2016年11月21日月曜日

西国巡礼 ⑤~⑧+法起院

平成28年11月21日

長谷寺の五重塔に紅葉
姉さん先達二人との西国巡礼、今回は大和南部の寺を中心に巡る。集合は、橿原神宮前駅8時。まずは6番壺阪寺を目指す。「紅葉が見頃」との看板が出ている。いつものように、ゆっくり案内すると1時間ほど要した。釈迦三尊石像に四天王が加わっているのに気が付いた。納経所で聞くと、数ヶ月前に設置されたが、落慶法要は今月18日とのこと。訪れる度に、新しい発見がある寺だ。明日香村に入り、石舞台の近くでコーヒータイム。阪急トラピックスの昼食会場なので、和尚は馴染みの店なのだ。7番岡寺に入ると、多くの人の参拝がある。なんと最近、「大和四寺参り」というのが始まってようで、顔馴染みの添乗員が引率している。岡寺、長谷寺、室生寺、安部文殊院が対象のようだ。和紙のような素材で作った裃の様な白衣の背に四寺の朱印を頂くことになっているようだ。各自が、朱印を頂くことになっているようで、納経所に長い列が出来ている。本堂でお参りをさせていただいて、その列に並ぶ。相変わらず、門前の無人スタンドに蜜柑が置いてある。(1袋200円)それを買って、番外の法起院を目指す。ここは、参拝客用の無料駐車場があるのが有り難い。「南無徳道上人」と唱え、ご廟を拝して8番長谷寺に向かうのだが、まずはと参道の店に飛び込み遅めの昼食。鍋焼きうどんに炊き込みご飯がついて、1000円、これにははまりそうだ。長谷寺は、団参客や旅行社の団体客でにぎわっている。ご本尊の足に触れさせていただける特別参拝の時期でもあるせいかも知れない。登廊の途中にある宝物館が無料開放されていて、拝観させていただく。石段を登りきって、長谷の舞台でお勤めして、納経所に並ぶ。大師堂、元長谷寺、五重塔とまわって山を下りる。
西名阪の天理ICから藤井寺ICを経て、5番葛井寺へ。カーナビは、香芝IC経由を示していたのだが、道路標識に従って走った訳。しかし、香芝IC経由の方が良かったかも知れない。中和幹線経由で走ると、ICまでの時間は同じくらいかも知れないし、香芝から入れば、高速代が半分で済むのだ。ナビに従って藤井寺ICから走ると、門前にたどりついた。しかも、近くに新しい駐車場が出来ている。門前の「葛井餅」で聞けば、今年の2月頃の開業のようだ。マイカー族には有り難い。しかも30分200円だ。ゆっくりとお参り「させていただいて、打ち止め。姉さん先達等は、藤井寺駅から帰路に。小雨がぱらつきだしたが、傘をさすこともなかった。合掌

