2011年2月24日木曜日

四国11回 66番~78番 西大寺発



平成23年2月22~23日

奈良方面からバスが2台出るとの事だったが、和尚の2号車は西大寺発のお客様40名のみだった。つまり1ヶ所の集合で出発出来る訳だから、初動は有利な訳だ。ところが、高速道路の事故渋滞に遭遇し、約30分のロスタイム。結局、この遅れが最後まで影響し、初日は予定より1ヶ寺廻り切れなっかった。西大寺を出発して、まずは76番金倉寺を目指した。天台座主を勤めた智証大師円珍の誕生寺だ。弘法大師の甥とも姪の子とも云われるが、御親戚には違いない。天台寺門宗の寺でもあるので、大師堂は正面が智証大師・右に弘法大師・左に神変大菩薩という配置だ。ついで75番善通寺に向かう。他のバスとの関係で、食事前にお参りを済ませることとなる。お客様には、申し訳なかったが昼食は14時頃となってしまった。金堂のお参りの後、南大門前にある「喫茶コトブキ」に走る。休憩ではなく、高校時代の同級生である店主の顔を見るためだ。昼食後は71番弥谷寺への山登りだ。タクシーのオプションもあるが、タクシーを降りても本堂まで250段程は歩いてもらう必要がある。あまりタクシーのありがたみがないので、和尚は歩くことを勧めている。本堂から大師堂へまわり、さらに幼少期の学問所であった「星の岩屋」を拝観する。参道の「俳句茶屋」で御接待を受け、73番出釈迦寺へ。そこから72番曼荼羅寺へは歩きとなる。曼荼羅寺には素晴らしい「笠松」があったのだが、松くい虫にやられ、今は写真で見るしかないが、その幹に弘法大師を彫り込み「笠松大師」として祀られている。お参りを終えると17時だ。そこで明朝に行く予定の土産物屋「にしきや」に向かうことにする。さすれば行程的に何とかなるとの判断。このお店の名物は「醤油豆」だ。オリジナルで、味付けも歯ごたえも違う。そこから40分ほど走り、APAホテル高松空港がお宿。展望温泉が売りで、お客様の評判も良いようだ。
2日目は、早めの出発で、66番雲辺寺から。ロープウエイで7分だが山頂とは気温差がすごい。67番大興寺の石段には結構息もあがったようだったが、本堂前の「三鈷の松」では、三葉の松葉を拾う方も多かった。天台・真言両宗の修行道場だったことから、本堂を挟んで左に弘法大師堂・右に天台大師堂と両大師堂がある。次の68番神恵院と69番観音寺は、同じ境内に両札所があって納経は楽だが、お参りは関係なく般若心経を4回唱える事になるわけだ。70番本山寺の本堂は国宝、五重塔もシャープな感じで美しい。ご本尊が、馬頭観音と云うのも此処だけだ。車中で、お昼を食べて頂きながら、74番甲山寺に向かう。途中、「鳥坂まんじゅう」の近くでバスが止められたらと思い、ドライバーさんと相談したが、残念ながら無理で諦めた。ところが、お客様のご友人が訪ねて来られ、なんとご接待で「鳥坂まんじゅう」を大量にいただいた。和尚の子供の頃にもあった有名なお店でここしかない。そんな話を、昨日していたので皆さん大喜びだ。77番道隆寺は、目のお薬師で高名、事前に納め札に年齢の数だけ「め」を書いてのご祈願をおすすめしておいた。門前の「サンエイ」で目に効くというお茶の御接待受ける。和尚は、置いてもらっている「よう、おまいり」にサインをする。今度来た時にはと、頼まれていたものだ。78番郷照寺で、15時半無事打ち止め。大師堂では、御宝号を7回唱える。帰路の渋滞情報にも、旨く迂回してもらい順調に走れた。19時30分西大寺着。和尚は駅中の「豊祝」で一献傾けて帰宅。お疲れさま。合掌

 金倉寺にて  白梅や 凛と胸張る 金倉寺

 弥谷寺にて  岩肌の 阿弥陀三尊 寒遍路

        寒遍路 お茶に草餅 俳句茶屋

(写真は、金倉寺の白梅と曼荼羅寺の「笠松大師」)

2011年2月19日土曜日

西国三十三ヶ所巡礼の旅 説明会(読売八木)

