2010年12月30日木曜日

後七日御修法(ごひちにちみしほ)東寺


平成22年12月30日

いよいよ、今年も押し迫ってきました。今年は、皆様にとってどんな年だったでしょうか。振り返るのも良いですが、明日に向かって、来る年が良い年になるよう頑張りましょう。お正月の初もうでもいろいろなパターンがありますが、よろしければ1月14日の東寺にいらしてください。時間は11時ごろ。東寺では、8日から14日までの七日間、真言宗挙げての最大のご修法が灌頂院で行われています。真言宗18総本山から選ばれた15名の高僧が、1日3座合計21座のご修法を行うのです。平安時代から始まり、宮中真言院でずっと行われていました。明治政府の神仏分離令により、中止となりましたが、東寺灌頂院で再開することが許され、初日、中日、最終日の3回、京都御所より勅使がまいります。なぜなら、国の安泰を祈るのですが、国の代表として天皇陛下の御衣を奉じてお祈りを捧げているのです。来年は、仁和寺の南場門跡が大阿闍梨を務め、高野山の松長座主、朝護孫子寺の田中管長、醍醐寺の仲田座主、根香寺の関根座主、泉湧寺の上村長老など6人の山主が出仕されます。14日の11時半ごろ、最後のご修法を終えた長老方が、灌頂院を出て、御影堂まで行列します。これをご宝号で見送り、「後拝み」を待ちます。この七日間の御修法の座を1時間ほど一般にも公開してもらえるのです。これを「東寺の後拝み」といいます。毎年交替で、両部曼荼羅のどちらかが主尊となりますが、来年は胎蔵界曼荼羅です。その両界曼荼羅をはじめ、十二天、五大尊など国宝級のものに、身近に接することができます。志納料千円お持ちください。代わりに、その時にしかいただけない「御修法お守り」を授かります。11時お越しになれば、御影堂や金堂、講堂などを拝観し、食堂にある納経所でご朱印をいただいて、丁度よいタイミングで行列も拝めるはずです。和尚も、参拝していますので、お声掛けください。尚、京都のお正月は、底冷えします。せいぜい暖かくしてお越しください。合掌
(写真は、御修法の行列)

2010年12月22日水曜日

四国6回 32~37番 堺発


平成22年12月20~21日

堺方面から2台のバスが出発した。和尚の1号車は39名、2号車は23名。三木SA~鴻池SA~かわうその里すさきの3カ所で休憩をとり、37番岩本寺に14時到着。高知西部の天候は、曇り時々晴れ、最高気温19度、降水確率20%という冬には信じられないほどのお参り日和だ。大師堂では、2号車と合同でお参り。「此処や」のアイスクリームが、飛ぶように売れる。35番清滝寺へは、スーパー「マルナカ」の駐車場からマイクロに乗り換えて参道を登る。本堂・大師堂をお参りして、薬師如来立像の台座に設けられた戒壇巡りにいざなう。漆黒の闇に泣き出す女性もいたが、これも厄除け。75歳になるというマイクロのドライバーさんが、体験談を語ってくれた。「十二指腸に黒いかたまりがあります。癌です。」と精密検査もするまでもなく宣言されたという。親兄弟も癌のためいよいよ自分の番かと覚悟し、戒壇巡りをしてから八日間で八十八カ所を巡った。帰って住職に癌のことを話すと、戒壇巡りをしたかと問われ、行く前にしたと答えると、今から巡っておいでといわれたという。いよいよ手術前の検査となったが、癌がすっかり消えていた。医者から、こんなのは二人目の経験だと告げられ、何か信仰しているかと問われた。お大師様は信じてますと答えたが、1年後の検査も異常なし。本当にお大師様のお陰と、お客様達にも真剣に拝みなさいとアドバイス。実体験だけに、すごい話だ。お宿は、三陽荘。温泉と美味しい食事で、大満足。2日目の朝は、6時半食事、7時半出発と決めていたが、6時頃に本舘が突如停電。蝋燭の灯りで朝食、まるでクリスマスのようだ。雨の中、三陽荘のマイクロで36番青龍寺門前まで送り迎えしてもらい、お詫びにお土産をいただいて、34番種間寺へ。本堂外陣の耐震工事は、まだ続いていた。33番雪蹊寺から桂浜の見学をして32番禅師峰寺で打ち止め。日本サンゴセンターで昼食。13時頃、帰路についた。淡路ハイウエイオアシスまでは、順調だったが、これからが、渋滞の連続。ドライバーさんの懸命の迂回作も、雨のせいか事故が多く、堺まで2時間半近くかかってしまった。バスに乗っている時間の長いコースでもあるので、和尚もいろいろとお話をさせていただいた。和尚の遍路も今年は打ち止め、来年もがんばりますので、ご愛読ください。合掌
(写真は禅師峰寺参道入り口の十一面観音像)

