2016年4月26日火曜日

新西国巡拝 第3回 客番安岡寺+14~17番

平成28年4月25日

楊谷寺本堂
先達仲間との新西国巡り。ナンバ8時出発。今回は、ツアーの下見をしたいと云う先達の意向を汲んでのコース。既に廻っている2ヶ寺が含まれる。客番安岡寺は、カーナビに気をつけないと安岡寺小学校に連れていかれる。今回は住所を打ちこんだら、うまく行った。「本堂へどうぞ」の声に、ゆっくりと拝観させていただく。本尊の如意輪観音は秘仏だが、脇侍の愛染明王や弘法大師作の不動明王、さらには地蔵菩薩に阿弥陀如来も安置されている。境内には大護摩壇の本尊「弘紹不動明王」(石仏)が祀られている。この寺は、近畿三十六不動尊霊場でもあるのだ。同じ高槻市内に14番神峯山寺がある。日本初の毘沙門天安置の寺とか。新西国の本尊は、国宝の聖観音、山に広がる境内は広く、護摩堂である「化城院」では二千日連続護摩修行中とか。次いで、柳谷観音で知られる17番楊谷寺へ。眼病の観音さま、独鈷水(おこうずい)の観音さまと親しまれ、ご本尊は十一面千手千眼観音。お庭も公開中で、橋本関雪の「湖光帆影」も寺宝公開。先達の一人は、子供の頃に一族郎党でお参りに来ていたと懐かし気だ。長岡京市から京都に向かい、16番大報恩寺へ。千本釈迦堂というほうが通りが良い。本尊は釈迦如来と六観音。新西国の本尊は千手観音となっているが、納経帖の墨書は「六観音」だ。打ち止めは、京都・新京極の15番誓願寺。お昼もとっくに過ぎて、まずは昼食をと、車を御池通りの地下駐車場に停め、寺町から新京極へ。大阪ミナミ、アメリカ村で大人気という「ローストビーフ丼」の店に飛び込む。和尚は一人、カレーが気になりオーダー。これは、大正解でした。14時過ぎに誓願寺に赴くと、何と大法要中。浄土宗西山深草派総本山である誓願寺は23~25日は法然上人の御忌会で、将にフィナーレだったのだ。豪華な法衣に身を包んだ僧侶達の法要を見学する。スタバのコーヒーで一息入れて帰路に。合掌

 長岡京の郊外で  朝堀りの 筍並ぶ 山城路

誓願寺の御忌会

2016年4月20日水曜日

高野山 お礼参り なんば発

平成28年4月18日

奥の院中の橋参道口の枝垂れ櫻
1年掛けて四国八八ケ所を結願された方々の満願お礼参り。梅田~なんばのコースに44名というお客様、超満員御礼の盛況だ。7時50分になんばを出発、湊町ICから湾岸線~関空道~阪奈道泉南ICから京奈和道岩出根来IC~紀北かつらぎICというルート。京奈和道の工事が進み、岩出根来ICまで繋がったのが有り難い。今年度中には和歌山JCに繋がるという。しかし、泉南ICから岩出根来ICまで10分ほどだ。紀北かつらぎICを下りると山登りが始まる。旧道との接点である花坂ドライブインに9時半に着いた。トイレ休憩を兼ねてのお買いものタイム。人気は柿の葉寿司で、予約しておいて帰りに引き取るパターン。奥の院の中の橋駐車場に10時半頃到着、少し雨がぱらつきだしたが、大したことはない。奥の院入り口の枝垂れ桜が、見頃の状態で迎えてくれる。奥の院は専門のガイドがついているので、和尚は最後尾について、迷子予防だ。ご廟の前で読経、昨年の1200年フィバーが嘘のように空いている。一の橋観光センターでお買物の後は、金剛三昧院での昼食と念珠やお軸のお仕立て発注タイム。国宝の多宝塔や本尊愛染明王の参拝をお薦めする。金剛峯寺は、和尚が説明しながら廻る。客殿で法話を聞きながら、お茶とオリジナルのお煎餅を頂く。お山を下り、花坂ドライブインまで戻り一息入れる。本日の打ち止めは、やはり世界遺産の慈尊院、弘法大師の母君ゆかりの寺で、かっての高野政所。ご住職の漫談風法話も相変わらずの絶好調だ。16時45分打ち止め。トイレを新築して頂いているが、いかんせん数が少ない。そこで、近くの「道の駅 柿の郷くどやま」にトイレ休憩をかねて立ち寄る。高野口ICからなんばへ。高速もスムーズで、良いお礼参りとなりました。合掌

