2017年6月28日水曜日

西国巡拝 播磨路25~27番+花山院

平成29年6月26日

花山法皇ご廟
特任先達の納経軸も残り2ヶ寺となっていたので、思い立って朝からスタートした。まずは番外の花山院を目指したが、渋滞に巻き込まれることもなく、スムースにたどり着いた。法皇殿で、お勤めの後、本堂や幸せ七地蔵、御廟などを参拝し納経所へ。「西国巡礼」という分厚い本が、住職推薦として置いてあったので紐解くと、非常に懇切丁寧なもの。サブタイトルは「三十三所の歴史と現代の意義」。西国三十三札所会監修で、文も絵も五叟鐡太郎とある。(電気情報社刊、2,500円)姉妹書として「板東巡礼」もあるようだ。山を下り「十二姫尼の墓」に立ち寄る。25番播洲清水寺で御軸は、満願。昇補申請書をいただく。ツアーで来ると時間が無いが、今回は余裕なので、根本中堂から寺名の興りとなった霊水「滾浄水(こんじょうすい)・おかげの井戸」に足を延ばした。播磨の札所は、なかなか来れないので、26番一乗寺から27番圓教寺も廻ることにした。一乗寺の帰路は、石段を避けて山道を下る。圓教寺では、三つ堂ゾーンに赴き、食堂2階の宝物館をじっくり鑑賞させていただいた。17時前に打ち止めし、帰路についたが、カーナビに従ったのが大失敗。姫路バイパス経由で大渋滞に巻き込まれることに。ロープウエイのアナウンスで、最寄りのICは、姫路西と言っていたのに、ドジなことでした。合掌

2017年6月21日水曜日

読売奈良 四国6回 西大寺発

平成29年6月18~19日

禅師峰寺の不動尊
三重県各地を経由して西大寺から高知へ向かうコース。初発地から乗車のお客様は、西大寺まで3時間を要している。総勢40名のお客様と9時に出発、日曜日とあって高速はスムースで、一気に淡路南PAまで2時間で走行、お弁当をいただきながらさらに2時間で南国IC。お弁当は、鳴門市の「さわ」、手造り弁当と謳うだけあって、質量ともに合格点だ。IC近くの土佐市観光でマイクロ4台に分乗し、35番清滝寺の山を登る。個人の参拝も多く、離合が大変だ。それぞれのマイクロが、揃い次第、36番青龍寺へ車を走らせる。石段を登り3台分は揃ったが、添乗員の乗る4台目がやってこない。本堂と大師堂のご供養を済ませてもらい待つことに。納経に時間を取られたようだ。お軸が17本あるのも一因かもしれない。下りは、スロープで恵果堂まで降りて行き、手を合わせる。バスが、近くの「竜の浜」まで回送され、34番種間寺へ。道中には、あじさい街道と名付けられた水路沿いの花壇が続き、あじさいが色とりどりに迎えてくれる。6月11日には「あじさい祭り」が開催されたようだ。店じまいをしていたアイスクリン屋さんが、バスを見てまた店を整えて待ってる。丁度17時に打ち止めして、アイスクリンをいただく。安産祈願し御礼参りで奉納した「底の抜いたひしゃく」が、子安観音の周りに打ちつけられている。年齢を見ると、44歳が最高齢出産だった。お宿は土佐御苑、般若心経のコピーをお願いする。
竹林寺の五重塔
19日 7時半に出発、37番岩本寺へ1時間ほど。納経所に声をかけて、本堂に上がり込んでお勤め。ご本尊が5体あるので、順にご真言を唱えて行く。本坊で、奥の院本尊地蔵菩薩の御開帳が続いていたので、皆で参拝する。お楽しみは「此処や」のアイスクリーム、昨日電話を入れて、早く開けるように頼んでおいたのだ。和尚は、しょうがと小倉のセット。皆さん思い思いの組み合わせを注文する。近くにある芋けんぴで名高い「水車亭(みずぐるまや)」が既に開店しているというので、急遽立ち寄る。33番雪蹊寺に戻り、長宗我部元親ゆかりの寺と説明する。隣接の「秦神社」も同様だ。32番禅師峰寺は高台にあって、眺めの良いところ。参道の坂を登る時、十一面観音立像の後頭部の大哄笑面を見ることができる。お昼を過ぎたので、「かつお船」で昼食。鰹のたたきが美味。鯉幟ならぬ鰹幟がはためいている。
打ち止めは、31番竹林寺。現在、本坊周辺が大工事中。駐車場から坂を下って、正門から石段を登ってゆく。緑が美しく、五重塔と重ねるとまるで絵葉書だ。我々に続いてやってきた団体の先達さんは、神戸のK女史。やあやあと久しぶりのご挨拶。五重塔から一言地蔵に案内して、14時過ぎに帰路に。吉野川、淡路SAと休憩して西大寺に19時半前に到着。とても順調な走行でした。合掌


