学の道場で、指導されたのは、「7時のところを甲乙に」だ。つまり「輪」を時計の文字盤に見立て、上が12時、下が6時、その7時のポイントを中から外に、一打目は大きく、2打目は軽く叩くというものだ。確かにその方が、音が澄んで余韻が長い。これも、長い時を経ての経験則なのだろう。和尚は「ご自宅の仏壇でお試しあれ」とお話する。合掌
  
 柿の実の 夕陽に光る 法輪寺

(写真は、法輪寺の紅葉と柿の木)

西国11回 長命寺~宝巖寺



平成22年11月24日

川西能勢口から湖国の2ヶ寺をお参りすることになった。いつもは、此処が出発点で、宝塚~西宮北口と廻るので、西宮北口から乗車するのだが、東に向かうとあって川西能勢口が最終出発点となるのだ。お客様は42名、神戸からもう一台出ているとの事だった。草津SAで休憩、お弁当を積み込む。竹生島への船が長浜港発11時30分、それまでに昼食をお摂り頂くことに。乗船後、出港直前に神戸組が乗り込んできた。先達は田川先達、修験系の女性でホラ貝を良くする方だ。宝巌寺は、本尊は大弁天様で165段の石段を登り切ったところに本堂はある。西国の観音堂は、そこから中腹まで下ったところにある。前回、迷子が出かかったので、一計を案じ、本堂と観音堂の分岐点に立ち、体力に自信のない方は観音堂で待機するように声をかけ、皆の最後尾から登った。弁天様の仏前で、神戸組と合同で勤行、経頭は田川先達にお願いした。観音堂では、和尚が経頭を勤め、大合唱。長命寺まで、行動を共にすることに。長命寺は、本来、タクシーのオプションがあるのだが、今月は車道が補修中で通行止め、全員が808段の石段を登る必要がある。体力に合わせ、決して無理をせぬよう念を押して登り始める。本堂で待つほどに、順じ到着する。最後尾付近を登ってきた田川先達の「お客様はここまで」の声で息を整え、勤行開始、紅葉の本堂に大合唱が響き渡った。「200段で戻りましたが、下りが大変でした」との御婦人の声も。無事にお参り終了。風もほとんどなく、琵琶湖は鏡のよう、上天気に恵まれたよいお参りができた。合掌
(写真は長命寺本堂と石段の参道)

   秋風に 舞うかわらけや 竹生島

2010年11月27日土曜日

湯う湯うお四国


平成22年11月21~23日

さぬき市の真言宗善通寺派の古刹に「願興寺」という寺がある。素晴らしい重文の聖観音像が残されている。和尚はご縁をいただいて何度か訪問しているのだが、この度本堂の新築がなり落慶法要を終えたところだ。21日にNHK文化センターで仏像彫刻を指導される凡海仏師が、生徒さん達をお連れして見学にこられるというところから、地元の櫻谷先達からお誘いがあった。家内が、常日頃「温泉」「美味しい魚」と口にするので、「願興寺」から土佐の「三陽荘」というルートを思いついた。トイプードルの愛犬「てつこ」をペットホテルに預けようかとも思ったが、気候もよいので車中で寝かせることにし同道した。願興寺の本堂は、木の香りに満ち満ちて、その本堂を荘厳する「両界曼荼羅」と「真言八祖像」は、日本画家の奥様の手になるもの。住職ご夫妻のご苦労が偲ばれる。家内も本堂や聖観音像を拝観し、感動しきり。住職、凡海仏師と挨拶を交わし、土佐へ向かう。「三陽荘」は、バス遍路で良く利用させていただいている最高のへんろ宿だが、夫婦で泊まるのは初めてだ。海に面した2階の部屋に寛ぎ、早速温泉だ。今年の2月に湧出したもので、家内に言わせると肌がすべすべになるとか。夕食で「鰹のタタキ」を追加注文、超満足だ。「てつこ」も車の中でおとなしく寝ているのでホッとする。22日、朝風呂の後、朝食、雨の中37番岩本寺に向かう。境内の紅葉が目に飛び込んでくる。山門前の「松鶴堂」で「栗きんとん」と「栗まんじゅう」を購入、向かいの青物屋では「自然薯」を。添乗で来ると、あわただしくて、こんな余裕はないが、家族ツアーならではのこと。「此処や」にて、アイスクリームをいただく。和尚は「いちごと生姜」、家内は「抹茶と生姜」の組み合わせを選ぶ。店の御夫妻とよもやま話に花が咲く。自販機のコーヒーをご接待されて出発。有難し。須崎東ICの近くに「魚菜市場」がある。野菜を買い込み、食堂で須崎名物「鍋ラーメン」を注文。鶏ガラスープの醤油味といったところだが、地鶏が歯ごたえあって美味しい。34番種間寺に走り、工事中の本堂でお参り。耐震工事のようだ。「三陽荘」に戻り、温泉。夕食は、「鰹のタタキ」だ。朝の出発時にタタキを追加注文したところ、「今夜は、タタキですから」と止められていたのだ。美味しい食事と温泉で日頃の疲れが吹き飛んだ。23日、朝食を済ませて、36番青龍寺へ。正面の階段ルートは、ペット不可なので、「てつこ」と山道を登る。境内の入り口に「てつこ」を待たせお参り。昨夜の雨も上がり、さわやかな空気を満喫する。高速をひた走り、吉野川、淡路の両ハイウエイオアシスで、たっぷりと休憩を取りながら帰宅。「もっと、三陽荘が近ければいいのに」とは家内の弁。本当にリフレッシュできた旅だった。合掌
(写真は、紅葉の岩本寺境内)