 櫻舞ふ お礼参りの 奥の院

2016年4月13日水曜日

奈良国立博物館 信貴山縁起絵巻特別展

平成28年4月13日


特別展「国宝 信貴山縁起絵巻ー朝護孫子寺と毘沙門天王信仰の至宝ー」わいず倶楽部観賞会に参加。縁起絵巻の三卷が一挙に展観できると云うのは初めてのことらしい。5月22日までの期間中に何度か訪れる予定だが、今日は国立博物館の谷口耕生学芸部教育室長の解説が聞けると云うので、わいず倶楽部の企画に参加させていただいた次第。信貴山の一員として、客観的な話を聞く良い機会とも思っていた。パワーポイントを駆使し、絵巻の見どころなど聞かせていただき、大変参考になったと共に、その後の鑑賞が有意義になったのは言うまでもない。縁起絵巻には、じっくりと鑑賞する方が多く、列が中々前に進まない。信貴山縁起絵巻以外にも、国宝の粉河寺縁起絵巻や地獄草紙なども展示。
全体で5章の構成となっている。
第1章 「信貴山縁起絵巻」の世界
第2章 縁起の成り立ち
第3章 毘沙門天王の霊山
第4章 聖徳太子信仰の興隆
第5章 武家の尊崇
和尚たちは、5月10日の信貴山大本山千手院の田中眞瑞貫主の講話に合わせて、訪れる予定を組んでいる。その時には、「なら仏像館」がリニューアルオープンしているはずで、それも楽しみにしている。(4月29日オープン予定)合掌

   鉢が飛ぶ 縁起絵巻や 奈良の春

四国7回 38~43番 生駒発

平成28年4月11~12日

金剛福寺境内
四国最南端・足摺岬から愛媛に掛けての6ヶ寺巡り。ともかく走れ走れのコースで、添乗員曰く「お尻の修行です」と。生駒を8時20分出発、お客様は41名。3分の1のお客様は、和尚と一緒だったことがある方で、心安まるお参りだ。2度の休憩後、高速道路とお別れし、「ゆういんぐ四万十」へ。ここは、品揃えが豊富で、お薦めが一杯ある。ミレーのビスケット、宗田鰹醤油、ダバラ火振り(栗焼酎)、仁井田米のおにぎりetc.和尚も詩吟の生徒さんの為に、ミレーの生姜味を買い込む。39番延光寺に15時半やっと到着。やれやれだ。本堂、大師堂、目洗いの井戸と案内し、希望者は道中着に海亀のご朱印だ。20番の鶴とセットになる。樹齢500年超のイブキも案内して足摺岬を目指す。門前の家には、はや鯉幟。しかも武者幟と名入り旗が二本づつ。幼子を抱いた祖母らしき方が「男の子二人で、この子が次男坊」という。確かに武者幟の1本は、真新しい。
延光寺のイブキ
足摺岬は、工事中のトンネルが開通して土佐清水港から15分で行けるようになったというが、添乗員もドライバーさんも、どのルートか御存じでない。山越えではないので、東海岸廻りで、走ってみたが、いつも通りだ。(翌日、黒潮市場で聞くと、西廻りだった)17時15分頃に山門前に到着、お参りは明日だが、岬巡りに案内する。展望台、椿のトンネル、七不思議、亀呼場、足摺灯台、田宮虎彦文学碑、等々。初めての景観に、皆さん感動だ。
お宿は、分宿。いつもの足摺サニーサイドホテルと足摺パシフィックホテルだ。和尚はサニーサイドで添乗員はパシッフィク。久しぶりのサニーサイドだが、エレベーターも入れ替わり、食事もグレードアップした感じ。露天風呂は朧月だ。
12日 7時30分にサニーサイド出発、パシフィックに寄って38番金剛福寺へはあっという間だ。朝の勤行をする間もないので、せめてと「心経のご真言」「光明真言」「ご宝号」を各々3回唱えることに。
山門前で、記念撮影。外人旅行者が珍しいのか、写真屋さんと並んでシャッターを押している。皆大笑いだ。この寺は、やはり朝1番のお参りが似合っている。美しく整備され、見どころも多い。岬の根元にある土佐清水港の黒潮市場で一休み。「鮪のかぶと煮」(980円)がオリジナルで人気NO1。和尚の定番土産でもある。40番観自在寺までも、結構距離があり、到着は昼前になる。平城天皇、嵯峨天皇ゆかりの寺であり、弘法大師の南無阿弥陀仏の版木もある。大師堂の廻りは、お四国のお砂踏み道場ともなっている。お参りを終えて、お弁当タイム、41番龍光寺へ向かう。本堂手前の饅頭屋さんに、声を掛け試食とお茶をお願いしてからお参り。和尚のいつものパターンだ。お客様は、御饅頭と共に、近くの柑橘類にも群がる。42番佛木寺までは、すぐだ。道路脇に、地元の三間高校生が丹精込めたチューリップの花壇が見事だ。壮大な山門をくぐり境内へ。先客の団体がいる。時間差でお勤めし、43番明石寺へ。かっては山越え、峠越えで時間がかかったが、高速道路の延伸でスムースだ。いつもは時間のかかることで有名な納経所も、ご住職が加わったとかで、早く済み15時過ぎには打ち止めできた。しかし、これからが遠い。淡路SAで、明石大橋のレインボーブリッジを見ると云う事は、既に20時ということだ。結局、生駒着21時30分。西大寺からJR奈良へ向かうお客様、お気をつけてお帰り下さい。明日の天気は下り坂とか、二日間良いお参りでした。合掌
 延光寺にて  鯉幟 祖母に抱かれし 幼子や