 紫陽花の 青さ目にしむ 青龍寺

 種間寺へ あじさい街道 水路沿ひ

2017年6月14日水曜日

善通寺遍照会と讃岐巡り

平成29年6月10~11日

善通寺五重塔からの餅捲き
11日に善通寺遍照会の総会が開かれるのに、初めて出席することにした。10日の朝、マイカーで出発、まずは88番大窪寺へ。目的の一つは、新先達の申請書をいただくこと。そして散華の台紙も。ご住職は、不在だったがフェイスブック仲間のお兄さんに会えて、握手。お供えに奈良の地酒「梅の宿」を持参した。丁度、お昼時で「打ちこみうどん」と「おでん」の定番のメニューを楽しむ。
ついで、77番道隆寺へ。門前の「サンエイ」で白作務衣を購入、これは先達仲間に頼まれたもの。奥様に久しぶりに御お会いできて、四方山話に花が咲く。バスの添乗と違って、自由が利くのでのんびりとした行程だ。76番金蔵寺、74番甲山寺とお参りして、72番曼陀羅寺、73番出釈迦寺に駆け込む。お宿は、定宿の善通寺グランドホテル。夕食は、併設の「蔵の匠」で、同級生の藤間流の師匠と一献傾ける。そしていつものカラオケスナック「道」へ。店が移転し、新しくなったが、21時閉店と早じまい。したたか酔ったのか、バタンキュウで気がつけば朝。遍照会の受け付けは10時過ぎなので、朝うどんへ。善通寺の駐車場に車を預け、御影堂から金堂へお参り。今日は「大師市」の開催日でもあって、露天の準備でにぎわっている。南大門前の「コトブキ」でコーヒータイム、店主は同級生だ。受付を終えて、時間があるので、宝物館へ。御大師様の稚児像、それも聖徳太子の孝養像をモデルにしたスタイルで、特別展示なのだ。遍照閣の八八ヶ所出開帳本尊(松本明慶作)を一つ一つ鑑賞、同じ仏様でも、それぞれの札所の御姿を表現していることが良く分かる。親鸞堂、護摩堂と上がり込んでお参り。総会は、教化部長のお話を聞いて、おうどんのご接待で昼食。本日の目玉は、昼からのドキュメンタリー映画「いきたひ~家族で看取る~」だ。全国を巡回中で、四児の母である長谷川ひろ子さんが、夫の生きざま・死にざまをホームビデオで撮ったもの。企画から構成、作曲から歌まで自分自身でやりぬき2015年に完成したという。上映前後に彼女の話があり、中々の感動作だった。終演後に五重塔で餅捲きが有ると云うので、覗いて見たが、とても危なくてその輪に入れる雰囲気ではない。雰囲気をカメラに収めて、帰路に。合掌
金蔵寺山門

