2014年12月24日水曜日

信貴山 千手院 大阪分院 歳末托鉢行

平成26年12月24日
矢田駅前商店街での托鉢行

年末恒例の托鉢行。当初の予定は護摩の日である20日であったが、あいにくの雨のため本日に延期したのだ。廻るのは近鉄大阪線矢田駅前商店街、個人商店が集まっているアットホームな商店街だ。和尚も3年目となる托鉢、法螺の音を響かせ、いつものように一軒づつ「信貴山の托鉢です。お経を上げても良いですか。」と声を掛けて廻る。快く受け入れてくれるお店は10軒ほど、般若心経、毘沙門天の御真言を唱える。新しいお札をお礼にお渡しすると昨年お渡ししたお札を返して下さる。毎年、お待ちいただいているお店なのだ、小さい商店街なので、1時間半ほどで廻り終える。通りすがりに、ご寄付してくださる車椅子の老婦人も。集まった浄財は11100円、分院から1万円加えて平野区の社会福祉協議会にお届けする。20年近く続いている分院の行事、今年も仲間3人の協力を得て、無事終わることができました。合掌

2014年12月21日日曜日

西国5回 12~15番 生駒発

平成26年12月19日

三井の晩鐘
滋賀県から京都に廻るコースのため、通常とは反対に生駒~西大寺~JR奈良と廻る。生駒発7時30分のお客様は3名、西大寺、JR奈良で40名となり8時30分出発。12番岩間山正法寺に向かう。通称は岩間寺だ。ボケ封じ4番札所でもあるし雷封じで名高い。岩間山を上っていくと残雪が目につくようになる。駐車場からは本堂へは下り道、所々凍結している。滑らないよう声を掛けながらソロソロと歩む。本堂と不動堂の間の池は、芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」の古池である。お勤めをしていると、京都組、続いて大阪組が到着、今日は3台でているのだ。山を下り13番石山寺へ向かう。和尚の所属する東寺真言宗の大本山で、平安時代の女流作家達の物語に必ず登場する名刹である。国宝の本堂から多宝塔などを案内し、大黒堂まで下る。昼食は門前にて頂き、14番三井寺へ。三井寺は通称で、園城寺が正式名称。まずは、西国の本尊を祀る観音堂へ上る。納経所に声を掛け、本堂に上がらせて貰ってのお勤め、椅子席でストーブの火が燃えている。お勤めの後は、金堂に向かう。金堂に上がって、ご本尊弥勒菩薩を前に弥勒様と弘法大師の関係などお話する。裏手に廻ると様々な仏様が並んでいる。そのお姿について解説しながら廻る。金堂の前に、近江八景で名高い「三井の晩鐘」がある。重文の為か一突き300円、その音は荘重でおごそかだ。打ち止めの15番今熊野観音寺の前に「井筒八つ橋」に立ち寄り。店頭に「日本そろばん発祥の地」「大津絵発祥の地」の二つの石碑が建っている。追分と云われるかっての交通の要衝なのだ。
今熊野観音寺は御寺泉涌寺の塔頭の一つである。後白河法皇の頭痛平癒の寺として「枕カバーのお守り」が人気。なんと15時打ち止め。奈良から近いコースのお陰だ。最終の生駒でも17時過ぎには到着できた。合掌

 三井寺にて  師走風 湖畔に届く 三井の鐘

2014年12月18日木曜日

西国12回 32~33番 なんば発

平成26年12月17日
雪景色の華厳寺参道

全国的に低気圧が猛威をふるうと云う天気予報の中での、満願のお参り。さすがに数名のキャンセルがでたが、総勢41名のお客様と8時27分なんばを出発、32番観音正寺に向かう。佐々木六角氏の居城の跡で、自然石を積み重ねた石段は、約1200段。勿論タクシーのオプションもあってその希望者は28名で、料金は往復1310円。従って歩き組は13名、表参道は約1500m、標高430mで30~40分の行程となる。タクシー組は、我々を麓で下し、東に迂回して五個荘のタクシー乗り場へ。しかもピストン運転の上、山頂近くの駐車場から10~15分(500m)なだらかな山道を歩くことになる。タクシー組の最後と歩き組がほぼ同時に到着と云うペースだ。歩き組は、健脚の10人とのんびり屋の女性3人だ。下りの際の間違えやすい分岐点で、全員に周知して健脚組を追いかける。本堂で、全員揃うのを待って、ご本尊十一面千手観音を彫った「松本明慶」の説明や錀の叩き方を説明してお勤め。
強風の中、下山し「石寺楽市 」でバスの迎えを待つ。いつもながら30分以上は待たされる。この石寺楽市が開いていなければ震え上がるところだった。間もなく春まで閉鎖するという。12時15分迎えのバスに合流し、33番華厳寺に。ドライバーさんは、関ヶ原付近の雪も想定されていたようだったが、無事通過。しかし、岐阜に入ると次第に雪景色に。華厳寺に近づくころには、吹雪状態。除雪された参道を1km弱歩いて本堂に。本堂(現在世)笈摺堂(未来世)満願堂(過去世)の三堂を廻るのだが、満願堂は雪の中、除雪された1m程の巾しかない。列をなし線香・蝋燭の御供養、そして勤行。無事満願だ。1時間ほどかかって14時40分頃打ち止め。「満願の證」(2000円)を求める方も5~6人いる。15時20分出発し、10分ほどの「谷汲あられの里」でお買いもの。帰路は草津PAまでは順調、名神が事故渋滞とあって、第2京阪を走る。最初の下車地梅田界隈は、19時までに到着しないと、スキーバス優先で進入できないという。ドライバーさんの頑張りで、18時52分西梅田ガード下到着。駅前第4ビル前の特設宝くじ売り場に長い行列ができている。締め切り前の最後の「大安」ということか。イルミネーションで飾られた御堂筋を走り、なんば着19時15分。今年のイルミネーションは、淀屋橋から千日前まで距離が延びたが、その分豪華さに欠けるとはドライバーさんの感想。確かに車道側は紫1色、歩道側は黄色か白色の1色で単調と云える。合掌