 足摺岬にて  足摺の 露天風呂や 月朧

読売三重 西国4回 10~14番 名張発

平成28年4月10日
醍醐寺の櫻と五重塔

読売旅行から出ている4台の内の3号車が、名張~桔梗が丘~名阪上野ドライブインのルート。和尚は、最寄りの五位堂から始発電車で名張に向かう。6時半頃到着、バスもすぐに着いて、お客様を待ち受ける。更に2ヶ所廻って、11番醍醐寺を目指すのだが、ドライバーさんのルートは、新名神甲南ICから京都東ICを利用する。なるほど、早い。開門の9時前に山門に着いた。既に、名残りの醍醐の櫻を見ようと、個人客が並んでいる。我々は、団体の一番手として入場し、金堂など諸堂を解説しながら、奥の観音堂へ。お勤めの後は、各自で自由に拝観していただく。その為に、先に説明しておいた訳だ。日曜日とあってかお客様の出足も早い。駐車場は観光バスで一杯となっている。10番三室戸寺は、有名な花の寺だが、この時期は見るべきものはない。来月あたりは、シャクナゲで、盛況のはずだ。12番岩間寺(正法寺)へ。松尾芭蕉の「古池や・・・」の池のあるお寺と説明し、本堂に上がる。本堂から護摩堂と案内するが、その間にあるのが、件の古池だ。
石山寺門前の「洗心寮」で蜆飯の昼食後、13番石山寺へ。三十三年に一度のご開帳とあって、凄い人だ。下陣の納経所は数10人の長い列。外陣からも大きな二臂の如意輪観音が良く見える。経堂、多宝塔、月見亭、普賢院跡、大師堂、大黒堂と1巡してバスに戻り、添乗員の納経を待つ。時間がかかっているようなので、お念珠の話などさせていただく。打ち止めは、14番三井寺(園城寺)。観音堂への石段を登り始めると、賑やかな江州音頭が聞こえてくる。なんと、観音堂前の広場で「観櫻会ライヴ」と称して歌い踊っている。その姿も、動物の着ぐるみやさまざまなコスプレ姿で輪になって踊っているのだ。お堂に上がると、こちらも脇侍の毘沙門天、愛染明王共々ご開帳だ。金堂にも上がり、本尊弥勒菩薩のご真言を唱え、諸尊の説明をしながら一周する。三井の晩鐘の音色を堪能し、釈迦堂へ。皆で、ご真言を唱えるが「オン ノウマクサマンダ ボダナンバク ソワカ」と「オン」「ソワカ」が付いているのが、天台らしい。
15時40分に三井寺出発。名阪上野ドライブイン、桔梗が丘と廻って名張17時35分。明るい内に辿りついた。曇り空で、暑くも寒くもなく、名残の櫻もたっぷり楽しんで、良いお参りとなった。合掌