 大和路の 観音巡礼 紅葉狩

2016年11月20日日曜日

逆打ち11回 22~12番 梅田発

平成28年11月15~16日
焼山寺参道の阿閦如来

梅田から千里中央に廻るコース、和尚にとっては初めてのコースで、皆さん初対面と思っていたら、巡打ちでご一緒した方が数名いらして、ホッとする。お客様は43名、他に京都、寝屋川、高槻からも出ていて合計4台の阪急勢だ。千里を8時20分に出発、2度の休憩を経て22番平等寺に12時過ぎに到着。京都組と同着となり、合同でのお参りとなった。80名を越える大合唱は、凄い迫力だ。改修を終えたばかりの本堂は、正面に本尊薬師如来、向かって右に不動明王、左に大日如来。明るくて、拝み易い。21番太龍寺のロープウエイは、臨時便を出してくれ、那賀川を越え、山を越えて10分ほど。20番鶴林寺の三重の塔も良く見える。弘法大師の修行の地でもあり「西の高野」として、大師堂の配置は、高野山奥の院と同じだ。鶴林寺へは、ドライバーさんが挑戦してみると云うので、川沿いのルートを走る。バス駐車場から少し登って一般の駐車場に至ると、新しいトイレが。少し雨がぱらつくが、傘を差すほどではない。背中に亀の朱印を頂く方も。19番立江寺に間に合うようにとドライバーさんは、蜜柑山ルートを下る。お陰で17時になんとかたどり着けた。暗闇が迫る中で、本堂は、明りが付き本尊や両界曼荼羅が鮮やかに浮かび上がり幻想的だ。黒髪堂では、懐中電灯を持っている方が、明りを照らす。お宿は、ホテルクレメントと昴宿芳野との分宿。和尚はホテル組でバイキング。先達仲間が一杯やろうと云うので、芳野の近くの「安兵衛」に。ウツボの唐揚げを肴に焼酎のお湯割りを頂く。般若心経の資料のコピーを芳野にお願いして、1部10円で無理を云う。ホテルでは高すぎるからだ。
16日 7時半に出発、本日は残り7ヶ寺廻らなければならない。各車の中では、我々が最後尾だ。
18番恩山寺の本堂では、また京都組と合唱、大師堂、釈迦の10大弟子と巡る。17番井戸寺の本堂では「千枚通し」が好評、面影の井戸で霊水をペットボトルに。16番観音寺で大渋滞、1時間半以上を費やした。筆運びが、とても丁寧と添乗員。15番国分寺と14番常楽寺の間は、歩くのだが、バスで運んで貰って時間短縮を図る。とっくに昼時は過ぎているのだが、食事会場は神山温泉の四季の里。まずは13番大日寺を済ませなければならない。納経所にに金住職が居ると云うのでご挨拶、大師堂前で、住職と全員で記念撮影。四季の里で14時半から食事。12番焼山寺の紅葉が素晴らしい。山門左手の銀杏が金色に輝いている。駐車場の「すだち館」の吊るし柿が人気、さらに二週間ほど吊るす必要があるそうだ。駐車場を17時に出発。20時半千里中央、21時梅田着。合掌

 白鷺の 群れ立つ中洲 冬来る

 小春日や 求聞持大師 西高野

 黄金の 銀杏に流る 香煙や

 神無月 佛訪ねる 遍路旅

 見納めの スーパームーンか 淡路島

2016年11月9日水曜日

逆打ち6回 55~46番 生駒発

平成28年11月1~2日

石手寺の船供養
生駒から添乗、41名のお客様と伊予路に向かう。阪神高速神戸線のリニュウアル工事の影響で、大渋滞、吹田まで1時間を要し、淡路SAに10時前に到着。鳴門西でお弁当をpick up、吉野川SAで休憩後、55番南光坊に13時半到着した。いよいよお参りの開始だ。大門の四天王様が隆々として凛と立っている。ここだけはぜひにと案内する。ここから54番延命寺までは、海岸線を走ること1時間、ご本尊は不動明王。まだお客様は、ご真言が苦手のようなので、リズムの練習から。駐車場の猫が、人馴れして摺り寄って来る。ご婦人たちに人気だ。53番圓明寺は、見どころが多い。左甚五郎の龍や芸術的な菊間瓦の大師堂、そして隠れキリシタンの石像などだ。何とか52番太山寺に16時半にたどり着いた。やれやれだ。長いだらだらと登る参道を歩み本堂へ。一夜建立の本堂は国宝で、秘仏の仏様は行基作の十一面観音を中心に歴代天皇が奉納した十一面観音が3体づつ左右に並び7体あると云う。大師堂では、丸い礎石の柱受け穴の周囲をタワシで擦る。いつしか痔に効くといわれているのだ。法隆寺を模したという太子堂を拝んで、参道を下り一畑薬師で眼の祈願。お宿の道後温泉ホテル・ルナパークへ。夕食は、いつもの鯛尽くし。和尚は、兜煮と釜飯のファンなのだ。道後の夜の楽しみ方をご案内しておいたので、食後は皆さん散策に出かけられたようだ。和尚も、また伊予絣のシャツを衝動買いしてしまった。
2日 51番石手寺からスタート。境内の中央に船型の飾りつけがあり、小旗に祈願を書きつけた物が、沢山差してある。8日に御焚き上げする船供養だと、写真屋さんが教えてくれた。一日2回本堂に入りお参りできるようだったが、我々の時間帯ではなかった。50番繁多寺は、スカッとした好きな寺の一つ。豊山派の寺で、興行大師の像が大師堂前に鎮座する。地元では「畑寺」で通る。49番浄土寺は空也上人縁の寺。48番西林寺を経て、47番八坂寺へは、道が狭く数100m歩いての参拝だ。閻魔堂の脇の地獄、極楽の道を案内して大師堂へ。衛門三郎の里で休憩して打ち止めの46番浄瑠璃寺へ向かう。山門横に子規の句碑が立つ。「永き日や衛門三郎浄瑠璃寺」とあるように衛門三郎の屋敷跡が近くにある。大師堂で、弘法大師の誕生仏を順に抱いて、13時前に打ち止め。「しこくや」で遅めの昼食を摂り、帰路に。ドライバーさんの好判断もあって、19半頃生駒着。
合掌