    一筋の 道のみ黒く 銀世界

    吹雪たる 満願の道 谷汲山

2014年12月11日木曜日

四国6回 31~37番  生駒発

平成26年12月9~10日

青龍寺本坊付近
JR奈良~西大寺~生駒と集客するコースだが、総勢39名の内20数名が生駒からの乗車である。高知の中央部から西部の7ヶ寺を巡拝するコースで、阪急からは宝塚、枚方、奈良と3台出ている。
禅師峰寺十一面観音立像
まずは、最も西の37番岩本寺から。基本は逆打ちだ。阪神高速が少し渋滞したが、室津、吉野川SAと休憩して、順調に14時頃岩本寺に着くことができた。(お昼がお弁当だったことも幸いしたかも)岩本寺は、御本尊が5体(不動明王、観音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩)という稀有なお寺。本堂の天井格子は全国から公募した575枚の様々な絵で埋め尽くされている。花鳥風月、人物から曼荼羅と何でもありなのだが、人気は「マリリンモンロー」だ。事前にお話をしておくと、皆さんその絵を探すのだ。また、駐車場横の「此処や」の手造りアイスクリームが評判で、お薦めは「生姜味」と何かとのトッピングだ。初めて出会った生姜味のアイスに、女性軍は美味しいと喜んでいただいた。36番清滝寺は山の上のお寺、麓のマルナカスーパーの駐車場でマイクロ3台に乗り換えて往復する。和尚の思いとしては、出来ればもう1ヶ寺廻りたいのだが、青滝寺次第だ。本堂前の薬師如来立像の台座が戒壇廻りになっている。これは、皆さんに体験して貰いたいと思うので、時間が読めないのだ。御参りを終えて、お客様の方からもう1ヶ寺との声。34番種間寺まで15分ほど、16時40分にたどり着けた。結局、阪急の3台が集結することに。火の気は「運心」で勘弁して貰って、お錀の叩き方を説明、皆さんで試して頂く。「安産のお薬師」として人気があり、妊娠すると柄杓を持って安産祈願に来る。寺は、柄杓の底を抜いて祈祷、その柄杓を持ち帰り、無事出産すると、それをお礼参りとして寺に奉納するのだ。境内の観音様を祀るお堂の廻りにその柄杓が並んでいる。高齢出産が多いのが特徴的だ。なぜ、柄杓の底を抜くのかと云えば、「通りが良くなる⇒安産」ということのようだ。17時10分打ち止め。お宿の「三陽荘」に向かう。純金の黄金大師を祀る人気一番の遍路宿で、温泉付きだ。夕食後、和尚の「ようおまいり」が飛ぶようにお買い上げで、筆ペンをお借りしてのサインに追われる。いつものように「和顔施」と書かせていただいた。
10日 6時半「食事作法」で一日が始まる。7時30分三陽荘のマイクロ2台で、35番青龍寺へ。170段の石段を登る。近くの明徳義塾高相撲部の稽古場で、橫綱朝青龍関も兎跳びで上っていたとか。ちなみに橫綱のしこ名「朝青龍明徳」は、「朝」は師匠の「朝汐」、「清龍」は「青龍寺」、「明徳」は母校名に由来する。下りはスロープで、麓の「恵果堂」へ。恵果和尚をお祀りするお堂があるのは、ここ以外には無いと思う。33番雪蹊寺は、臨済宗妙心寺派のお寺。失明から7回の遍路で功徳を得、昭和の名僧と云われた山本玄峰師の出家の寺で、長曽部元親ゆかりの寺でもある。本堂前の「びんづる尊者」の台座に「摂津國西宮町遊郭中」とあるのには苦笑する。32番禅師峯寺は進入路の狭いところ、電話で了解を得ながらの進行となる。急な参道に、青龍寺の石段よりきつかったとの声も。打ち止めは、和尚も楽しみの31番竹林寺。土佐の名刹であり、木々に囲まれた境内は年中目を楽しませてくれる。石段の途中から紅葉と朱塗りの五重塔を撮ろうと思っていたのだが、塔には足場が組まれ補修中。四国唯一の「文殊菩薩」(日本三文殊の一つ)がご本尊、今年が50年に一度のご開張の年だったのだが、和尚はスケジュールが合わず、拝観出来なかった。
11時40分打ち止め。昼食は「日本サンゴセンター」。12月とは思えないほど、風も無く暖かな二日間。良い御参りができました。帰路、淡路HWOを17時前に出発できたのだが、阪神高速は大渋滞、中国道~近畿道と走り18時40分生駒着。予想より早い到着でした、お疲れ様です。合掌