 岩間寺にて  古池や 櫻散り入る 岩間寺

 三井寺にて  江州の 音頭流るる 観櫻会
三井寺金堂と櫻

2016年4月7日木曜日

西国1回 青岸渡寺 生駒発

平成28年4月6日

那智大社(右方が青岸渡寺)
JR奈良~西大寺~生駒のルートに、生駒から添乗。お客様は40名。集合場所が判らないお方がいて、誘導に手間取り出発が10分ほど遅れた。長距離なので、ドライバーさんは2名体制だ。南高梅の中田食品で梅酒の試飲や梅干の試食など楽しむが、和尚のお勧めは、「ギャラリー梅園」。季節に合わせ、展示品が変わる。春とあって桜をモチーフにした日本画が多い。焼き物は薩摩焼だ。バスでお話をしておいたので、たくさんの方が覗きにこられた。また、名札の付いた数本の梅の木に小さい実がついている。鑑賞用の梅かと。お昼をいただきながら、那智へ向かう。中辺路を走るが、道路の両側の桜並木が、風で花吹雪だ。かまぼこセンターに立ち寄って、那智の滝に14時過ぎ到着、133段の石段を下り、記念撮影。滝の前では写真屋さんがシャッターサービス。和尚も持参のカメラのシャッターを押してもらう。参道入り口の「和か屋本店」の駐車場にバスを停め、465段に挑戦だ。本堂に上がると、住職と副住職が並んでのお出迎え。お勤めの後、ご住職の法話をいただき、16時出発の声をかけて自由行動に。お客様の中に東大寺二月堂に勤めているという方がいて、あまり知られていないが、二月堂も西国の番外の一つだと教えてくださった。十一面観音を祀るとか。ネットで調べてみると、善光寺、金剛峰寺、四天王寺、延暦寺と並んで、お礼参りの先のひとつにその名があった。勉強になりました。帰路は、「ちかつゆ」と紀ノ川SAに立ち寄って、生駒着21時前。これから何度かご一緒しますとお別れ。合掌

 白加賀と 名付けし梅や 実のなりて

 中辺路の 桜並木の 花吹雪

2016年4月4日月曜日

高野山大学 入学式

平成28年4月4日

本年で、創立130年を迎える高野山大学の入学式に、同窓会大学院通信課程支部長として参列した。昨年も今年も卒業式には都合がつかず、入学式のみの参列だ。会場は、松下講堂黎明館、10時の開会。今年は、四度加行を終え、潅頂を済ませた弟子の尼僧が大学3年に編入するという。彼女も参加するので、半分は父兄の心境か。密教学科、人間学科合わせて、学部生は29名、別科、大学院生を含め79名の入学生である。その内、大学院通信教育課程は30名。
入学式は、ご法楽から始まる。心経とご宝号、そして「南無大明神」を唱える。新入生全員が名前を読み上げられ起立する。新入生の紹介だ。藤田学長の訓示、添田宗務総長や内海同窓会長の祝辞の後、来賓の紹介、県、町、警察、山内からは松長有慶前座主や静慈円霊宝館長などなど。
同窓会支部長は2名だった。在校生代表の祝辞、新入生代表の宣誓があり、教員の紹介。和尚のマンモス早稲田大学では、考えられないアットホームさである。式のあと新入生たちは金剛峯寺の参拝。和尚は、5月の十三回忌法要の打ち合わせに、無量光院や中本名玉堂へ。お昼は弟子といただいて下山。新入生は、明日は奥の院参拝の予定とか。和尚としては、静先生に、秋の支部総会の講師依頼をできたのが大収穫。合掌