2010年12月16日木曜日

四国9回 52~59番 西大寺発



平成22年12月14~15日

8時10分集合で西大寺から乗車。総勢35名の内、西大寺組は19名。早朝降っていた雨も止んだが、三木SAを越えて赤穂近くで事故渋滞、高山トンネル内で側壁に激突の乗用車1台が追い越し車線を塞いでいた。予定が大幅に遅れ、石鎚SAのレストランでの昼食が14時前、59番国分寺より打ち始める。お参りの後は、一願握手大師像に並んでご祈願。57番栄福寺で仙遊寺から廻ってきた2号車と遭遇、本堂と大師堂に分かれてお勤め。和尚の1号車は、58番仙遊寺で打ち止めに。4ヶ寺廻るつもりだったが、事故渋滞のお陰で、打ち止めが17時だった。お宿は、道後温泉・ホテルルナパーク。1時間程で到着し、夕食までゆっくりとした時間がとれた。夕食は、自慢の「鯛釜飯御膳」、温泉街を散策して早めの就寝。2日目は5ヶ寺廻るので、7時45分の出発。昨日と比べると、風も強く気温も相当低い。52番太山寺は、大師堂が改修中で、お大師様は、ご本尊の左に仮安置。昨日、納経所前の「一畑薬師」の説明をし、納め札に歳の数だけ「め」を書くように伝えてあったせいか、ここでも行列。合格祈願のお札を求めて納経所に行かれたお客様の話だと、お札は無く、ご祈願を依頼する方法のみだとのことだった。2~3kmのところに53番圓明寺はある。本堂の鴨居に左甚五郎作の5mの大龍が寝そべる。またキリシタン石塔でも名高いが、和尚が感心するのは大師堂の屋根瓦だ。まるで彫刻の芸術品を見る思いだ。松山市内の札所はこの2ヶ寺で、あとは今治市となる。「お菓子舘」でひとしきり買い物三昧のあと今治小松自動車道を使って56番泰山寺に向かう。門前のお店で、甘酒の御接待、冷え切った身体に暖かさが沁み渡った。修理中だった55番南光坊の大師堂は、工事完了。2号車と合同で大合唱することにした。田川先達のホラ貝の音が響き渡り、大好評。お参りの後は、山門の四天王像を拝観しながら解説。54番延命寺も2台一緒に、本堂、大師堂とお参り。本堂では、皆で不動明王の御真言のお稽古だ。なにしろ長いので、リズムが狂うとバラバラになる。開基の行基菩薩の供養塔が大師堂の右手の高台にある。行基菩薩の開基した札所は30ヶ寺もあるが、供養塔があるのは珍しい。(ちなみに弘法大師開基は39ヶ寺)14時前に打ち上げて、ようやくお弁当タイム。しまなみ海道を通って帰路についた。大三島の「宝船」、吉備SA、淡河SAで休憩しながら西大寺到着は19時30分、予定通りだった。合掌
   師走風 負けぬ遍路の 読経かな
(写真は行基菩薩の供養塔と一畑薬師)

2010年12月13日月曜日

西国 7回 30番~32番 難波発



平成22年12月12日

梅田~なんばルートでは2台のバスが西国7回に向かうということだが、和尚は2号車に添乗となる。1号車は梅田のみのお客様で編成、2号車は、梅田、なんばでお客様を乗せていくことになる。総勢38名、見たところ比較的若いメンバーという感じだ。しかも、全員が和尚と一緒になったことないという。これは有難い、何を語っても重複しない。6日と同じようなペースで進むが、21番穴太寺と23番勝尾寺で大停帯、お参りを終えてバスに全員が揃っても出発できない。なにしろ納経所に向かっている添乗員チームが、戻ってこないのだ。聞くと、日曜日とあって個人のお参りが多く、納経所も個人の朱印を、団体の合間に受け付けるため、必然的に団体の朱印が、遅れることになった模様。総持寺では、お寺の要望に従って門前まで、遠廻りして配車してもらった。門前の進入路は、本来大型バスは入れないのだが、お寺が許可を取っているとのこと。ドライバーは大変だが、御近所のクレームが多いということでやむを得ない。お客様にとっては楽だし、我々も迷子や事故の心配がないので、気が楽だ。(1号車は、従来通りのパターンで歩いてきたとのこと)御堂筋や大阪市役所がイルミネーションで飾られているため、それを見て通る車のせいか、御堂筋も渋滞。それでも、乗り降りがスムースだったせいか、17時半過ぎには、なんばへ到着した。和尚の今日の買い物、自然薯と白菜の漬物。お天気に恵まれ、良いお参りでした。合掌
 初霜や 車窓ぬぐいて 西国へ
 秋深し 腕組みまいる 老夫婦
(写真は、穴太寺本堂と善峰寺の紅葉の参道)