  清滝寺にて   お薬師の 胎内廻り 冬うらら

  青龍寺にて   息白く 百七十段の 寺参り

2014年12月3日水曜日

四国霊場先達研修会と讃岐路廻り

平成26年11月30日~12月2日

善通寺金堂
年に一度の善通寺での先達研修会、12月1日は新任先達、2日は昇補先達が対象だ。和尚は、大先達昇補の為の研修会となる。この機会を有効に使おうとお参りや同期会、さらには剣舞の稽古などの予定を立てた。30日の朝、出発し87番長尾寺を目指す。静御前の剃髪寺だ。86番志度寺は海女の墓で名高いが、いつも墓をお守りしているお婆さんが、元気で一安心。納経所から眺める「無染庭」も素晴らしい。80番国分寺へ。最近は、東寺創建時の大日如来の復刻に力を入れている。かっての讃岐の中心地であることを髣髴とさせる伽藍の趣だ。79番天皇寺に戻るが駐車場が満杯で、やむなく路上駐車。狭い境内に、お参りの方でいっぱいだ。昼食は、勿論讃岐うどん。チラシずしとおでんも定番だ。五色台の2ヶ寺を目指す。81番白峰寺、崇徳天皇の御陵があることで有名だ。自衛隊の演習場を横に見ながら、82番根香寺へ。春は桜、今時は紅葉の名所で有るだけに大賑わいだ。天気が崩れ出すなかを77番道隆寺をお参り。門前の「サンエイ」で導師用の兜巾と裏地付きの白のブルゾンを購入。ローソクと線香も補充した。7ヶ寺廻ってお宿の善通寺グランドホテルへ。夕食は、馴染みの割烹「藤の」。馬肉料理で板さんと盛り上がり、馬天や馬にぎりに挑戦してもらう。熊本では、40歳を超えると牛肉から馬肉に転換するのが当たり前だし、3種の神器と云われる料理は「馬天」(馬肉の天麩羅)「馬にぎり」(馬肉のにぎりずし)「馬刺し」(馬肉の刺身)なのだ。
志度寺五重塔
12月1日、7時の開店を待ちかねて朝うどんへ。「こがね製麺所」で「温玉ぶっかけ」をいただく。75番善通寺は、新任先達研修を受ける方々が、早くからお参りで、納経所も行列だ。南大門前の「コトブキ」でコーヒータイム。店主が高校の同級生なので、いつものコース。74番甲山寺、73番出釈迦寺、72番曼荼羅寺と団体バスとの競争。71番弥谷寺の上りは、団体さんと一緒にバス利用。大師堂は、秘仏弘法大師の御開帳だ。下りは歩いて「俳句茶屋」で一服と思っていたが、店は開いていなかった。70番本山寺の駐車場で、さぬき市の先達と待ち合わせ、ゆっくりと昼食を楽しむ。彼女も大先達に昇補なので、明朝は「ことぶき」で合流することに。本山寺をお参りして、剣舞のお稽古に丸亀の道場に。2時間ほど指導を受けて、ホテルに戻る。夜は昨夜の「藤の」にて同期会。外戸が3人、焼酎党の和尚に、日本酒派とビール派とてんでばらばらの6人で、楽しいひと時だ。丸亀のカラオケ「バナナ」で女性3人が待ってくれているので皆で駆けつける。「カラオケはどうも」などと言っていた男が、一番に歌い出すなど面白いものだった。
2日、7時過ぎに「コトブキ」でコーヒータイム。受付を済ませて会場の「遍照閣」に入ると、入り口では千手院の佐々木尼が恒例のティッシュ配りだ。研修会場の2階大広間は足の踏み場もないほどの超満員、特別講演と講義が3題と盛り沢山のスケジュールだ。講義を終えて、公認證の授与式。権中先達、中先達、権大先達、大先達の4部門から各々代表が授与され、その後部門ごとに授与されるやり方だ。なんと大先達の代表に和尚の名前が。慌てて、前に出る。事前に何のお話もなかったのでびっくりしたが、お陰で会場を一番に飛びだすことができた。久しぶりに顔を合わせる先達仲間にも挨拶ができて良い機会でした。
合掌

 冬本番 波浪警報 瀬戸の海