   雨高野 輪袈裟姿の 入学式

   高野下 桜と競ふ 桃畑

2016年4月3日日曜日

信貴山 千手院 「銭亀まつり」

平成28年4月3日

柴燈護摩の導師を勤める
「南無銭亀善神」と日頃お唱えしているが、本日は年に一度の「銭亀まつり」だ。千手院大阪分院からは、和尚を含め4人で出仕させていただいた。8時半集合、分院の女性3人は、護摩木売り場担当、和尚は、基本は柴燈護摩の導師なのだが、一日の流れの中で、分担がある。
9時20分 銭亀善神のご開帳法要。導師の合図で白布が取り除かれると、金色に輝く銭亀善神のお姿が現れる。般若心経、ご真言を唱える。9時半過ぎから柴燈護摩の開始だ。和尚も交代で導師を勤める。同時に護摩堂前では、福引も始まっている。カランカランと鐘の音が鳴り響くときは、豪華な景品が引き当てられた時だ。お昼前に、いったん護摩場を離れ、着替えに戻る。本堂へのお練り行列の為だ。和尚の担当は、行列に参加するお稚児さん達への「稚児加持」だ。赤門前から行列はスタート。行者、僧、巫女、稚児と練り行列で本堂へ。信者さん達はカメラの列だ。入堂してから、和尚は稚児さん4~5人づつ、洒水で加持を行う。中にはベソをかいている稚児もいて、愛らしい限りだ。法要は、巫女の献花からから始まり、管長猊下のお導師で大般若祈祷、そして全員で心経を唱える。そして環列して千手院に。この後は、お宝まきが、お子様の部、大人の部と順に行われる。和尚は、柴燈護摩の締めくくりのため、再度、着替えて祈願者のお名前の読み上げを護摩壇で行う。束がいくつもあり、祈願者の多いことをうかがわせる。大人の部のお宝まきも担当なので、会場に駆けつける。「いかるが太鼓」の演奏中に合流できて一安心。会場は、舞台を中心に、70歳以上とそれ以下とに分かれて誘導してある。全て事故防止の安全策だ。遅れて合流した和尚は、70歳以上の集まりにお宝を投げることにした。三笠饅頭の入った袋の中に当たりくじも入っているのだ。さらにはご縁のあるようにとリボンを付けた5円玉や虎饅頭など僧侶や巫女さんでお宝まき。お客様が景品の交換をなさっている間に、柴燈護摩に戻り、締めくくりの導師。あっという間に一日が過ぎてしまった。お昼は、着替えの間に、おにぎりとパンをペットボトルのお茶で流し込んだ。終えて、分院の4人でいただいたスタバのコーヒーの美味しかったこと。充実した春の一日でした。南無銭亀善神。合掌