2010年12月6日月曜日

西国 7回 30番~32番



 平成22年12月6日

難波発で、西国7回に添乗した。お客様は、44名の満席だ。集合より1時間ほど前に着いたので、モーニングコーヒーに行こうとしたら、かって四国でご一緒したという女性から声をかけられた。今日は、別格の4回に乗るというのだが、お四国結願後の話をしてくれた。息子さんが自転車で事故に遇い、2mほど宙を飛び、頭を打って生死の間をさまよう事態になったという。医者は、意識が回復しても、障害が発生するかもしれないと言う、ところが骨折はしたものの、脳に何の障害も生じなかった。気がつくと、背負ったリュックの中のお弁当の箸が真っ二つに折れていたという。自分は、入れたつもりはないのだが、88番大窪寺のお箸であった。ご本尊薬師如来のお救いと感じたという。この事だけでなく、お客様のこと、御主人のことなど目に見えて、有難いことが続いているという。このようなお四国結願の御利益のことについて、こもごも話をいただいた。話を聞いた和尚は、朝からさわやかな気分に満ち満ちての西国となった。20番善峰寺は駐車場から急な登りがこたえる。先頭集団から最後尾までは相当の距離が開いたが、皆揃って本堂に上がり込んでお参り。お念珠の使い方や、輪の打ち方など説明。せめて「遊龍の松」は見学することを勧めて、30分後にバス集合とする。21番穴太寺に向かう手前で「豆屋黒兵衛」に立ち寄る。漬物と黒まめ製品のお店だ。何といっても、ほとんどの商品の試食が出来るのが良い。結構堪能できた。穴太寺のお参りを終えたが、納経の時間がかかるようなので、ドライバーさんと二人で、お弁当を配る。食べ終える頃に、添乗員2人が帰ってきた。23番勝尾寺に向かうが、境内も広く、階段もしっかりある。一方通行の順路で拝観し、打ち止めの総持寺へ。三島中学の裏でバスを降り、寺へ向かうが迷子の心配があるので、先頭と最後尾に添乗員がつき、真中あたりに和尚が位置するという配置で進行。途中の信号で分断されたが、これは安心のシステムだった。帰路も同様の配置をとることとし、納経が終わるまでお客様には境内の散策などで、待っていただいた。納経所での話では、住民の苦情もあるので、できれば寺の前に駐車して欲しいと、地図もいただいた。大廻りになるので、ドライバーさんには不評のようだが、今後はそうせざるを得なかろうと思う。足に不安の方が多い割には、スムースに帰着、梅田17時過ぎ、難波17時30分過ぎだった。今日で結願という方が、数名いらっしゃって、御紹介すると大きな拍手、巡拝仲間は暖かい。天気にも恵まれて、良いお参りができた。合掌
(写真は、「勝尾寺の多宝塔と紅葉」と「善峰寺の遊龍の松」)

2010年12月2日木曜日

秀寛和尚と巡る高野山

和尚と巡るお四国の一国めぐりも春秋4回、2年で無事結願、お礼まいりを兼ねて高野山に参拝します。ご母堂ゆかりの「慈尊院」、弘法大師に高野山を献上したとされる「丹生都比売神社」をお参りし、高野山に登ります。お山では壇上伽藍、霊宝館、金剛峰寺、奥の院などを参拝します。お宿は「無量光院」。朝の勤行では、護摩がたかれ、荘厳な雰囲気にひたれることでしょう。2日目のお昼は、お土産なども豊富な「中本名玉堂」、奥の院参拝には、高野山の公認ガイドが付きます。往きは、貸し切りバス。復りは、南海特急の予定。
尚、第5回一国巡り・発心の道場阿波路は、4月18~20日の予定です。