2017年6月9日金曜日

京都三弘法と高野山お礼参り

平成29年5月30~31日

2年かけて和尚の一国参りに参加された仲良し3人組の御婦人達とのお礼参り。30日の京都三弘法だけには参加したいと先達仲間も加わった。足は、いつものドライバーさんとレンタカー。新大阪からなんばを経由して、まずは、東寺へ向かう。五重塔、金堂、講堂と解説しながら廻る。4,5人の男性グループが話を聞きたいとついてきた。大師堂は修理中だが、大日堂の横に仮堂が設置され、同じ御姿という大師像が安置されている。その前でお参り。観智院がリニューアルオープンで公開中というので足を延ばす。美しく整備され、今後は常に公開するとか。
次いで、仁和寺へ向かう。大師堂は、一番奥にある。金堂の前にある納経所に朱印帖などを預け、お参りに。ほかに参拝客はなく、大師堂に上がり込んでのお参りだ。
神光院に向かう。東寺や仁和寺が三弘法というのは、理解できるがなぜ神光院がメンバーに加わっていると云うのが、面白いところ。弘法大師が、この寺でご修法で籠られ、お別れに御印を依頼されて、本堂前の池に姿を映して自刻された像があるのだ。江戸時代は、東寺で菅笠、仁和寺で金剛杖、神光院で納め札入れを求めて、お四国参りに出発し、廻り終えてお礼参りに来たと云う。今は、その名残りに小さな木札にその絵を描き、三つ揃えてビニールケースに収めて御守りにする。
京都三弘法を終え、お弁当をいただきながら高野山を目指す。先達とは、京都駅でお別れ。第二京阪から阪和道、さらに京奈和道と高野の麓まで快適に走れるようになった。まずは、高野政所の慈尊院へ。拝殿に上がりお勤め、案内犬ごんちゃんや玉依御前の話をさせていただく。自尊院から、山道を走り丹生都比売神社へ。17時前にたどり着けた。いづれも世界遺産だ。太鼓橋も美しいが、この季節ならではの茅の輪が本殿前にあり、くぐり方の解説も掲示されている。右、左、右とくぐるとか。順に試みて高野山の無量光院へ。ドライバーさんとはお別れ。

   仁和寺や 日射しに映ゆる 若楓

   三弘法 巡り祈るや 初夏の京

   慈尊院 乳房の絵馬や 風薫る

   丹生都比売 茅の輪くぐりや 二度三度

徳川蓮台 家康公ご廟所
31日 無量光院のお朝事に本堂へ。いつもながら外人客も多い。和尚は内陣に案内され、読経に参加、祖父のご供養もさせていただいた。朝食後、中本名玉堂の車がお迎えだ。今回も無理をお願いし、山内を運んでいただくのだ。まずは、奥の院へ。中の橋から入る。最初のゾーンは、企業墓中心だ。息子が勤務するキリングループの墓に手を合わせる。奥の院を巡って、金剛峯寺に運んでもらう。ここの売店でのみ売っている「弘法大師物語」をお勧めする。中本名玉堂で、昼食を楽しむ。ご婦人方は、森下商店の生胡麻豆腐に興味。壇上伽藍を隅々までご案内して、徳川蓮台、霊宝館なども巡る。名物麩まんじゅうも手に入れ、お土産などで膨れ上がった荷物を持って、特急こうや号でなんばへ。今回も無量光院や中本名玉堂に大変お世話になりました。ありがとうございました。合掌

  万緑の 町石たどり 奥の院

2017年6月8日木曜日

西国 全周の旅 7泊8日

平成29年5月19日~26日

3月の旅に続いて企画されたもの。なんとお客様は男性2名、女性4名の6名、豪華な旅だ。和尚は、近鉄特急で名古屋に向かい、新幹線で東京からやってくる一行を待つ。9時20分、中型バスで出発、2時間ほど走り、始神(はじかみ)テラスで休憩。車中で、名古屋名物の「てんむす」のお弁当をいただく。13時過ぎ、那智山の麓に到着し、かまぼこセンターに立ち寄って那智の滝へ。石段は133段。1番青岸渡寺の参道の石段は467段ある。本堂でお参りの後、三重の塔へ。ここからの那智の滝も素晴らしいのだ。那智大社も参拝して下山。おもしろい事に、那智大社で平安衣装の貸出しをやっていて、1時間2000円、2時間3000円の表示。お宿の南部ロイヤルホテルに向かう途中、橋杭岩を観光。