    桜花 銭亀善神 千手院

    稚児の列 母も付き添ふ 信貴の春

2016年4月2日土曜日

讃岐一国巡り ③

30日

根香寺の五大明王堂
5時半に起床、6時からのお朝事に御影堂へ。外陣は、お遍路さんで一杯だ。顔見知りの執事に内陣へと導かれ法要に参加することに。管長猊下の法話に引き続き、理趣経法要を勤め、全員で般若心経を唱える。御大師様に焼香し、戒壇巡りへ。左手を壁に添え、ご法号を唱えながら歩む。中ほどに、仏間があり現代科学で復元したという弘法大師の音声で法話がある。その後食堂に導かれ朝食。それぞれのグループが、それぞれの食事作法。心経を唱えるグループもある。食後、親鸞堂に案内する。親鸞自刻の像が安置されていて、中に入ることができる。西院から東院に向かう途中に「堅パン」がある。すでに開店で、善通寺名物のご紹介だ。金堂に入りお勤め、堂々たるお薬師は見事だ。五重塔裏の法然上人逆修塔に案内して、南大門前の「コトブキ」でモーニングコーヒー。車を回してもらって、いよいよ出発だ。
まずは、五色台へ向かう。山中に2ケ寺、いずれも和尚の好きな札所だ。まずは、81番白峰寺。干支の守り本尊がそろっていて、崇徳上皇のご陵もある。そろぞれ自分の干支のご本尊を探す。和尚は、戌歳で阿弥陀如来。お堂は、本堂の左手にある。82番根香寺は、香木が川に流れ、良い香りを発したという故事から「香川」の語源という。四季折々の境内は素晴らしく、間もなくカメラを抱えた来訪者で満るはずだ。本堂、大師堂、五大明王堂、役行者像と廻る。勿論、山門前の「牛鬼」は、お参りの前に説明している。五色台を下り、83番一宮寺へ。ここの目玉は、地獄の釜音を聞くこと。そして和尚的には、護摩堂の見事な不動明王だ。マルナカ屋島店で、お弁当をpick upしようとしたが、「イオンカードはお持ちですか?」との問い、何と今日は、5%引きデーという。運よく和尚は、届いたばかりの新カードを財布に入れていたのだ。84番屋島寺に登ると、バスが数台駐車。覚悟して納経所に行くと、阪急の面々。個人納経ということで、割り込ませてもらった。当然、先達もお仲間でご挨拶。85番八栗寺へは、ケーブルで登る。BGMは、「いろは歌」だ。この2日間、打ち止めの時に皆で歌ってきたので、車内でも口ずさむ。大師堂から本堂へとお勤め。ようやく「結願の町」で売り出す「さぬき市」、平成の合併で、なんと86、87、88番が同じ市内となったのだ。88番志度寺の門前に善通寺樫原管長の自坊がある。平賀源内の墓所だ。お参りの後、五重塔から海女の墓と案内する。87番長尾寺は、静御前の剃髪寺。大鏡餅を抱えて、どのくらい歩けるかという力餅競技でも有名だ。88番大窪寺に電話を入れ、状況を説明、「17時半ごろになるかな」と言いつつ待ってくれるという。信号もなく、ドライバーさんの頑張りで、17時前にたどり着いた。「結願の証」を頼む方もいて、拍手だ。無事、廻り終えて帰路に。淡路HWOで腹ごしらえをして、大阪駅21時、難波21時15分着。お疲れ様でした。次回、阿波の国巡りは、10月24~26日の2泊3日で意見一致。合掌

 志度寺にて  海女の墓 老女手向ける 春の花

 大窪寺にて  結願の 証をスマホに 遍路客

讃岐一国巡り ②

国分寺(手前はかっての金堂の礎石)
29日
郷照寺の淡島明神

ホテルを7時30分に出発、80番国分寺へ。かっての讃岐の政治文化の中心にふさわしい偉容である。大師堂と納経所がセットになっている。79番天皇寺の三輪鳥居が珍しく日本で三例とか。崇徳上皇を祀る白峰宮の神宮寺であった。78番郷照寺は時宗のお寺。「うたづ大師」と称される厄除けの寺だ。門前の「地蔵餅」が突きたてのところへ飛び込み、人数分をご接待できた。久しぶりに手に入り感動、いつも売り切れなのだ。77番道隆寺は、目のお薬師さん。車中で納札に「め」を歳の数だけ書いておいてもらう。門前の「サンエイ」で目に効くお茶の御接待を受け、線香、蝋燭の不足を補う。お昼近くになったが、76番金蔵寺まで打つことに。智証大師円珍の誕生地で、大師堂の中央は智証大師、右に弘法大師、左に神変大菩薩を祀る。乃木将軍妻返しの松のエピソードも将軍らしい。お昼は近くの「長田in香の香」、行列のできる讃岐うどんの名店だ。相変わらずの盛況で、予約を入れておいてよかった。「チラシ寿司と釜揚げうどん」、どちらも美味しいと好評。午後からは打ち漏らしのことも考えて、ルート変更。70番本山寺から。五重塔が大修理に入り、初層に祀る大日如来像の造立も含め勧進中である。
本日の最大の難所71番弥谷寺は、寺のマイクロバスで大師堂までは往復できるが、そこから本堂までは200段以上の石段が待っている。梵鐘を突いて気合を入れ、ゆっくり登る。お勤めの後は、阿弥陀三尊の磨崖仏を左手に下り、大師堂へ。奥には「獅子岩窟」と呼ばれる大師の学問所跡がある。山を下り、73番出釈迦寺へ。我拝師山から7歳の弘法大師が身を投げたところ、釈迦が現れたとの伝承からの寺名で、その場所に奥の院が建つ。寺には、遥拝所があり石碑に、釈迦如来と天女の姿と捨て身の稚児大師が刻まれている。駐車場が広々と整備されていたのにはビックリした。72番曼陀羅寺は大日如来がご本尊、西行法師の昼寝石や笠掛桜の逸話も。名物だった笠松が松くい虫に屈した後、その幹に大師像を刻み「笠松大師」となっている。74番甲山寺に滑り込めた。お山が、毘沙門天の兜の形に似ているからとの寺名。本尊薬師如来のほかに、洞窟に毘沙門天もお祀りしている。17時に打ち止めし、お宿の善通寺いろは会館へ。夕食は、赤門近くの「左近」、高校の同級生お薦めの和食処。美味しい料理の数々に大満足。推薦の同級生も顔を見せ、和尚に作務衣としょうゆ豆の差し入れ。さぬき市から駆け付けた遍路仲間は、女性軍にケーキ、男性軍には「黒霧島」の差し入れだ。20時で切り上げ、会館へ。何しろ21時門限、お風呂も21時までなのだ。お朝事が6時からなのでやむを得ないところ。合掌