平成23年2月19日

読売旅行大和八木営業所の今年の西国シリーズが3月よりスタートする。その説明会が、大和八木駅近くの「すみれホール」で開催された。午前中が、四国遍路の説明会で午後が西国ということだった。説明役を仰せつかった和尚は、少し早目に会場を覗くと、丁度四国遍路の説明会が終了したところ。なんと説明役に1番霊山寺の副住職が来られていた。仏教稲門会のメンバーでもあるので、しばし懇談する機会を得て楽しかった。和尚は、早稲田大学を出て広告会社の電通に入社、早期定年退職後に高野山大学大学院に学んで僧侶に転身したので、1番さんは住職が高野山大学の評議員をされていて大先輩、ご子息の副住職は早稲田大学の後輩と云う訳なのだ。説明会に来られたお客様は30名ほど、和尚の持ち時間は90分ある。四国遍路と西国巡礼の違い、西国札所の由来と歴史、巡礼の姿とその意味すること、巡拝の作法や勤行、巡拝用品等についてじっくりと話させていただいた。お客様もしっかりメモを取る方も多く、いろんなご質問もあり、有意義な時間だった。この営業所のテリトリーは近鉄大阪線沿線が中心のようで、出発地点も上野ドライブイン・桔梗が丘駅・名張駅・榛原駅・桜井駅・大和八木駅・橿原神宮前駅・高田市駅・近鉄五位堂駅と沿線沿いにセットされている。和尚の最寄り駅は近鉄五位堂駅なので、いずれ何人かの方とは、御一緒する事になると思う。聞けば、1回目のお申し込みは好調のようで、5~6台のバスが出ることになりそうだとの事。出発日は全て、大安か友引の日に設定されていて、1回目は3月26日と4月1日、月1~2回のペースで11回で結願し、番外として善光寺や高野山にも詣でる13回のシリーズだ。今年は、9月4日から第2弾のシリーズがスタートする。途中で、都合が会わずとも、リカバリーがすぐできる訳だ。お問い合わせは、読売旅行大和八木営業所☎0744-29-8333にどうぞ。和尚も五位堂から添乗する日を楽しみにしています。合掌

2011年2月15日火曜日

中部阪急 西国2回 2~8番+法起院 




平成23年2月15~16日

名古屋からのバスを名阪国道針テラスで待つことになる。近鉄大阪線榛原駅からのバス便は、7時42分発のみ。榛原駅に着くと一面の銀世界だ。なじみの先達と顔を合わせ、聞くと八日市発のバスと針で合流すると云う。チエーンを巻いた中型の乗り合いバスに同乗、雪道を1時間ほどで針テラスに着いた。ほぼ同じタイミングで巡拝バスが到着、コースも同じだ。我が方のお客様は13名。もう一台は9名と云う。8番長谷寺の駐車場を目指す。10時頃到着、まずは番外の法起院から打ち始める。西国三十三ヶ所の札所を最初に開いたとされる徳道上人の菩提所だ。それから雪化粧の美しい長谷寺の399段の回廊を登る。わら頭巾で雪から守られた赤や白の寒牡丹が見事だ。本堂前の舞台で勤行。雪かきをしている専修学院生らしい若い僧に聞くと、大師堂から五重塔にまわるルートは雪で危険という。諦めて、来たルートを戻る。お客様には、「この時期に、こんなに素晴らしい雪景色に遭遇するなんてラッキーですね。楽しみましょう。」と語りかける。「本当にそうね」との声。13人の内、男性は一人だけだ。11時半頃に7番岡寺到着。本堂に上がり込んでのお参りを期待したが、1~3月はお寺の祈願法要優先で、無理とのこと。大師堂にお参りして山門に出ると、無人スタンドで「あすかルビー」が300円で売られていた。「地元の美味しいイチゴですよ」と教えるとホテルでのおやつにと売れること売れること。岡を下って石舞台近くの「あすか野」で昼食。次いで6番壺阪寺へ。この寺の積雪は強烈で、いつもの大観音や涅槃釈迦像の高台までは登れない。本堂でゆっくりと参拝する。いつ来ても、こちらの千手観音様の表情はすごいインパクトがある。さらに南阪奈道を走り5番葛井寺へ向かう。駐車場から重文の山門まで少し距離がある。本堂に上がって、正座して勤行。打ち止めは15時半。お客様のお宿は、橿原ロイヤルホテル。線路を挟んで橿原神宮の前なので、翌朝の参拝をお薦めする。和尚は、取敢えず帰宅して翌朝集合だ。