2010年11月18日木曜日

紅葉の讃岐一国巡り 60番~88番



平成22年11月14~17日

和尚のオリジナル遍路の4回目、伊予路の残りと讃岐一国巡り。今回もお客様は15名、5名が都合で入れ替わった。前回同様22時30分発のオレンジフェリーで、大阪南港から東予港を目指す。まずは一室に集合して顔合わせ宴会、早朝に船内で朝食をとり6時10分着岸。60番横峰寺からスタート、午前中に64番前神寺まで。折りしも本堂前に回廊を新設する工事中、雨中のお参り対策とか。車中でお弁当をいただきながら65番三角寺に向かう。タクシーに乗り換えて、境内に入ると素晴らしい紅葉が迎えてくれた。阪急トラピックスの遍路バスも来ていて、なじみの先達さん達と挨拶を交わす。初日は、69番観音寺まで。お宿は善通寺いろは会館、さぬき市の櫻谷先達が飲み物やお菓子を抱えて激励にやってきてくれた。また、京都出張からお帰りになったばかりの樫原禅澄法主も親しくお声をかけてくださり、皆で記念撮影。また一室に集まり懇談。
16日の朝は6時から御影堂で朝勤行、樫原法主の法話は、昨日大相撲の横綱白鵬の連勝が途絶えたことから、双葉山の「いまだ木鶏ならず」の電文から始まった。讃岐弁のやさしい語り口だ。戒壇巡り、宝物館見学の後朝食、法主と共に御影堂前で改めて記念撮影。高野山の道場仲間・栗峯澄明師が、散華を皆にくださった。金堂をおまいりして70番本山寺に向かう。順打ちで廻り、圧巻は71番弥谷寺、タクシーを使うもさらに280段を登って本堂だ。無理をしないように伝えていたが、全員見事に完走。お宿は76番金倉寺近くの「香の香」で讃岐うどんを「釜あげ」でいただく。77番道隆寺前の「サンエイ」でお茶のご接待をうけながら、買い物。和尚は白の作務衣を購入、本日の打ち止めは、80番国分寺。第一交通山下ドライバーの裏技もあって、予定より2ヶ寺多く廻れた。お宿は、オークラホテル丸亀、夕食後は又集まって懇談、連日焼酎を3本だ。
最終日は、五色台の81番白峰寺から、本堂まで石段を登り、下りは、各自の干支のご本尊のお堂を拝みながらだ。82番根香寺は和尚の大好きな寺の一つだが、最高の紅葉で迎えてくれた。紅葉の名所とあって、カメラ持参のかたも多く、「お遍路さんの妨げにならないように」との注意書きがあるほどだ。84番屋島寺に櫻谷先達が「、冷凍うどん」を皆にと届けてくださった。和尚も自宅に常備している優れものだ。86番志度寺の門前に樫原法主の自坊がある。かの平賀源内の墓所だ。志度寺は「平成の大修理」の真っ只中、本堂前に接待講がいて、飴やお茶のご接待だ。「海女の墓」を守るおばあさんに挨拶しながら皆を案内すると、「最近は、案内してくれる先達が少なくなった」と嘆きながら大粒の涙。少し余裕ができたので、「おヘンロ交流サロン」に立ち寄った。以前寄付させていただいた東寺砂原秀遍長者の「雨にも負けず」の書が、表装されて展示されていた。同行の写真家溝縁ひろし氏の霊場風景も沢山展示され、皆んな感動だ。結願の寺・88番大窪寺、和尚の推薦寺でもあるので、まずはご住職にご挨拶、初回からの参加者は、無事結願とあって感慨もひとしお、門前の飛猿閣でお茶をいただいて帰路についた。神戸線の工事も終わり、スムースに帰阪。車中で、日程調整の結果、高野山お礼参りを3月28~29日、また第5回阿波一国巡りは4月18~20日となった。合掌

   根香寺にて  紅葉に モデルとなるや 遍路笠  

   弥谷寺にて  岩肌に 刻める弥陀や  秋遍路

   善通寺にて  秋の風 ふるさと香る  大銀杏

   大窪寺にて  結願の 薬師に祈る   秋遍路
(写真は、根香寺の紅葉と雲辺寺の五百羅漢)

