2012年11月29日木曜日

第6回 近畿三十六不動尊巡り  京都

平成24年11月28日

三千院のお庭
大和・伊賀巡礼の会の第6回目の不動尊巡り。今回は大原の里・三千院、曼殊院、聖護院と回るコース。8時40分、和尚の自宅近くのバス停で拾ってもらい西名阪~近畿道~第2京阪で京都へ。
お客様は24名、中型バスで程よい人数だ。17日の下見の時は雨模様だったが、今日は快晴。紅葉も見頃とは、TVの報道だ。三千院の駐車場にも多くのバスが集結している。呂川に沿って並ぶお店を横目に坂道を登る。書院からお庭を拝見して、阿弥陀堂から金色不動堂へ向う。28日は不動尊の縁日とあって、護摩供養が11時から勤修されている。丁度、終わり頃にたどり着き、護摩講の方と入れ替わるように入堂しお勤め。沢山の観光客が来ているが、ちゃんとお勤めしているのは、我々だけだ。曼殊院は、参道が狭くてバスは入れないので、白川通りから20分ほど歩く。紅葉の鷺森神社を抜けて行く。曼殊院に入ると、雰囲気が違う。11月26日から12月3日まで特別拝観というのだ。下見の時には、そんな予告もなかったのにと思っていたら、なんと12月3日の午後に天皇皇后両陛下の行幸があるというのだ。そのため両陛下にご覧いただくべく、特別展示になっているという。ありがたいことに、国宝の「黄不動尊」軸を間近で拝観し、お勤めすることができた。いつもは複製なのだ。和尚は勿論、予想外のことで皆んなびっくりするやら大喜びするやらだ。聖護院は二階の本堂で、お勤め。先客は3~4名ほど。時計を見ると16時、醍醐寺は16時半までで無理、成田山大阪別院は17時までというので、トライしてみる。第2京阪寝屋川北ICで17時前、電話でお願いすると待っていてくれると言う。15分ほどで到着、本堂でのお参りはできないと聞いていたが、ありがたいことに後片付け中の係の方が、本堂に入れてくださった。なんと幸運に恵まれた一日だった。合掌