 子規の里 一句めぐらす 秋遍路

 紅葉色 彩る明石大橋や

 三日月に 寄り添う星や 淡路島

西国巡拝 ②~④番

平成28年10月29日

粉河寺庭園
姉さん先達2人とY夫妻との西国巡拝、今回は昨夜来の雨模様も上がったので、懸案の山登りに挑戦することにした。和尚の運転する車は、車検中のため代車のワンボックスカー。和尚の愛車より大きめなので、気をつけて運転する。Y夫妻を拾い、なんばで二人の姉さん先達に合流、4番施福寺に向かう。槙尾山観光センターで杖を借りる。道が濡れているので、滑らないようにと注意を受け、そろそろと登り始める。和尚は、衣帯をリュックに入れ、軽装で汗対策。着替えて本堂に入り、お勤め。素晴らしい仏様達が迎えてくれる。改装のお陰で、すべてお姿が拝観できる楽しみな寺になった。先に山を下った和尚は、槙尾山観光センターで腰を落ち着け、皆が揃うのを待つ事に。店先に、手頃な杖を見つけ買い求めようとすると、持っていけとのご接待、有り難く使わせて頂くことに。2番紀三井寺の麓にあるレストランでまずは腹ごしらえ、和尚はいつものカツカレーだ。紀三井寺の石段、別名「結縁坂」は、紀ノ国屋文左衛門のエピソードからのもの。先ほどの杖が、力を発揮する。本堂でお勤めの後は、松本明慶作の千手十一面観音立像に会いに行く。お顔の大きさが2mほどある日本でも最大級の観音立像だ。展望台に上がると三方向からお顔を拝むことが出来る。また新和歌の浦の景色も素晴らしい。3番粉川寺は奥行きの深い寺、大門横まで車を入れて参拝。中門の四天王、粉河式庭園、丈六の阿弥陀堂、そして問題の若山牧水の歌碑など説明しながらまわる。「粉河寺遍路の衆のうち鳴らす鉦々聞こゆ秋の樹の間に」という歌に「遍路」を使っているのが問題、「巡礼」とすべきもの。遍路は本来四国のみで使う言葉なのだ。合掌

