2013年2月21日木曜日

西国5回 12~15番 堺発

平成25年2月20日
三井寺仁王門

西国の5回、12~15番のお参りというのは久しぶりだ。堺から43名のお客様と瀬田川に向かう。
関西特有の五十日(ごとび)とあって渋滞が予想されたが、意外とスムースに走れ、10時前に12番岩間山正法寺に到着。
昨夜からの残雪が樹々を白く染め、風に舞って一段と寒く感じる。雷除けのお寺、芭蕉の「古池や・・・」の寺と紹介する。13番石山寺は、和尚の所属する東寺真言宗の大本山、寺領も広く見所一杯の寺だ。昼食まで1時間程の余裕があるので、個々人で思い思いに散策していただく。
和尚は、いつものように多宝塔から月見亭、大黒堂のルートを数人のお客様と歩む。
「洗心寮」の昼餉は、「志じみつくし」。琵琶湖畔ならではのもの。
ついで14番三井寺(園城寺)へ。先ずは一気に観音堂を目指した。堂内での読経を勧められ、中に入ると、椅子が並べられストーブもあって、皆さん足を伸ばしてリラックス。300年~400年前の絵がいくつも掛けられている。和尚も、堂内でお参りさせていただいたのは、初めてではなかろうか。微妙寺~金堂~三井の梵鐘など案内し、釈迦堂から仁王門を通りバスへ。さすが天台寺門宗の総本山だ。
湖西道路で京都市内に入り、井筒屋八つ橋で休憩。生八つ橋の試食がズラリと並び、ご婦人方はニコニコだ。15時に今熊野観音寺到着。後白河法皇の頭痛の持病を平癒させたとかで、頭に関することにご利益があるという枕カバーがよく売れた。若いお坊さんの法話がよかったのかも。和尚は弘法大師の霊水を汲ませていただいた。帰路も第二京阪~阪神高速と混雑はなく、16時半堺着。天候に恵まれ、ゆったりとした良いお参りになりました。合掌

 車窓より   春の雪 綿の帽子や 葛城山

 正法寺にて 春雷も 恐れ慄く 岩間寺

  同    古池や 芭蕉の句碑に 残り雪

  同    風に舞ひ 樹々より落つる 残雪や

 石山寺にて 石山寺 志じみつくしの 昼餉かな

 三井寺にて 梅の香や 撞きて祈らむ 三井の鐘

    観音寺にて 春時雨 弘法の水 今熊野

四国2回 7~12番 生駒発

平成25年2月18日

切幡寺の紅梅
雨の中、生駒から43名のお客様と阿波の国に向かった。先ずは1番霊山寺に立ち寄り、納経用品などの追加の買い物。丁度お昼時となり、お弁当をいただきながら11番藤井寺へ。本堂天井の30畳敷の大龍の図は見るものを感動させる。2回目とあって、皆さんまだぎこちないので、作法など初回同様の案内をさせてもらう。10番切幡寺の333段の階段が雨に濡れて危ないと思い、極力タクシーに乗ることを勧めた結果か、歩き組は8名ほど。さすがに健脚ぞろいだ。大塔まで案内したが、なんとか吉野川も眺めることが出来てホッとする。本堂前の紅梅がほころんで美しい。9番法輪寺前のあわじ庵に電話をいれて、草餅の予約をしておいたのが大正解、2台分のお客さんを売り切れで断ったという。今回は、5個入り、3個入り、2個入りと細かく挙手を求めて予約しておいた。8番熊谷寺の本堂に入ると、何と今日は観音様の縁日で、月に一度の御開帳だ。金色に輝く千手観音様のお出迎え、皆大感激。和尚も、久しぶりのことであった。7番十楽寺にたどり着いた時には、16時半を回っていた。運心ということで、火の気はご遠慮願った。その分、本堂、治眼疾目救歳地蔵、大師堂、愛染堂とゆっくりお参りさせていただいた。生駒帰着20時25分。終日春時雨といった空模様だったが、和気藹々と楽しいお参りだった。合掌