 三千院にて  紅葉や 不動も愛でる 三千院

        お不動の 火焔に似たり 寺紅葉
         
        紅葉の 落ちて呂川に 流るかな
     
          
        大原の 不動訪ねて 踏む落ち葉

 曼殊院にて  掌を合わす 不動参りや 京の冬

2012年11月28日水曜日

読売奈良 逆打ち12回 11番~1番

平成24年11月25~26日

藤井寺の紅葉
伊賀上野から近鉄線に沿って集客してくるコース。バスは2台。和尚は橿原神宮前から合流、お客様は36名。8時半に出発、南阪奈道から阪神高速を通るが、3連休の最終日とあって流れは良く、淡路島の室津PAまで一気に走る。11番藤井寺では30畳敷の天井の大龍に感嘆の声。10番切幡寺は、タクシー組と歩き組に別れるが、歩きの方が多い。頑張って「切幡の大塔」(重文)まで登って、眼下の吉野川を望む絶景を楽しんでもらう。9番法輪寺の門前「あわじ庵」に電話を入れ、草餅の予約。これが大正解で、危ういところだった。8番熊谷寺は、駐車場から本堂までの参道が素晴しい。四季を問わないが、紅葉のこの時期も絵になる風情だ。7番十楽寺では、本堂~治眼疾目救歳地蔵~大師堂~護摩堂とお参りする。「救済」ではなく「救歳」としているのは、「歳」に関係なく救うという意味とか。お大師さまは、役者顔の美男子だ。6番安楽寺に到着したが、時間に余裕があるので本堂、大師堂とお参りして宿坊入り。18時から夕食、19時から本堂で勤行。松本明慶の美術館といっても過言でないほど、50体の仏様が集中しているし、20代から60代までの各年代の作品が揃っている。本堂奥に新たに「灌頂窟」が設けられ、灯燭を流れに浮かべ、「くす供養」を行う。圧巻は一丈の阿弥陀仏をお念仏を唱えながら3周する感動的なひと時。2年前の参籠にはなかったので、和尚もびっくりだ。26日、7時半の出発前に仁王門を案内する。明慶らしい、微笑ましい感じがする仁王様なのだ。5番地蔵寺、樹齢800年の大銀杏の幹に触れ、霊気をいただく。お参りのあとに奥の院「五百羅漢」を拝観。コの字型のお堂は、左翼に弥勒菩薩、中央が釈迦三尊、右翼に弘法大師が祀られ、それらの間に等身大の羅漢様が居並ぶ。4番大日寺では、大日如来の御姿やその意味について解説することにしている。また本堂から大師堂にいたる回廊には西国三十三観音が祀られている。江戸時代に浪速の信者さんの寄進によるもの。3番金泉寺の大師堂には、弘法大師一代記を表す絵が掲げられている。それを説明し、「黄金井」「閻魔堂」とお参り。2番極楽寺の本堂と大師堂の間に鎮座する石の地蔵様は、「抱き地蔵」。一人づつ順に抱き上げ、御真言を唱えご祈願。大師お手植え、樹齢1200年超の「長命杉」の霊気をいただく。いよいよ結願の1番霊山寺。記念写真を撮る。丁度正午頃に打ち止め。「阿波の里」で昼食、帰路車中で「いろは歌」の解説し、CDを流す。帰りも湾岸線から堺まわりで神宮前に17時前着。25日か快晴、26日は一転雨模様。予想よりは、雨も少なく皆様の日頃のご精進のお陰。合掌