 秋の夜の 滑る雨あと 施福寺や

阿波の国一国巡り 1~23番

平成28年10月24~26日

安楽寺の大師身代わりの逆松
秀寛和尚と巡る一国巡りシリーズも今回で17回目、メンバーが和尚を含め6名なので、10人乗りのレンタカーを借りて、プロのドライバーに運転をお願いすることにした。
24日 新大阪駅からなんばへと回送し、1番霊山寺を目指す。霊山寺では、多宝塔から十三佛を巡り不動堂を経て本堂へ。龍の天井画をゆったりと楽しむ。2番極楽寺では、大奥様の歓待を受ける。抱き地蔵、子安大師、長命杉などと多彩な寺である。3番金泉寺は、源義経が屋島の合戦に向けて、戦勝祈願をした寺で、亀山法皇所縁の寺でもある。本堂、大師堂、黄金の井戸、閻魔堂、弁慶の力石とまわる。4番大日寺は、我が東寺真言宗準別格本山で、ご本尊は大日如来。平成の大修理中である。寄付者一覧ボードに和尚の名もあったが、県別表示が奈良でなく京都になっていたので、訂正をお願いする。東寺真言宗と肩書を入れた為の錯覚のようだ。5番地蔵寺では、奥の院の五百羅漢を拝観。マイツアーならではの贅沢さだ。7番十楽寺の治眼疾目地蔵に歳の数ほど「め」と納め札に書いて祈願。役者顔の弘法大師もいつもながら美しく、愛染明王にご挨拶して6番安楽寺へ。夜は、本堂でのお勤めがあるので、納経を済ませ、大師堂でお勤め。夕食後の法要が素晴らしい。本堂での読経の後の流れが実に心に浸みわたるもので、初めての方は驚きの連続である。和尚も同行の先輩も経験者なので、落ち着いたものだ。ここに泊まると松本明慶の仏像群を堪能できるのが有り難い。しかも温泉だ。
25日 朝の食堂では、本尊薬師如来の縁起が水谷繁治夫妻の霊験のエピソードとして放映されている。朝一番の8番熊谷寺は、格別に清々しい。ご詠歌の流れる中、秋気を満喫する。9番法輪寺門前のあわじやで石焼きイモのご接待、折角だからとコーヒータイム、芋餅がまた格別だった。10番切幡寺では、一気に本堂下まで登らせていただく。女人卽身成仏の寺で、はたきり観音がその縁起を物語っている。何といっても切幡の大塔(重文)からの眺めが一級品だ。吉野川の両岸の堤防が緑の平行線となり、中洲の緑と相まって川とは思えない景色となっている。11番藤井寺、本堂天井の龍の絵は30畳敷の大迫力、本尊薬師如来は、何度かの災難に遭いながら、現存する「厄除け薬師」である。12番焼山寺へカーナビをセットすると、どんどん山道に入って行く。初めてのルートなので、どうなることかと思っていると、なんと山頂の駐車場にたどり着いた。約30分の短縮でびっくりだ。麓の田中食堂で遅めの昼食。うどんとチラシずしのシンプルメニューなのだが、うどんは食べ放題。チラシずしは、お持ち帰りなのだ。スープをできるだけ飲まずに、おかわりを重ねるが、和尚は5杯でギブアップ。山を下ると13番大日寺、金昴先住職にご挨拶と思ったが、不在だった。14番常楽寺、15番国分寺あたりは、バスなら歩き遍路ゾーンなのだが、我々の車ならスイスイだ。お陰で16番観音寺では、笈摺の襟に光明真言の梵字を摺り込んで頂くことが出来た。お宿は、サンシャイン徳島アネックス。毎回お世話になっているホテルだ。
26日 前回は、23番薬王寺から逆に廻ったのだが、17番井戸寺を打ち漏らした。今回は、順に廻ることにしてみた。井戸寺に着くと、本堂はまだ扉が閉まったまま。しかし、すぐに開扉して下さり、
本堂でお勤め。七佛薬師様にお会いすることができた。面影の井戸で、霊水をいただく。18番恩山寺には、釈迦の10大弟子像が鎮座する。何人かを説明して、19番立江寺へ。納経所に声を掛け、本堂に上がらせていただく。本堂左右にある両界曼荼羅にも照明を入れて下さり、映画空海で撮影に使ったものを間近に鑑賞させていただいた。鉦の緒に巻き上げられた髪を祀る黒髪堂は、この寺が関所寺であることを表している。門前の地蔵餅を買って皆にご接待。20番鶴林寺へも、通称蜜柑畑ルートを上がる。最近バスは、大回りしてこのルートは禁止になっているようだ。深山幽谷の山寺で、ご本尊地蔵菩薩を2羽の鶴が守って老樹に降臨したと伝わり、「お鶴さん」と呼ばれる。笈摺の背中に鶴の朱印をいただき、39番延光寺の亀とセットにするのが習わしとなっている。21番太龍寺は、弘法大師修行の地、ロープウエイで那賀川を渡り、山を2つ越えて10分かかる。西の高野山と称されるだけあって、大師堂周辺は、高野山奥の院と同じ配置だ。本坊廊下の天井に龍がとぐろを巻いている。22番平等寺は、本堂の修理も終わり、すっきりとしている。大師堂も蔀を開け、オープンで有り難い。何とか、23番薬王寺まで行けそうだと、ホッとする。和尚の師僧砂原秀遍東寺長者の修行の寺でもあり、天下の厄除けの寺である。厄坂に1円アルミ貨を一段ごとに置いて行く、無神論者の司馬遼太郎もその光景に心を奪われたと「空海の風景」に書いている。本堂に上がらせてもらってお勤め。天井の格子の絵が綺麗だ。大師堂を打ち上げて、瑜祇塔へ。五智如来を拝して展望階へ、海亀の来る日和佐の海が眼下に広がる。さらに下層階の戒壇めぐりや寺宝を楽しんで帰路に。次回は来年3月末に土佐の国を廻る。合掌

    秋風に 一国巡り 阿波の国

    道野辺の 地蔵の肩に ばったかな