  短夜に 邪鬼が邪魔した 橋杭岩

20日 2日目は最もハードな一日、8時40分に出発し、2番紀三井寺まで1時間強。そそりたつような石段が待っている。231段の厄除け坂なのだが、結縁坂とも云う。かの紀伊国屋文左衛門が妻「かよ」と鼻緒が切れた縁で結ばれたのだ。新仏殿で、松本明慶作の大観音を拝観し早めの昼食、3番粉河寺に向かう。阪和道と京奈和道が繋がったので、50分ほどで到着、随分と早くなった。お陰で、境内をゆっくりと案内できる。4番施福寺へのトンネルが開通してマイカーなら30分位だと聞いていたので、駐車場で道を教えてもらう。かつらぎ西IC~県道125号~国道480号、トンネルを5つほど通過するのだが、「鍋谷トンネル」開通がポイント。さらに国道170号から施福寺への県道228号へと云うコースだ。トイレが不便なので、道の駅「山愛の里」に立ち寄るが、それでも40分ほどだ。
ここ施福寺が、最大の難所、自らの足で40分ほどの山登りを強いられる。無理をしないように念を押してスタート。急坂を登り、山門までたどり着くと紅い石楠花が迎えてくれた。山門にここから30分の張り紙がある。本堂で、立体曼陀羅の仏前でお参りすると決めていたので、皆のそろうのを待つ。(本堂拝観料500円)自信がないと言っていた方も、無事登りきった。1時間半程でスタートできたので、びっくりだ。和尚は2時間かかると思い、打ち止めの5番葛井寺の到着時間を気にしていたが、杞憂に終わった。葛井寺まで1時間弱、ゆっくりお参りしても17時前に打ち止めできた。門前の葛井餅の試食を頼んでおいたので、皆で味見。日持ちがするので、お土産にまとめ買いする方も。いつもの駐車場が閉鎖され、お客さんの流れが変わったので、売り上げが落ち込んでいるらしい。お宿は橿原ロイヤルホテル。和尚は自宅に近いので、一時帰宅。
   
   施福寺や 紅の石楠花 門前に
   石楠花の 紅鮮やかに 迎ふ寺

21日 ホテルを8時10分に出発し、壺阪寺(南法華寺)へ。本堂からお里澤一像~釈尊一代記のレリーフ~大観音~石堂~釈迦三尊石像~講堂と巡回しながら説明。1時間半近く要した。7番岡寺(龍蓋寺)まで20分ほど、ご祈祷を受ける方のお参りを待って、本堂へ。1~3月は、厄除け祈祷の期間で、本堂に上がれなかったのだ。ご本尊は如意輪観音、塑像としては、最大級。天竺、中国、日本の土を練り合わせたと云う。11時過ぎなのに、行程上もう昼食だ。ヤマトの柿の葉すしをいただき、8番長谷寺へ。駐車場にバスを停めて、まずは番外の法起院からお参り。西国創始の徳道上人のご廟所だ。長谷寺の登廊を登り、舞台でお参り。大師堂~本長谷寺~五重塔と廻って下山。9番興福寺南円堂まで1時間弱。観光客の間を縫って、奥のお堂に。もう1ヶ寺をどこにするかと悩んだ挙句、番外元慶寺へ。バスが入れないので、国道から歩いて往復する必要があるからだ。
16時半過ぎに打ち止めして、お宿の京都東急ホテルへ。17時過ぎに到着できたので、ゆっくりしてもらえそうだ。しかも連泊だ。