  十楽寺にて  照る夕日 秋桜畑 寺の前

  地蔵寺にて  我が友に 似たる羅漢や 阿波の冬

2012年11月15日木曜日

秀寛和尚と巡るお四国遍路の旅 第8回讃岐

平成24年11月11日~14日
三角寺の秋の桜

和尚恒例の一国巡りも8回目、つまり2周目の結願・讃岐を巡る。前回、伊予の国の打ち残しが6ヶ寺あるので、都合29ヶ寺のお参りだ。11日、和尚を加えて12名、難波に20時30分集合、南港に向う。オレンジフェリーで、南港発22時、東予港へ。船室は1等で、4人部屋だ。一室に集まって、一杯やりながらの顔合わせと映画「空海」のDVDを鑑賞。この夜の為に天麩羅を揚げて持参するもの、お酒や焼酎やお菓子だとみんな持ち寄っての一時だ。
12日早朝、船内で朝食を摂り、6時過ぎ上陸、60番横峯寺へ。麓から山頂まで、マイクロに乗り換えて登っていく。駐車場は、境内より高台にあるので、行きは楽だが、帰路は結構な上りとなる。61番香園寺、62番宝寿寺、63番吉祥寺、64番前神寺と順調に廻り、65番三角寺へ、。ここも途中でマイクロに乗り換えて山を登る。阪急トラピックスのバスが2台、先着していた。馴染みの先達仲間に声を掛ける。境内には、皇帝ダリアが花を付け、なんと桜が咲いている。春と秋と年2回咲くという珍しい桜とか。66番雲辺寺からが、讃岐のお寺だ。ロープウエイからスキー場が見える。営業は12月中旬からとか。そうなると、お遍路さんとスキー客とが同乗するという面白い光景になる。お参り後、毘沙門天堂に案内する。先日初めて訪れて気に入ったからだ。67番大興寺と回って打ち止めは、観音寺。68番神恵院・69番観音寺は、同じ境内に二つの札所が同居している。駐車場への進入路を工事していたが、ほぼ完成状態だ。ちょうど17時に打ち止めし、お宿の75番善通寺いろは会館入り。地元善通寺一高の同級生が訪ねてくれた。みかんと柚の差し入れ。温泉に浸かって疲れを癒す。
13日、5時過ぎ起床、6時から御影堂でお朝事に全員参加、真言僧は、内陣にと案内され、勤行次第の説明を受ける。樫原法主のご加持、法話の後、お勤め。三国伝来の錫杖でお加持を受け、お大師様に焼香。少し足に応えて、ズッこけそうになった。戒壇巡りしてから朝食と云われ、客僧が3名先頭を切ったところ、なんと電気が赤々とついている。いつもなら真っ暗な中を手探りで歩むのだが、御蔭で、壁面に描かれた菩薩像の数々を鑑賞することが出来た。役僧に電気が点いていたよと囁くと慌ててスイッチを切った。後でメンバーに聞くと先頭が入る前に暗くなったというから、なんとか間に合ったようだ。朝食後の記念撮影に樫原法主が入ってくださり、握手をしてくださったものだから、皆大喜びだ。金堂をお参りしてから70番本山寺へ。71番弥谷寺も途中までタクシー利用、しかしそこから本堂まで300段以上の階段が待っている。山門前の俳句茶屋に電話を入れて「草餅」を、人数分頼んでおく。和尚は帰路は、タクシーに乗らず、俳句茶屋に寄って草餅を引き取り、皆にご接待。73番出釈迦寺、72番曼荼羅寺、74番甲山寺と廻りようやく昼食。第4回の時と同じくさぬきうどんの「香の香」、釜揚げうどんにちらし寿司の定番。お替り自由とあってほとんどがお替りだ。3杯平らげた豪の者も約1名。やはり釜揚げが一番だ。76番金倉寺から77番道隆寺に着くと、急に大粒の雨に雷、面前の「サンエイ」で一服させてもらう。78番郷照寺、79番天皇寺、80番国分寺は、雨模様。逆打ち記念で讃岐の札所が光明真言の散華を配布しているのだが、その台紙と額縁を国分寺で買い求める。(2500円)和尚につられて何人かが同調。17時打ち止め、お宿はロイヤルホテル高松。夕食のバイキングを楽しんでいると、さぬき市の櫻谷先達と東京からの歩き遍路が来訪、久しぶりの顔合わせだ。夜は「九字切り」の講義。いささか飲みすぎた感あり。
根香寺の牛鬼と紅葉
14日朝食もバイキング、8時出発。82番根香寺、81番白峯寺と五色台の2ヶ寺から打ち始め。紅葉が素晴らしい。83番一宮寺、84番屋島寺と打ってお弁当をいただきながら85番八栗寺へ。ケーブルが出たところで次まで15分ある。駅の係に聞くと、よもぎ餅のお店まで約100m、充分間に合いますというので、駆けつけた。先達仲間のおすすめの店で、事前に頼むと用意しておいてくれると聞いていたのだ。目の前で人数分作ってくれ、今度はケーブルに乗る前に電話をという。名刺を貰って戻ったが、充分間に合った。上りのケーブルでは、「いろは歌」の合唱だ。86番志度寺、87番長尾寺と回って時計を見ると、少し余裕があるので、「お遍路交流サロン」に案内した。打ち止めの88番大窪寺、納経所で住職にご挨拶、結願の証をお願いする。今回で新たに結願が4名、門前の飛猿閣で熱い昆布茶とストーブで体を温める。打ち止めは、16時半。車中で映画「釈迦」のDVDを鑑賞しながら帰路に。淡路HWOで休憩、思ったよりスムースに走れ、難波着20時。「釈迦」の残りは次回ということになった。合掌

 三角寺にて  神無月に 桜の咲くか 三角寺

 根香寺にて  紅の 落ち葉踏みしめ 寺まいり

         根香寺や 滑る石段 濡れ落ち葉

 


2012年11月9日金曜日

小豆島遍路(後半)