    長谷寺にて    藁頭巾 寒牡丹なり 長谷の寺

    長谷寺にて      雪化粧 見下ろす観音 長谷の寺

    壺阪寺にて    壺阪や 石の大仏 雪まみれ

16日の朝は8時出発というので、それに合わせホテルに。聞けば、ほとんどの方が橿原神宮にお参りしてきたとか。明け方冷え込んだので、施福寺の雪は、アイスバーン化しているところも多く、雪の量も半端じゃない。足元に気を付けてと云う間もなく、滑って転ぶ方が続出する。状況としては13日よりハードだ。しかし、ほとんどの方が登り切って、本堂で勤行。下りが本当に危険だった。しかも下り切った所にある杖を返すお店の前が、凍りついて特に危なかった。次の紀三井寺は、皆の意見を聞き、昼食を後廻しにして石段を登る。大観音様に、驚嘆の声も。お昼は、添乗員はカツカレーへの変更もできるとのことだったので、そちらをお願いする。これが大あたり、和尚好みのお味で、超満足。遅めのお昼となったので、14時に出発し打ち止めの、粉河寺に向かう。大門前の天照大皇神を祀る神社の御神木は、樹齢千年の大木だ。帰路に霊気を頂くことにして、広い境内を説明しながら本堂へ。無事、16時前に打ち上げ、名古屋に向かう。和尚は、香芝SAからタクシーで関屋駅へ。お客様はさらに3時間かかるとか。お疲れ様です。合掌

    施福寺にて    施福寺や 笑顔で転ぶ 雪参道

    紀三井寺にて   春をまつ ソメイヨシノや 紀三井寺 
(写真は、施福寺の参道と長谷寺の寒牡丹)  

読売奈良 西国2回 2~4番 西大寺発


平成2月13日

西大寺から添乗、お客様は38名。電車に乗り遅れた人がいて15分遅れの出発。まずは、西国最大の難所・4番施福寺に向かう。予想どうりの雪山だ。皆に土産物店で杖を借りることをすすめ、急な坂道をそろそろと登る。アイスバーンをガリガリと削ってくれている方がいる。「ありがとうございます」と声を掛けると皆も同様に。山門にたどりつくと、もう本堂と思っている人も。「これからが本番ですよ」と云うと絶句する方も。山門に、『これから本堂まで30分』と張り紙がしてある。それを指さして、「さあ、これからですよ」と気合をいれる。雪化粧は美しいが、まったくの雪中登山だ。本堂に上がり込んでの勤行、馬頭観音や大師像などを拝んで下山。登りより、下りが危ない。お杖を借りた面々は、お土産の品定め。店主のお薦めは、「草餅」と「柿の葉ずし」。結局、2時間を要した。2番紀三井寺に向かい、早めの昼食を頂くことに。これが結果的に大失敗で、昼食前におまいりした並走の2台のあおりか、納経所が大渋滞。本堂から大観音堂などゆっくりと拝観したつもりだが、添乗員が帰ってこない。バスにお客様は揃っているので、3番粉河寺の御案内や七観音の話などして間を持たす。先頭を走っていたのが、最終ランナーに。粉河寺は見どころの多い寺だけに、時間をかけた。日曜日のせいか、一般の参拝客も多いので、納経に時間を取られる一日だった。西大寺駅の「豊悦」に行くと、先達仲間などが既に出来上がりかかっていた。合流し、しばし懇談。合掌

 粉河寺にて   寒夕陽 耀く中門 四天王

(写真は、重文の粉河寺中門)

2011年2月12日土曜日

四国2回 7番~11番 五位堂 発


平成23年2月9日

地元出発とあって、いつもより30分は朝寝ができる。しかも、駅前のマックでコーヒーもだ。お客様は、44名の満員状態。5回目のバスもあり、顔なじみのお客様と御挨拶。梅田、堺から各1台でているようだが、こちらのバスが最後尾になるので、他のバスの心配をすることなく、コースが選べる。1番霊山寺に立ち寄った後は、11番藤井寺から逆打ちすることにした。11番到着までを昼食タイムにする。藤井寺で、30畳敷の雲龍図を見てもらい、念珠の使い方を教える。10番切幡寺では、大塔まで上がり吉野川の絶景を楽しんでもらう。4巡目という方は、「ここまで案内してもらったのは初めてだ」という。和尚は、必ず上るようにしているのだが、そうでない先達も多いということかも。金山商会で、お茶の御接待を受け休憩中に、「よう、おまいり」が5冊ほどお買い上げで、和尚はせっせとサイン。「和顔施」と書かせていただいた。9番法輪寺門前の「あわじ庵」の草餅の話をしていたのだが、定休日で空振り。しかし、駐車場に出店のミカンや鳴門金時が大人気。和尚も「乾燥いも」を購入。8番熊谷寺では、本堂でお参り。皆の声が天井に反響してうっとりする。大師堂まで上がると、本堂の鬼瓦が、目の前に迫り、しばし撮影大会だ。7番十楽寺では、うれしいことがあった。実は、平成11年に西瀬戸道開通記念として当時、梵字本尊が配られていたのだが、和尚が先日整理をしてみると十楽寺だけが欠落していたのだ。もしかして残部があればと思っていたが、わずかに残っていて頂くことができた。「ラッキーですね、もう出せませんね」の言葉に感謝感激の一幕。17時に打ち止めして、淡路島走行中に「夕べの勤行」、淡路HOを19時に出発した。阪神高速神戸線の渋滞を避けて、宝塚経由近畿道ルートを選んだのだが、道を間違え気がつけば西へ向いて走っているではないか。あわててUターンすると、なんと渋滞も解消、神戸線をひた走る。なんとか、ほぼ挽回できて20時半頃には五位堂に着いた。強烈になじる女性客もいたが、大半は冷静で、「しょうがないね」の声が多かった。合掌