壺阪寺の石像
22日 8時15分出発、17番六波羅密寺へ。宝物館が素晴らしいので、お勧めする。(拝観料600円)教科書によく出てくる空也上人像や平清盛像などだ。11番醍醐寺は、受付が9時からなのだが、10分過ぎに到着と云う、素晴らしいタイミング。今は、閑散期料金で、800円。三宝院、宝物館の拝観もセットされている。既にバスが着いていると思ったら、小学生の写生大会、五重塔を画く子が多い。1時間ほどの滞在の後、10番三室戸寺へ。花の寺も、今は新緑の時期だ。12番岩間寺(正法寺)本堂に上らせていただきお勤め。その前の池が「古池や蛙飛び込む水の音」の古池と云う。
三室戸寺本堂
13番石山寺の駐車場に入り、まずは洗心寮で蜆飯の昼食。石山寺は、奥行きが深いので、ポイントの処を選んで周遊する。ついで、西山の20番善峰寺へ高速を使って向かう。本堂に上がりお勤め、遊龍の松など写真撮影を楽しんでいただく。綱吉の母・桂昌院が復興した寺で縁の品も多く残されている。再度、高速で京都市内に戻り、15番今熊野観音寺へ。本堂でお勤め後、役僧からの話を聞く。16時頃打ち止め。今日の動き方は、ドライバーさんの苦心の作だ。ホテルに戻ってから、六波羅密寺のご朱印を貰い損ねていたことに気がついた。駐車場に行くドライバーさんが、寺近くまで送ってくれて、時間内にたどりついた。久しぶりに、木屋町の馴染みの店に立ち寄ろうと、ぶらぶら歩く。開店まで時間があるなと思っていたら、立ち飲みの店がやっていたので、一杯やりながら時間をつぶす。お店で旧交を温めて、ホテルへ。風も心地よく、歩いて帰る。

  醍醐寺や 法螺吹く頬に 五月風
  新緑の 絨毯広ぐ 三室戸寺

23日 8時30分出発、16番清水寺へ。既に修学旅行の生徒たちの姿が見える。本堂でお勤めを始めると、外人観光客が物珍しそうに眺めている。10時集合として解散、音羽の滝などお勧めする。
和尚は、参道の先輩の店に立ち寄り、四方山話だ。19番革堂(行願寺)へは、路駐したバスから歩いて往復する。納経所に住職の老尼の姿が見えなかったのは、残念でした。18番六角堂(頂法寺)はご存知、池坊華道の家元が住職、京都の真ん中で「へそ寺」とも。早めのお昼は、西尾八ッ橋本店、「京のおばんざい」として女性には人気が高い。名神を使って、茨木の22番総持寺に走る。お寺の近くで、バスを下車し山門へ。山蔭式包丁式の寺でもある。救った亀に助けられ、ご本尊も亀の背に立つ。23番勝尾寺は、壮大なお寺。一方通行で境内を周遊するスタイルだ。打ち止めの寺は、亀岡の21番穴太寺。特別拝観の時期で、厨子王丸の守り本尊やお前立ちの聖観音が御開帳。本堂には逗子が3つ並んでいるが、真中が薬師如来、向かって左が聖観音、そして右がお前立ちの聖観音という。お前立ちが、並んでいるというのだ。説明を聞いて初めて知った。16時過ぎに打ち止め。お宿の宮津ロイヤルホテルに17時半到着。

24日 8時出発。 29番松尾寺へ。西国唯一・馬頭観音を本尊としている。バスは、一度福井県に入り、裏山から寺に行く。古びた本堂でのお勤め、納経所やトイレは、石段を降りた所にある。天橋立を右手に見ながら、28番成相寺への急坂を登る。重文指定の鉄湯船で、手を清めると云うのが面白い。本堂の右上に掲げられている左甚五郎の真向の龍は、写真撮影OKだ。松井物産で昼食、またまた名物のオイルサーデンを買ってしまった。2時間近く走って、番外の花山院へ。タクシーに分乗して900mの急坂を登り、観音堂へ。十一面観音を真中に、花山法皇と弘法大師が並ぶ。納経所から、有馬富士が左方に眺められる。打ち止めは27番圓教寺、15時30分のロープウエイで登り、寺のマイクロに乗っていただく、時間を短縮し、三つ堂に案内したいからだ。三つ堂付近は、ラストサムライなど時代劇の撮影場所として有名。その一つ食堂の2階は、宝物館となっていて、見るべきものも多い。ゆっくり案内して、麓の杵屋で試食タイム。トムクルーズが爆買いしたバームクーヘンもある。お宿は、姫路キャッスルグランヴィリオホテル、18時前に到着した。

