2013年5月29日水曜日

土佐の国を中心に2泊3日の遍路旅

平成25年5月26~28日

延光寺句碑「おぼろ夜の赤亀にのる鐘ひとつ」
和尚から見ればお姉さん先達3人と2泊3日の遍路旅に出た。どうしても足摺方面が手薄になりがちなので、今回も40番から逆打ちで行けるところまで行こうということなった。枚方からの先達が、7時なら難波集合も大丈夫ということなので、旧歌舞伎座前から出発。長駆、40番観自在寺を目指してひた走る。宇和島の先までは、高速道路がつながっている。40番観自在寺は、マイカーなのでいつもと違って、門前の駐車場まで入ることができる。大師堂の周りのお砂踏みや平城天皇遺髪塚も参拝して39番延光寺へ向かう。指宿市指定の天然記念物「寺山のいぶき」も鑑賞、亀のご朱印をいただく者も。17時の閉門までには余裕で38番金剛福寺にたどり着き、ドライバーとしてはホッと一息というところだ。境内の変わりように驚くお姉さん先達を案内してお参りを済ませ、民宿西田へ。和尚は「取り敢えずビール」を部屋に持ち込み、大相撲のテレビ桟敷だ。夕餉はスペシャルの鰹のたたきやお刺身がメイン。地元の焼酎「龍馬」を瓶ごとお願いする。親父さんのご自慢の各派名僧の墨跡や西安青龍寺の墨跡が、お軸になってズラリと並ぶ部屋での語らいだ。時間の経つのを忘れる一時。
27日、6時過ぎに朝食を摂り、金剛福寺に朝参り。一番乗りと思ったが、先客も多い。本堂裏手の五智如来など、日頃お参りできないポイントを重点に廻る。個人的にお参りするありがたさだ。
足摺岬とお別れし37番岩本寺へ。ここに来れば、「此処や」にご挨拶に行かねばならない。手作りアイスの名店だ。ブルーベリーの新製品がでている。いつものパターンは、「生姜+何かお好み」という訳だ。生姜が高知の特産品であることを、お遍路で知った。
出来るだけ多くのお寺を廻る方針に立って、青龍寺と竹林寺はパスすることにした。難所の35番清滝寺へ。狭い山道を登るのだが、心配した通り下りの車とバッティング、バックで道を空けざるを得ない羽目に陥った。後続の車が先にバックし、誘導してくれる。和尚の車は、お遍路には大きすぎるのかとぼやきながら、ソロソロとバック。マイクロを3台やり過ごしてようやく境内に。日本語の流暢な外人遍路にカメラのシャッターを頼まれる。写真家とかで、いろいろと注文をつけてくるのにはまいった。山を下り昼食場所を探していると、手打ちうどんの幟が目に入った。しばらく待たされたが、讃岐風のコシのあるうどんで、大満足。34番種間寺へ、名物紫陽花ロードが色付き始めている。33番雪蹊寺は、臨済宗妙心寺派のお寺で長宗我部家の菩提寺。隣接する「秦神社」のご祭神も元親・信親親子だ。32番禅師峰寺の石段を登ると、不動明王が迎えてくれる。境内から見下ろす太平洋も見事だ。30番善楽寺もマイカーだと狭い参道から進入できる。先客の団体のお参りを待って、参拝。開創1200年記念のバッジをオリジナルで用意している。お姉さん方は、全員購入。土佐の苔寺と称される29番国分寺の本堂は目下改修中。お参りを終えてカーナビをチェックすると、28番大日寺に17時前に入れそうな表示。渋滞で到着がギリギリになりそうだったので、電話を入れて待っていただくことに。なんとか16時50分に納経所にたどり着き、納経を済ませてユックリお参り。打ち止めは、お姉さん方の「いろは歌」の合唱だ。これで、流れはスムースだ。お宿は「土佐ロイヤルホテル」。日本料理の「磯旅」に席を予約、「鯨カツ」「じゃっこ天」等数品を頼み、地元の焼酎と土佐鶴の熱燗で堪能。仕上げは、お茶漬けやおにぎり。露天風呂をゆっくりと楽しんで、熟睡。
種間寺子安観音堂
28日朝から雨模様、天気予報では梅雨入りとか。6時半に出発し、27番神峯寺へ。「神峯の霊水」用にペットボトルを用意。ツアー時とは逆に、大師堂からお参りする。本堂から石段を下り、霊水、納経所と無駄な動きがないのだ。山を下りて、国道沿いの「ドライイン27」を覗く。一番乗りでモーニングをお願いする。一人で切り盛りするおばさまが、自家製という枇杷を山盛サービスしてくださった。コーヒーやトーストの前に遠慮なくいただく、小ぶりだが大変甘く美味しい。その上、帰りにはプラムを昼食用にと包んでくれる。ありがたいことです。26番金剛頂寺では、第2世智光上人のご廟もお参り。歩き遍路で、ご主人と泊まりたいという先達の為に、パンフでもと思い本坊を訪ねる。奥様にお話すると、パンフはないがと「四国へんろ」(平幡良雄著)をくださった。25番津照寺の鐘楼門の鐘は撞いたことはない。この機会にと、4人で鐘を撞く。本堂に行くと、丁度大掃除の真最中。御蔭で、お前立本尊を久しぶりに拝むことができた。門前の「遍路の店」で名物どら焼きを求め、24番最御崎寺へ。ツアーだと、団体用の入口から入るのだが、今回は参道を通り山門から境内へ入る。いつもの逆で、新鮮な感じがする。ここまでで、予定は終了なのだが、できれば17番井戸寺もとのリクエスト。カーナビでは、なんとか間に合いそうなので、雨の中をひたすら走る。お昼のポイントは甲浦近くかと話をしていると、夫婦で歩きの時に泊まったという店を思い出したという。サーファー向けの民宿と食堂とのこと。皆で「鯖の塩焼き定食」を美味しくいただく。16時過ぎに井戸寺到着。「面影の井戸」で霊水も頂き、無事打ち止め。淡路SAで一休みして大阪へ。3日間で約1200km走破。お疲れ様でした。
和尚は、これで25回目結願です。合掌