四国第2回 7番~11番 堺発

平成22年11月12日

久しぶりに南海堺駅前より添乗となった。お客様22名の内、堺からは5名乗車。8時前に出発して、淡路ハイウエイオアシスに9時50分到着。遅くなったのは阪神高速神戸線が工事中で不通の影響、小雨がぱらつくが天気予報では、午後から晴れるとのこと。1番霊山寺にトイレ休憩や納経用品の買い物をかねて立ち寄り、他のバスとの調整でおまいりの順番を決める。和尚のバスは、10番切幡寺~11番藤井寺、以降は逆打ちをすることになった。切幡寺のタクシー希望者9名に対し歩き希望者は13名、健脚の女性が多く圧倒される。大塔に登るも、季節外れの黄砂で霞み、絶景が台無しだ。9番法輪寺門前の「あわじ庵」の草餅をおすすめしていたが、後続のバスが見えたので売り切れを恐れ、お参りの前に買っておいてもらった。それが、大正解で立て続けにバスが到着した。8番熊谷寺、7番十楽寺と打ち終えて16時。帰路のルートもドライバーの機転で、上手く迂回し速やかに帰着できた。合掌

      晩秋の 黄砂にかすむ 吉野川

      秋遍路 草餅うまし  法輪寺

      秋風に 乗るご詠歌や 熊谷寺  

2010年11月11日木曜日

四国5回 24番~31番


平成22年11月8~9日

西大寺から42名のお客様と共に、出発した。「前に、ご一緒だった方は?」と聞くとなんと35名以上が手を上げた。こうなると同じ話をする訳にもいかないと、思案させられた。予定では、初日は3ヶ寺なのだが、昼食を吉野川ハイウエイオアシスで摂るというので時間がいつもより短縮されそう、がんばって4ヶ寺廻る計画で30番善楽寺より打ち始める。31番竹林寺、29番国分寺、28番大日寺と廻って打ち止めが丁度17時。大日寺は、こだわりがあって、ご本尊大日如来のご真言は、「オン・バザラダトバン」と金剛界真言を唱える。(通常は、「オン・アビラウンケン・バザラダトバン」と両部のご真言を唱える)近くに「龍馬歴史館」がある。言うなれば、龍馬の生涯を蝋人形で表現しているものだ。結構評判が良く、見学の希望者も多い。お宿は、ホテル南水に30名ほど、残りは添乗チームと共にホテル高砂に分宿となった。美味しい鰹のタタキをいただいて和尚は大満足。2日目は、ホテル高砂からホテル南水と廻って27番高峯寺から。土佐の名水で名高く、昨日からお持ち帰りのペットボトルを持参するように話をしていたので、殆んどのお客様が、準備されていた。昨日は、ポカポカ陽気で、お参りに日陰を求めたが、今日は、強風波浪注意報発令で、前日比ー7度の寒い日となった。バスからタクシーに乗り換える駐車場に、いつもの海産物を売る車が店を出し、お客様の人気を呼んでいた。和尚も「めざしとチリメンジャコ」のご接待にあずかった。26番金剛頂寺の本堂は、本尊薬師如来、脇侍の日光・月光菩薩、十二神将と眷属が揃い、右に護摩壇・不動明王、左に愛染明王の壇に正面の壇と、見事な荘厳だ。正面左右の両曼荼羅や5色の幕など、しっかりと説明させていただいた。駐車場の一角には、列車の貨車を活用した「はらみたや」が店を出している。我々がバスで登る時に必ず電話して、下りてくるバスがいないかいつも確認させてもらっている。この店の名物は田舎風味のアイスクリーム、ほぼ全員が列をなして買い求めた。和尚の遍路本「よう、おまいり」も6冊お買い上げ。25番津照寺までの間に、お弁当を頂く。本堂までまっすぐ登る急な石段に息を弾ませながら、おまいりを済ませると、打ち止めの24番最御崎寺へ。大師堂左手の「一畑薬師」が眼病平癒の仏様だと説明すると、とたんに長い列ができた。歳を経ると和尚もそうだが、どうしても目が不具合になる。「一畑薬師」は出雲から請来されたもので、お四国では52番太山寺にもお堂がある。大師ご宝号を七遍唱えて打ち止めた。御厨人窟(御蔵洞)に入り、大師のご修行を偲ぶ。日和佐道の駅、淡路南PA,淡路HOで休憩し、西大寺へ向かうのだが、阪神高速神戸線が工事で通行止め、北神戸線~中国道~近畿道のルートを取るが、いつも渋滞する宝塚トンネル付近の渋滞もなく、快調に走り20時半には西大寺に到着した。合掌

   御蔵洞にて  空と海   偲ぶ空海    秋遍路
   竹林寺にて  秋の陽に  映える朱色や  五重塔
   高峯寺にて  名水や   枯れ葉ひとひら こうのみね
   金剛頂寺にて ひっそりと 新芽顔だす   奴草

(写真は神峯寺の報恩の碑)