  田水張り 畦焼く烟や 有馬富士
  さみだれに 白く霞むや 姫路城

25日 8時30分出発。 26番一乗寺へ。急な石段が迎えてくれるが、途中に国宝の三重塔がある。いつも、ここで一服しながらの説明だ。本堂の天井に、かっての納め札(木札)が花模様に打ちつけられている。三重塔は、本堂からの見下ろす写真撮影も趣がある。1時間ほどで、25番播洲清水寺。御嶽山清水寺なのだが、京都の清水寺と区別するためにか、播洲清水寺と通称する。山門をくぐってからも結構な距離の参道だ。昼食は、東條湖グランド赤坂。宝塚に戻り、24番中山寺へ。花山法皇が、ここの石棺から宝印を取りだし、西国霊場を中興したという縁の寺、安産祈願で知られた寺だが、五重塔が復興され「青龍塔」と云うように、青みがかった彩色が成されている。塔のそばに大師堂があり、拝観させていただく。名神で一気に14番三井寺(園城寺)へ。お宿が大津プリンスホテルの為、残しておいたのだ。近江八景で名高い所でもあり、見どころも多いお寺なので、ゆっくりとご案内する。まずは、観音堂に上ってお参り。金堂にお参りする前に、弁慶の引き摺り鐘や御井など案内する。金堂を拝観した後は、三井の晩鐘を突く。重文のせいか、一突き300円。しかし、詳しい小冊子を記念に下さる。三大銘鐘の中でも、音色一番と云う。17時前にホテル着。

26日 いよいよ満願の最終日、8時前に出発。31番長命寺からスタート。麓からタクシーで登るのだが、駐車場から100段強の石段が待っている。麓から800段を超えるから、それでも有りがたい。聖徳太子創建の寺で、寺名は武内宿禰の「寿命長遠諸願成就」の8文字からきていると云う。32番観音正寺も麓の五個荘からタクシーで登り、駐車場から500m歩くと境内だ。歩けば、約1200段の難所だ。白檀の千手観音は、松本明慶の作。いつ拝んでも、優しく微笑んでくれる。30番宝厳寺への船便はいろいろあるが、我々は彦根港からのオーミマリンで12時30分発、井伊直政ゆかりの赤備え船だ。11時50分頃に着いたので、出港までの時間を利用してのお弁当タイム。信仰の島・竹生島には、人は住んでいない。僧侶も神主も皆通いである。片道40分、滞在時間70分のスケジュールだ。急な石段を登り、まずは本尊大弁天で読経。宝物館で、四国霊場志度寺ゆかりの面向不背の宝珠を案内する。和尚は、これを見るだけで、価値があると思っているので、お勧めする訳だ。
国宝の唐門は、修理中だが、重文や国宝の宝庫でもある。15時に彦根港に戻り、打ち止めの33番華厳寺に向かう。問題は、お寺の納経時間が16時半までということ。お客様が「満願の証」を予約されているので、少しの遅れは待ってくれると思うものの、渋滞があるば、大変なことになりかねない。しかも、駐車場から本堂まで1km近く離れているのだ。ドライバーさんの奮闘で、駐車場に16時10分に着いた。添乗員のI女史が、小走りに参道を行くのを見ながら、我々も後を追う。満願の証のお名前の確認をしてもらう必要があるからだ。それさえ終えれば、お参りはゆっくりで良い。本堂、笈摺堂、満願堂と廻って、打ち止めは17時。なんとか間に合った。17時20分に駐車場を出発、新幹線の岐阜羽島駅へ。和尚は、ここでお別れし、名古屋から近鉄特急で帰宅。満願おめでとうございます。合掌
華厳寺満願堂の三狸