       梅雨入りや 歩き遍路の 雨支度

       枇杷甘く 接待嬉し 遍路旅
金剛頂寺の大師像



四国2回 7~11番 生駒発

平成25年5月25日

十楽寺戦没者慰霊の不動明王
生駒集合8時20分でユックリ出発と思っていたが、愛犬に早く起こされやむなく起床。生駒に着いてコーヒーをいただきながら時間調整。お客様は35名、2回目とあって和尚も初対面の方ばかりと思っていたが、西国や四国で一緒だったという方も。土曜日とあってか阪神高速が大渋滞、淡路SAまで行くつもりが、京橋でトイレ休憩のやむなきの事態。その後は、1番霊山寺まで進みトイレ休憩と追加の買い物タイム。お弁当をいただきながら、11番藤井寺へ向かう。お念珠の使い方等お話しながらお参りを済ませ、10番切幡寺へ。800m程なだらかに登り、333段の石段が待っている。タクシーのオプションの希望者は、7名のみ。元気で歩く方が圧倒的だ。和尚は、いつもの通り、大塔まで案内する。梅雨入り近しというが天気も良くて、吉野川も絶景だ。9番法輪寺前の「あわじ庵」の草餅が売り切れそうと判断して、バスの中で希望者を確認して予約を入れておいたのだが、やはり足らなかった。ごめんなさい。今後は、多めに頼んで、余れば引き取って添乗員でいただくことにするべきか。8番熊谷寺は、相変わらず素敵なお寺だ。ご詠歌を聞きながら参道を歩くと、なんとなくホッとする。7番十楽寺に16時半過ぎに着いたので、「運心」を説明し火の気は自粛していただく。「治眼疾目救歳地蔵」に「め」と年の数ほど書いた納札を納める方も多い。事前に話しておいたのだ。「役者顔の美男子のお大師様が待っています」とも告げていたのだが、大師堂に電気が点いていなくて全く拝めず、がっかりだ。愛染堂にも案内すると言っていたのだが、17時で施錠されてしまった。打ち止めは17時15分。淡路HWOで休憩して一気に生駒へ。20時15分到着、お疲れ様でした。6月29日に生駒から第3回に添乗する予定と云うと、何人かが予約済みとのこと。また来月頑張りましょう。合掌