 駅に向かって  吐く息の 白く溶けゆく 氷雨かな

 藤井寺にて   春雨や 同行二人の 遍路道

  同      大龍の 護る本堂 遍路笠

 切幡寺にて   紅梅の 小雨に煙る 切幡寺

 法輪寺にて   よもぎ餅 念珠と共に 寺まいり

 熊谷寺にて   ご詠歌の 流れる寺や 春の雨

2013年2月14日木曜日

お遍路PR番組制作立会い

平成25年2月12~13日

雲辺寺の「おたのみなす」
阪急交通社松江が鳥取に本社を置く日本海テレビで放映する、お遍路のPR番組を制作するという。その制作現場に立ち会ってアドバイスするように依頼され、12日1番霊仙寺に向う。11時集合ということなので、交通手段を色々と検討したところ高速バスが便利だとわかった。南海なんばバスターミナル6時半出発、JR徳島駅に15分遅れの9時45分到着。徳島駅から高徳線で坂東駅に。「ばんどう門前通り」と名付けられた通りには、緑のラインが引いてあり、それが霊仙寺の山門前まで続いている。10分程のお遍路さんラインなのだ。ロケバスも遅れて11時半到着、早速撮影開始。シチュエーションは、阪急交通社の係長が、女性タレントの初遍路を案内するというもの。なんとこの作業は、岡山電通の扱いで、担当者が同行してきている。和尚も電通時代を思い出し、顔がほころぶというもの。作法などをレクチャーしいよいよ本番、霊仙寺も副住職がインタビューや法話に対応。午後から天気が崩れる予報もあり、すぐ2番極楽寺へ。「抱き地蔵」や「長命杉」などポイントを押さえる。ここで和尚はようやくお弁当にありついた。バスは、雨の中土佐に走り、「かつお船」へ。
昼食会場とかで、藁焼きで鰹のタタキを料理する姿を撮影。お宿は「三陽荘」、フロント周りや露天風呂などを撮影、翌朝は天気が回復し、外観や浜辺の散策など収録。和尚も久しぶりの三陽荘を堪能した。
13日は、66番雲辺寺、88番大窪寺の予定というので、四国の総本山である75番善通寺は入れるべきとお話し、高野山仲間の栗峯師に手配を依頼、広報の安藤師が快く引き受けてくれて、追加の撮影となった。雲辺寺のロープウエイを降りると、気温はマイナス5度。参道も凍てついて、和尚が経験する最低気温だ。この時期、お遍路とスキー客はロープウエイでは相乗りとなる。
善通寺の駐車場にお昼前に到着、近くの手打ちうどん店「オハラうどん」に案内する。セルフの店だが、地元で人気の店だ。量も多く、「大」を注文すると3人前位ある。善通寺は栗峯師の案内、有難いことに特別許可で、金堂の内部を撮影させていただいた。スタッフは、大喜びだ。15時半頃に、大窪寺到着、本堂から大師堂へ、結願の金剛杖を奉納する「寳杖堂」にカメラマンは惹かれたようだった。門前の「野田屋」にて昼食のカット、我々スタッフも「打ち込みうどん」(白味噌仕立ての煮込みうどん)のお相伴に預かる。2日間の撮影を無事終了して帰路に。和尚と岡山電通の担当は、高速児島のバス停でお別れし、JR児島から岡山に向う。和尚が新幹線を乗り継いで自宅に戻ったのは23時を回っていた。電通時代を思い出す楽しい二日間、放映された録画を送ってくれるというので、期待しています。合掌

 かつお船にて  春を待つ 藁焼き鰹 香り立つ

 雲辺寺にて   氷点下 五度の風吹く 山の寺

 善通寺にて   お薬師を 仰ぎ合掌 冬遍路

 大窪寺にて   南無薬師 結願のてら 風凍る

2013年2月11日月曜日

読売奈良 西国2回 橿原神宮発

平成25年2月11日

施福寺の弘法大師御髪堂
伊賀上野から名張方面を経て、橿原神宮8時50分集合という和尚にとっては楽なコースののだが、時間を1時間勘違いしてしまい早く駅に着いてしまった。駅構内の喫茶店に飛び込み時間を潰す。今日は建国記念日とあって大祭に参列する人で橿原神宮前駅は賑わっている。警備の警官の姿も多い。
9時過ぎ、39名のお客様と4番施福寺に向かう。今日は、2番紀三井寺、3番粉河寺と廻るコース。何しろ施福寺は、タクシーのオプションで逃げる方法もなく、ひたすら山登りを30~40分強いられる。お客様には、無理をせず途中で引き返すことも大事と伝えておいた。何人かは、そのようにされたようだ。登りきったお客様と本堂に上がり込み、勤行。その後、裏に周り馬頭観音に案内する。花山法皇が道に迷い、馬のいななきに導かれて施福寺にたどり着いたという故事から本堂前に馬の銅像もあり、馬頭観音も祀られているという訳だ。下山して、添乗員の納経待ちの時間を利用して、お念珠の使いなどを話す。
添乗員が帰ってきたが、お客様が一人足りない。調べてみると、お客様から営業所に電話が入り、「道を間違え下山してしまったので、迷惑がかかるのでこのまま帰る」との連絡があったという。なんのことはない、通り道だ。4km下の登山口のバス停でPICK UPして事なきを得た。そのお客さまは、山には登らず、トイレに行ってバスに戻るのに、バスを通り過ぎて歩き続けてしまったということのようだ。いずれにしてもよかったよかった。
紀三井寺の麓の「はやし」での昼食は、遅れ目となったが、2時10分にお店の前に集合してお参りに出発する。230段を超える石段をまっすぐに登ると、境内にたどり着く。本堂でのお参り後、観音堂の千手観音の大仏を拝観する。階段を登り、外の回廊に出て、お顔のあたりをじっくりと拝ませてもらえるのが圧巻だ。打ち止めの粉河寺をゆっくりと拝ませていただいて、打ち止めは17時過ぎ、思ったより順調に行った。天候にも恵まれ、怪我もなくてよかったが、槙尾山観光センター名物の「柿の葉寿司」と「草餅」が先行の2号車のお客様によく売れたそうで、当方には余り回ってこなくて、残念でした。合掌