 明石大橋にて  寒風に バスもよろめく 明石海峡

(写真は 熊谷寺の多宝塔)

2011年2月11日金曜日

四国8回 44~51番 西大寺発


平成23年2月7~8日

西大寺から35名のお客様と出発。まずは「中札所」とも云われる44番大寶寺を目指す。道中が長いので、時間もたっぷりある。車中で、勤行次第の意味を解説し、瀬戸大橋から讃岐路に入るや、讃岐富士、象頭山、善通寺、出釈迦寺奥の院等、車窓から望める景色や札所を案内しながら走る。何しろ、善通寺の境内が子供の頃の遊び場であった和尚にとっては、なつかしい風景なので、ついつい力が入るというもの。お弁当を車中でいただいて、14時前に「砥部焼陶芸館」にたどりついた。35の窯元直営の展示即売場だ。ついつい和尚も衝動買いをしてしまう。今回も、少し長めの酒器を買い求めた。焼酎のお湯割りやビール用にもぴったりだ。大寶寺を御参りして、「すごうさん」でお茶をいただく。「かりんと」や「のど飴」などの御接待を受けて、最大の難所45番岩屋寺に。先般は雪で登れなかったと聞いていたので、事前に電話で確認すると、大丈夫とのことで安心していたが、参道は雪が凍りつきアイスバーン状態。その半分、人が歩けるだけの幅を除雪してくれている。確かに、大丈夫だが、すれ違う時が問題、どちらかが凍雪に逃れなければならない。その時に滑ってひっくり返ることに。初めから、登れませんと辞退する方もいたが、なんとかお参りを終えて、「一休館」で暖かい生姜湯の御接待を受ける。全員が下りてくるまで、ゆっくりさせていただいた。宿は、ホテル奥道後。館内が広く、迷子になりやすい。翌朝の出発時に、朝風呂からの帰りに迷子になった方がいて、スタートは15分遅れ。逆打ちで、51番石手寺からまわる。霊宝館で、「衛門三郎再来の石」などを拝観(200円)し、名物「やきもち」を賞味する。50番繁多寺は、一遍上人ゆかりの寺でもあるが、すっきりとした境内は松山市内が一望できるポイントでもある。
49番浄土寺は、京都の六波羅密寺と同様の「空也上人像」(康勝作)でも有名だ。句碑に 「お遍路や 杖を大師と たのみつつ」 白象 とある。「遍路」は旧暦弥生3月の季語であることを説明。48番西林寺で「伊予の名水」を味わい、47番八坂寺へ。バスが入れないので、参道を歩くことになるが、地元のミカンが無人スタンドで売られている。3箇100円とあって大人気。境内の句碑「お遍路の 誰もが持てる 不仕合せ」も浄土寺と同じ「白象」作だ。聞けば地元では高名な僧侶の雅号という。「衛門三郎の里」で休憩の後、打ち止めの46番浄瑠璃寺に。門前の句碑に「永き日や 衛門三郎 浄瑠璃寺 子規」とある。大師堂の「稚児大師像」を交替で抱き上げご縁を頂く。帰路、阪神高速神戸線の事故渋滞の表示を見て、中国道から近畿道ルートに変更。これがドライバーさんの好判断で、すいすい走れ20時半に西大寺着。久しぶりに、「すごうさん」や「一休館」の皆さまとお会いできました。ありがとうございました。合掌

  岩屋寺にて  凍り道 岩屋寺登る 白き息

  石手寺にて  やきもちの 香りや甘し 石手の冬

  八坂寺にて  伊予柑を かかえて戻る バス遍路

  浄瑠璃寺にて 稚児大師 抱くや二月の 浄瑠璃寺

(写真は重文の岩屋寺大師堂)