   梅雨入りの 前にお四国 寺参り

2013年5月22日水曜日

戌年同行の会・覚王山日泰寺参拝

平成25年5月21日

日泰寺山門
今日21日は、全国的に弘法市で賑わう日。恒例の戌年同行の会のお参りを、日泰寺とし、弘法市の立つ21日と決めた。この会は、堺から戌年にお四国を回った人々を中心とするいわば同窓会で、平成27年の慈尊院のご開帳まではと、頑張っているのだ。
朝8時、総勢32名で名古屋へ向かう。目的の覚王山日泰寺は、タイ国王から贈られた真正仏舎利をお祀りする寺で、仏教界挙げてお守りする唯一のお寺だ。明治時代の招致合戦で名古屋に決まったのだが、お寺の周辺に四国霊場が徐々に作られ、弘法市が立つようになったものだ。和尚は、今回で3度目のお参りだが、弘法市の立つ日は初めてだ。インターネットで、札所の写真などをファイルして持参した。地下鉄覚王山駅から山門までは、屋台が立ち並び車は通行禁止。東門近くにバスを停め、境内に。多くの参拝客で溢れている。本堂は、超宗派とあって荘厳も無く、中央にタイ国から贈られた金銅のご本尊が安置されているだけの広々とした空間だ。正面は、人の列が続くので、左に寄ってご法楽。本堂前で記念写真を撮った後は、自由参拝。和尚は、お四国のお堂を廻る。この日に合わせて、ご開扉されているお堂がほとんどで、順にお参りされている方も沢山いる。独特の風景だ。
覚王山八十八ヶ所
昼食は、名古屋港の東山ガーデン。南極観測船「ふじ」が係留され、見学できるようになっている。かの南極犬「タロー」「ジロー」の銅像もあり、水族館もあって、港の一大公園というところか。遅めの昼食を摂って。「なばなの里」へ。今の見所は「ベゴニアガーデン」と「バラ園」。初めての見学だが、美しさとボリュウムに圧倒されてしまった。帰路も快調で、19時堺帰着。お疲れ様でした。合掌