平成24年11月3~4日
3月9~11日の2泊3日で小豆島八十八ヶ所を回ったが、打ち残した札所を今回廻ることになった。2日間で、島の西半分37札所を回ることから、新大阪を早朝6時半に出発となり、前泊のホテルの手配はしたものの、結局当日その時間に集合できる方のみのメンバーとなってしまった。和尚は、新大阪駅に隣接して新たに建築された「レム新大阪」いう阪急系のホテルに泊まることにした。たまたま和尚が阪急・阪神・第一ホテルグループのメンバーズクラブの会員であるところから、案内が届きオープン記念価格で宿泊できる上に、溜まったポイントも使えるというのだ。「快適な眠り」がテーマのホテルだ。
今回の参加者は和尚を含めて10名、費用が割高になる恐れで中止することも考えたが、「ハロートラベル大阪」が、中型バスに変えて14人乗りの車を確保してくれた御蔭で、ご案内の料金より安く、3万を割る料金設定が可能になった。(ハロートラベル大阪にも無理をお願いしました)日生港発9時30分のフェリーに乗らなければならないので、途中の渋滞にハラハラしたが無事乗船できた。車中ではご詠歌の練習、「楊柳」と「龍華」の洋楽譜を用意しておいた。船内で早めの昼食を済ませ、着岸すれば直ちにお参りに入る態勢だ。大部港で、島遍路の岩見先達と合流、助手席に乗ってもらい道案内をしてもらう。ドライバーさんも小豆島の出身ということだが、島も相当変わっている様子だ。
79番薬師庵から打ち始め、逆打ち的に57番浄願坊までの16ヶ所を廻った。和尚は風邪気味で、喉に変調をきたしたが、初日は経頭をやり続けた。先達が二人も付いているので、二日目は二人に委ねる魂胆だ。お宿は、春にもお世話になった「旭屋旅館」。ゆっくり食事を楽しみ、お風呂に入ってバタンキューだった。
誓願の塔
4日は、霊場会の総本院よりスタート、2~3人が納経帖を買い求めていた。58番西光寺をお参りし、奥の院の誓願の塔に登ると、眼下に絶景が広がっていた。岩見先達の「30分ほど遅れ気味ですよ」の声で少しピッチをあげる。大阪城残石記念公園にも立ち寄り、昼食はホテルオリビアン小豆島。レストランからの景色も素晴らしい。海鮮丼の食事もボリュウムたっぷりで大満足。食後のコーヒーをお願いしようとすると、フリードリンクで一人300円という。和尚がご接待することに。
いよいよ本日のメインイベント、72番滝湖寺奥の院笠ヶ滝だ。岩肌に設けられた鎖にすがってよじ登って行く。ご高齢の二人は、納札を託して待機。お不動さんにお参りし、下りがさらに大変だった。鎖にすがり、後ろ向きに足場を探しながら降りてくるのだ。ホット一息ついて、寒霞渓へ。野猿や野鹿を見つけ、歓声が上がる。1300万年前の火山活動で誕生した奇岩怪石の渓谷で日本三大渓谷美の一つとか。頂上から見る紅葉は息を呑む。ロープウエイ山頂駅の売店で小豆島の名産を買い込み、夕食のお弁当を積み込んで、打ち止めは80番観音寺。大部港の近くにあるので、時間調整を兼ねてゆっくりお参りをという訳だ。しかも、「うどん」のご接待で有名なお寺。由来では、何度も火災にあったが、その度にお遍路のお力で復興できたので、お礼の気持ちを込めて「うどん」のご接待を始めたとか。数を間違えたのか多く出てきたが、残すわけにも行かず和尚は二人前いただいた。打ち止めに皆でご詠歌を合唱。
大部港発17時10分、1時間ほどで日生港へ。打ち上げと称して一杯やっているとアッと云う間だ。
帰路は渋滞もなくスムースに大阪駅に到着。お疲れ様でした。次回からは、無人の庵やお堂は省略して、お寺と山岳霊場を回ろうと思う。合掌

  小豆島にて  小春日や 海和やかに 小豆島

        島遍路 釣瓶落としの 影を踏み