 春霞 溜池光る 讃岐路や

 春の日を 背に浮かび立つ 讃岐富士 

第16回 秀寛和尚と巡る四国八十八ヶ所遍路の旅(讃岐編) 60~88番

平成28年3月27~30日

横峯寺本堂を望む
27~28日
春秋の一国巡りで2年で結願する和尚の遍路旅も、今回で16回を数えることに。参加者は、和尚を含め8名、車はジャンボタクシー10人乗りだ。天井も高く、広々としている。新大阪、難波と廻り、大阪南港に21時。オレンジフェリーに乗船、各々船室に落ち着いてから食堂でミーティング。
18日 東予港に上陸する前に、5時半から朝食、6時接岸、60番横峯寺に向かう。有料の林道を登り、山頂の駐車場からは下って境内に入る。シャクナゲの名所だが、さすがにこの時期は蕾堅しの状態だ。61番香園寺は、「子安大師」で名高く、お影も本尊大日如来と子安大師の2枚いただける。大聖堂に上がってのお勤め、御大師様も右方の厨子にいらっしゃる。真言教主・大日如来について説明するに、最高のシチュエーションだ。62番宝寿寺の本堂前で、工事が始まっている。この10数年、工事中の看板はあったが、本当に工事しているのは初めて見た。すぐそばに、63番吉祥寺がある。毘沙門天が本尊なのは、札所ではここだけ。山門横のお堂に七福神の残りの六福神がお祀りされていて、ここだけで七福神めぐりが完結する。64番前神寺の大師堂と本堂の間に、不動尊が祀られていて、湧き清水に濡れたお姿に一円アルミ貨が貼り付いている。それぞれ投げてみたところ、和尚をはじめ3名が成功、縁起が良いと大はしゃぎ。65番三角寺に電話を入れ、庫裡裏まで、乗り入れる了承をいただく。山門までの急な72段の石段が大変な方がいるためだ。本堂前の山桜の古木は、「是でこそ 登りかひあり 山桜」の一茶の句碑が立つ。誰もが見たことのない花がたくさん植えられている。尋ねると「ヒマラヤユキノシタ」とのこと。西条でお弁当をpick up、66番雲辺寺へ。これからいよいよ「涅槃の道場」讃岐路だ。ロープウエイで山頂まで上がると、すぐ県境の表示が参道にある。ロープウエイは香川県だが、お寺は徳島県なのだ。「おたのみ茄」の石の腰掛の前に大きな石の環が設置され、それをくぐってから座ることになったようだ。まずはと試みる。四国高野の名に恥じず、大師堂は、高野山奥の院を思わせる造りだ。67番大興寺は、天台、真言の道場であったところから、大師堂が本堂を挟んで左右にある。向かって右が天台大師、左が弘法大師だ。山門を入って、続く石段の右に弘法大師お手植えと伝わるカヤと楠の大木が目に入る。68番神恵院と69番観音寺は同じ境内に同居する。納経所は一つなので、我々にとっては便利だ。16時半になったので、線香、蝋燭は「運心」でお願いする。打ち止めて、お宿のオークラホテル丸亀に向かう。ホテルは、満員の様子で、夕食のバイキング会場の席の予約も19時からがやっと。合掌

 横峯寺にて ご機嫌な 鶯の声 横峯寺

 香園寺にて 数輪の 桜ちらほら 香園寺

 車窓より   春の川 細き流れや 伊予の里
ヒマラヤユキノシタ