 日泰寺にて  五月風 弘法市や 日泰寺

西国5回 12~15回 難波発

平成25年5月20日

園城寺(三井寺)観音堂
梅田経由難波発の最もメインのコースだが、和尚にとっては久しぶりの難波発だ。このところ奈良方面からの添乗が多い。お客様は39名、行程的に近いので、スタートも8時50分とユックリめ。先ずは12番岩間山正法寺、通称岩間寺。雷除けの観音様で知られるが、俳句に目覚めた和尚にとっては、とんでもないお寺。俳聖芭蕉が参籠して、新境地を開いたと伝えられ、「古池や蛙飛び込む水の音」の池は、本堂と不動堂の間の池というのだ。そんなことを説明しながら、ワイワイとお参り。13番石山寺は、紫式部が源氏物語の構想を練った寺であり、和尚が所属する東寺真言宗の大本山でもある。時間を多めに取って、昼食の時間まで散策していただく。お昼は門前の「洗心寮」、琵琶湖畔とあって「蜆づくし」だ。14番園城寺は、弘法大師の甥・智証大師円珍中興の名刹、通称「三井寺」で知られる。詩吟を学生時代から嗜む和尚としては、大江敬香の「近江八景」の一節が浮かんで来るというものだ。「堅田の落雁」「比良の雪」「矢走の渡」「粟津の洲」「唐崎松間の雨」「石山堂外の秋」「三井の晩鐘」「瀬田の夕べ」と詠われる内の二箇所を楽しめる訳だ。園城寺の観音堂に先ず登り、本堂に上がり込んでお参り。元気な方を案内して山内を巡る。塔頭の「微妙寺」を訪れると、わざわざ厨子を開けて重文の「十一面観音」を拝ませて下さった。お客様は「日頃の行いが良いせい」と自画自賛。金堂も内拝し、諸仏を解説する。「三井の晩鐘」は一突き300円。釈迦堂から山門を抜けて駐車場へ。丁度そこへ、加古川組が到着した。和尚のルートとは逆に、山門から巡って観音堂へ行くという。打ち止めの15番今熊野観音寺の前に、「井筒八つ橋本舗追分店」に立ち寄り京菓子の試食大会だ。和尚はコーヒ-タイム。今熊野は、今は泉涌寺の塔頭だが応仁の乱以前は、こちらの方が大きかったようだ。後白河法皇の頭痛治しで知られる。ここでも本堂に上がりお勤め、お寺の由緒など法話を聞いて打ち止め。16時前だ。「こんな日もあって良いですね」とは添乗員の声。本堂前の「五智水」を汲む方も。和尚は、お大師さまにご挨拶して失礼した。合掌

 今熊野にて  新緑や 五智水旨し 今熊野


2013年5月15日水曜日

四国5回 24~31番 高槻発

平成25年5月13~14日

竹林寺五重塔
四條畷から枚方を経由してJR高槻という今年1月からの新コース。和尚は、数年ぶりに高槻から添乗することに。お客様は42名と満員状態。顔なじみのお客様はいないものと思っていたが、枚方乗車のお客様にお馴染みの方がいらした。往復800kmという長丁場、お昼は吉野川HWO。土佐の国の第一歩は、29番国分寺から「土佐の苔寺」とも言われる美しい佇まいなのだが、目下本堂は改修工事中だ。来年の開創1200年に間に合わせようというのだろう。大師堂の左に「酒断地蔵尊」が祀られているのだが、禁酒しようという方はいないようだ。30番善楽寺に向かうと駐車場に先着バスが2台、本堂と大師堂でお参り中だ。終わるのを待って、本堂からお参りする。31番竹林寺は、土佐を代表する札所、何しろ「よさこい節」の簪を買ったお坊さんは塔頭の妙高寺の「純信」さんと伝わっている。今は牧野富太郎記念の植物園となっている。境内の新録と五重塔はまるで絵葉書だ。28番大日寺には16時半過ぎに到着。お客様には「運心」で、火の気は自粛していただく。大日如来がご本尊なのだが、金剛界の大日如来なので、ご真言も「金剛界の「おん ばざらだと ばん」でとこだわっている。納経所から少し登ったところに奥の院「爪彫り薬師」がある。弘法大師が楠の立木に爪で薬師如来を彫られたというのだが、明治の台風で倒れ、跡地に霊木を祀っているのだ。霊水も湧き出ており、喉を潤した。お宿は、土佐ロイヤルホテル、お参りのコースの中程に位置し、無駄な動きをしなくても良いので、ありがたい。お陰で、翌朝の出発は8時。ゆったりとした露天風呂を夜、朝と楽しませてもらった。
津照寺の本堂への石段
2日目は、27番神峯寺から。安田タクシーに分乗して山を登る。バスが集中してピストン運転の大騒ぎだ。駐車場から山門までの間に水谷繁治・しず夫妻の「報恩の碑」あがある。昨日から「神峯の霊水」のためにペットボトルを用意するように伝えておいた。和尚もお加持水として確保。26番金剛頂寺の本堂は、お薬師さんの眷属が揃い、模範的な構成となっている。脇侍の日光菩薩女性論を披露し、ミニ法話。駐車場の「はらみたや」のアイスクリンが馬鹿売れ、行列だ。和尚は、網代笠のカバーを発注。山道を登ってくるバスが3台あるというので、それを待つ間にお弁当をいただく。27番津照寺の石段に息が上がる。門前のどら焼きや枇杷に人気。打ち止めは24番最御崎寺。本尊虚空蔵菩薩のご真言は、お客様は苦手の一つ。少し練習してからお勤め。大師堂の左手に眼病平癒の「一畑薬師」が勧請されていて、皆さんお参りだ。打ち止めは13時半頃。御蔵洞に立ち寄り、洞窟の中から外を眺め「空海」の名前の由来に感じ入る。3ヶ所程で休憩を取り、高槻到着は19時半過ぎ。渋滞もなくスムースな帰路だった。合掌