 橿原神宮にて  建国を 集いて祝う 日の丸や

 施福寺にて   春寒の 山寺参り コート脱ぐ

2013年2月10日日曜日

バンコク寺院順拝

平成25年2月5日

涅槃釈迦像を足元から撮影
和尚が顧問として広報会議に毎週出席している会社の社員研修旅行で、バンコクを訪れた。電通に勤務している時、アジア大会に出張で訪れて以来だ。都合4回目の訪問となる。先ず驚いたのは、車が増えて交通渋滞が当たり前になっていることだ。例えば郊外に1時間かけて朝出発すると、夕刻の帰路は、2時間以上かかる。原因は、郊外からバンコックに通う人々にとって、公共交通機関がないことだ。地下鉄はバンコク市内のみなので、マイカーかバイクでの通勤とならざるを得ない。しかも、旧正月着前とあって、中国系市民の動きが激しいということもあったようだ。
沈む太陽と暁の寺院
4日の夜にバンコク入り、5日は朝から市内観光、午後は待望の寺院巡りだ。ガイドさんの話では、タイのお寺は王室寺院と一般寺院に大別されるという。和尚たちが巡るエメラルド寺院、涅槃仏寺院、暁の寺院も王室寺院とのこと。かっての王宮の中にエメラルド寺院はある。まさに大法要中で、本堂に入ることは叶わなかったが、その雰囲気は味あわせてもらった。また、海外の賓客が訪問ということで、足止めをくったがこれもまた、良い経験だった。
涅槃仏寺院の涅槃像は何回拝観してもド迫力だ。全長40mを超え、高さも14~15mある。写真を撮ることが許されていたが、中々良いアングルでは撮れなかった。涅槃仏の周りを1周させてもらった。暁の寺院は、本当は朝が良いのだろうが、夕日に輝く黄金の堂舎は素晴らしく、沈む太陽に重なる寺院のシルエットも絵になる。
タイのお坊さんたちは、皆さんやや太めだ。朝の托鉢でいただいた物を無駄にしてはならないと、食事の量の多いのがその理由と聞いたことを思い出した。
ヒンズー教の4面8臂の仏様が気に入って、衝動買い。大阪分院の事務室に飾らせていただいた。合掌

2013年2月3日日曜日

読売奈良 四国2回 五位堂発 7~11番

平成25年2月2日

熊谷寺中門
榛原から橿原神宮、大和八木などを回って五位堂から四国に向かうコース。五位堂は和尚の最寄駅なので歩いて行ける。39名のお客様と8時20分に五位堂を出発。淡路島まで一気に走ろうと話していたが、お客様の緊急要請で京橋PAでトイレ休憩。更に鳴門西PAで休憩し、お弁当をいただきながら11番藤井寺に向かう。奈良から2台、阪急からも2台との情報をえていたので、あわじ庵に電話し、草餅の予約を入れておく。希望を聞くと15名ほど。予想どおり、藤井寺でも3台が入れ替わりながらのお参りだ。10番切幡寺は、山門まで800mほど緩やかに登り、石段が333段ある。タクシーのオプションに24名、歩き組が15名。大変暖かい日和で、汗を拭き拭きの登りだ。この寺では、お参りの後に重要文化財の「大塔」まで案内することにしている。眼下に見下ろす吉野川の景色が素晴らしいのだ。9番法輪寺門前のあわじ庵に行くと、予約しておいて大正解。予約分しか残っていない。20人分ほど残しておいてくれたようだが、一人で複数買われる人もいて、見事に完売。和尚は買いそびれてしまった。8番熊谷寺は、雰囲気の良いお寺。気がつくと石段を両手をついて這いつくばって登るご婦人がいる。下りは、後ろ向きに両手をついて降りてゆく。平地は、杖を付かれて普通に歩いているので気がつかなかったが、膝が良くないようだ。五位堂の駅前のマクドナルドで、並んでコーヒーを飲みながら、会話を交わした方で、今回で6周目とか。頭が下がる。7番十楽寺では、治眼疾目救歳地蔵や愛染明王をお参りして打ち止めは16時半過ぎ。救済の「済」が「歳」となっているのは、歳に関係なく救うという意味だと説明する。帰路は淡路HWOに立ち寄って、五位堂到着は20時頃。お天気に恵まれ、良いお参りだった。合掌

 吉野川の橋にて  早寒や 白鳥群れる 吉野川

 切幡の大塔を望む 早春の 霞に浮かぶ 山の塔

 熊谷寺にて    石段を 這い登るや 冬遍路