  日時 平成23年3月28~29日 
       集合 新大阪駅 10時
          近鉄難波 10時30分

  会費 29,000円

お問い合わせ、お申し込みは
  ハロートラベル大阪 ℡ 06-6306-6411(橋本)
  田尾秀寛      ℡ 090-2351-3927

2010年12月1日水曜日

四国11回 66番~78番 西宮北口発


平成22年11月29~30日

川西能勢口~宝塚~西宮北口ルートのバスに添乗、お客さまはなんと45名。和尚の経験では、初めての大人数。したがって、和尚は2日間補助席を余儀なくされた。11回目は、和尚の故郷コースで善通寺を中心に13ヶ寺を廻る。和尚は西宮北口から乗車、まずは75番善通寺へ向かう。駐車場で記念写真を撮り、「いろは会館」で昼食。そののち、御影堂~金堂へとお参りする。南門前の「ことぶき」に走り、旧友に挨拶、聞けば先日お邪魔した願興寺のご住職が2,3日前に訪れ、和尚が訪問したことなど話していったとか。金堂から駐車場にもどる時、「熊岡のかたパン」の話をしておいたので、行列ができた。勿論和尚も列に加わり1枚15円のかたパンを10枚購入。食べたことがないという添乗員やドライバーさんに食べてもらう。お客様へのご注意は、いきなり歯でかまずに、まずは手で細かく割ってから食べること。そうしないと歯が欠けるほど堅いのだ。しかし、本当に美味しい。66番雲辺寺に走り、2時のロープウエイに乗る。下界と温度差が7~8度あるので、対策を呼び掛ける。今日は、日差しが暖かく、頂上駅は6度だった。2時40分と3時の便に別れて下り、67番大興寺へ。天台と真言の両宗の道場であったところから、本堂を挟んで右に天台大師堂、左に弘法大師堂と配置されている。本堂前の三鈷の松を拾う人も多かった。同じ境内にある68番神恵院、69番観音寺をおまいりして、本日の打ち止め。琴平の「にしきや」に立ち寄り、「アパ高松空港ホテル」へ。ホテルではさぬき市の櫻谷先達が焼酎の差し入れを持って待っていてくれた。同宿の田中、倉持両先達と食事をしながら、飲みほした。2日目は、6時朝食、7時半出発。なにしろお寺が一杯残っているのだ。70番本山寺から打ち始め、71番弥谷寺はタクシー組と歩き組に別れる。歩き組は約20名、歩き組に「俳句茶屋」の草餅の話をする。まずは、茶屋を覗き草餅の確認、予約をする。本堂まで一気に登るつもりだったが、タクシー組が、大師堂に上がり込んでいるというので、そちらからのお参りとする。大師幼少の時の学問所である岩窟で7遍の御宝号を唱えた後、本堂に向かう。歩き組のお目当ては、草餅だ。アッと言う間に売り切れ状態に。御主人に「紅白の餅もあります」と「紅白+草餅」の御接待を受ける。これは、我が家の土産にさせていただいた。73番出釈迦寺から72番曼荼羅寺へは、全員で歩き遍路。参道の無人店のミカンが安いと人気の的だ。ここで弁当を配布するが、なにしろまともに食する時間もないほどに、寺と寺の間隔が短い。74番甲山寺、76番金倉寺、77番道隆寺と廻って、門前の「サンエイ」のお茶でホッと一息ついた。「ようおまいり」も3冊お買い上げで、無材の七施「和顔施」と書かせていただいた。78番郷照寺は、駐車場から離れているので、行きはともかく帰りは迷子予防で最後尾についた。3時に打ち止め、皆元気に帰着したが、問題も発生。夜、ベットからずっこけて頭を打ちつけ、救急車で病院に走ったお客様がいたとか、検査の結果、骨に異常はなく、打撲で済んだとか。和尚は、熟睡で何も知らず、朝になって添乗員から知らされた。もう一つは、お寺の朱印ミス。よその寺のページに朱印してしまった。結局、そのページを差し替えることになったが、うっかりミスにも困ったものだ。年に何回か、和尚も遭遇する場面だ。和尚も、朱印ミスを受けたことがあるが、今や重ね印の連続で全くわからなくなっている。さすが11回目はベテランぞろいで、お経もぴったり息が合い、とても良いお参りだった。合掌
(写真は、善通寺の大楠)
       
          大楠や おさな時しのぶ 秋の寺