 大日寺にて  五月晴れ 爪彫り薬師 土佐の寺

 竹林寺にて  新緑が 額縁となる 五重塔

 御蔵洞にて  五月風 空と海のみ 御蔵洞

2013年5月3日金曜日

西国2回 2~4番 桜井発

平成25年5月1日

御開帳の施福寺本堂
4月からの新コースで桔梗が丘~名張~榛原~桜井と回る。和尚は桜井から8時5分集合で添乗。お客様は34名。「歩け歩けの一日ですよ」と伝えて4番施福寺へ。進入路が整備されたか、狭い町内を避けて走る。初めからリタイア宣言の方もいたが、ほぼ全員が山登り。たどり着いて見ると、なんと今日から15日までが御開帳という。すっかり忘れていた。お客様は大喜び、本堂前で読経の後、本堂に。正面に堂々たるご本尊弥勒菩薩、向かって右に文殊菩薩、左に十一面千手観音菩薩の三尊形式。観音様が西国札所のご本尊だ。左に回ると、弘法大師、伝教大師、不動明王などをお祀りする祭壇があり、裏手に回ると馬頭観音菩薩とその横に大きな方違い観音菩薩。久しぶりにゆっくりと堪能させていただいた。
昼食は、和歌山マリーナシテイの黒潮市場。観光スポットとあって、沢山の家族連れで賑わっている。腹ごしらえができたところで、2番紀三井寺の231段の石段が待っている。まっすぐに伸びる石段は、威圧感さえ感じる。境内は左奥が本堂、右が観音堂となっている。勤行後、観音堂に案内する。拝観料は200円(70歳以上は100円)、13mの金箔を貼った千手十一面観音立像。お顔の長さだけでも2mはある。松本明慶作の大仏だ。奥の階段を上ると外回廊に出る。丁度、お顔の高さに当たり、三方の丸窓からお顔を拝観できる仕掛けとなっている。また、そこから眺める和歌の浦の景色も素晴らしい。お客様は、大満足だ。
1時間ほど走ると3番粉河寺、大門をくぐり不動堂横の案内板で全景を把握して貰う。中門で四天王の説明、くぐってすぐ左にある若山牧水の歌碑の表現についても解説。桃山時代の名勝「粉河庭園」を左に、右に「丈六堂」を見ながら本堂へ。お勤めの後は、自由に散策して頂いたが、本堂の内拝をされる方も数名。(拝観料400円)打ち止めは16時半。桜井には18時前に到着。名張方面まで帰る方はお疲れ様です。合掌

施福寺にて   皐月風 登りつめたる ご開帳

紀三井寺にて  皐月風 吹き清めるや 和歌の浦 

粉河寺中門

小豆島から讃岐路へ

平成25年4月29~30日

洞雲山毘沙門天
連休を利用して、小豆島八十八ヶ所で打ち残している3番奥の院隼山を打って、讃岐路へ抜けることを考えた。讃岐への目的は、千手院大阪分院用の経本台を受け取りに行くことだ。高速道路の渋滞を避け往路は深夜フェリーを利用することに。午前1時神戸出港、7時坂手港着。3番観音寺から2kmの山道を登るというガイドブックに従って行くが、コンクリート舗装された道は、車幅一杯。軽自動車なら楽勝だろうが、こちらはプリウスα、脱輪しないようにソロソロ走る。基本的に右は岩壁、左は谷だ。しばらく走ると、岩壁が出っ張り左は尖った岩というポイントに。少し無理だと感じたが、バックで戻れる自信もない。かえって危険と前進する。予想通り、右は後方のドアが凹み、左はドアの下に引っかき傷がついた。身の安全が第一、やむを得ない自損事故だ。
隼山は、山の急斜面に建つため幅は狭いが奥行のある境内。今は無人だが、かっては宿坊も営んでいたと思われる施設もある。本堂は一番奥に岩壁を背に建っている。扉に鍵は掛かってなく、中に入ってお参りする。ご本尊は聖観音。少し進むと、1番洞雲山だ。典型的な山岳霊場で、「夏至観音」で名高い。6月初旬から7月中旬の15時、晴天であれば日光の加減で岩壁に観音様の影が現れるのだ。その時期には、待ち受ける人もいるのだろうが今は無人だ。奥へ進むと、岩壁に沿って作られた登廊がある。洞窟の中に八角堂があり、本尊毘沙門天が祀られていた。やっと県道に出て、右に少し登ると2番碁石山、大きな修行大師像が見えてくる。足元に弥勒堂があり、弥勒菩薩と弘法大師を祀る。石段を奥に登りさらに下ると、本堂。中は広い洞窟で「鳳凰窟」と看板が掛かっている。浪切不動を本尊とする護摩堂でもある。前回お参りした時に、護摩を焚いていただいたのを思い出した。本堂を出て左の岩壁に鎖が懸かっている。それを登ると山上に1mほどの石の不動明王が安置されている。眼下に内海湾が一望できる素晴らしいポイントだ。まるでお不動さんと一緒に下界を眺めている感じだ。
碁石山頂きの不動尊
「二十四の瞳映画村」「マルキン醤油記念館」を覗いて草壁港へ。フェリー乗り場に人だかりがしている。何かと思って近づくと、うどん屋さんの順番待ちだ。「手打ちうどん 三太郎」で、30分ほど待って中へ入ると30人ほどで満員のお店。「釜たま」と「かやくご飯」を注文、さすがのお味だった。13時半のフェリーで高松まで1時間、出迎えてくれた友人とホテルでコーヒータイム。夕刻善通寺グランドホテルに入り、先ずは入浴。幼馴染の娘夫婦が24日に開店したという「旬味和彩・藤の」へお祝いの清水焼きの花瓶を抱えて参上する。久しぶりに酒席をゆったりと楽しみ、会話が弾んだ一時だった。
30日は雨の朝。善通寺南門前の「コトブキ」(同級生経営)でモーニングコーヒー。71番弥谷寺へ。雨中のお参りで足元が難儀する。ついでに74番甲山寺を詣る。77番道隆寺門前の「サンエイ」で特注の作務衣を受け取る。先達仲間に頼まれていたものだ。お昼は道隆寺指定店「手打ちうどん寿美屋」、「肉うどん」「おでん」「ちらし寿司」の讃岐うどん3点セットを楽しむ。
さぬき市の「優和木装」に立ち寄り、経本台を積み込み帰路へ。3時間ほどで、分院到着。本堂に経本台をセット、強行軍の日程を終えた。合掌

小豆島にて  不動護摩 焔に祈る 島の春

       山不動 共に見下ろす 春の瀬戸

       洞窟の 佛に祈る 島遍路