2015年9月21日月曜日

西国全周の旅 その3

平成27年9月11~18日

長浜城
17日 8時出発予定が、お客様の集合が早く、7時35分には出発できた。というのも10番三室戸寺は、開門は8時30分から閉門は16時30分で、納経受付は16時までという制約があるので、タイミングが難しい。そこで、朝一番にということになった訳だ。開門前に到着したので、しばし駐車場で待機し開門を待つこと15分。花の寺としても有名だが、この時期はさみしい限りだ。12番岩間寺も岩間山正法寺が正式名称。今は醍醐派、醍醐寺の座主が山主を兼ねている。しかも、今日は観音様の縁日と云う。醍醐寺で、京阪バスのピストン運転で参拝客を運ぶので、午前中は止めた方が良いのではと、聞かされていた。しかし、どうにも段取りが良くないので、電話をしてもらうと10時頃なら良いのではとの返事。雨が幸いして参拝客も少ないようだ。本堂でのお参りも許され、全てご開帳、真言八祖像も初めて拝ませていただいた。今日もラッキーだ。13番石山寺は、和尚の属する東寺真言宗の大本山、お山は一方通行で巡る方がスムースだ。説明しながら一巡し、門前の洗心寮で近江名物「しじみ飯」のランチ。雨の中、14番三井寺こと園城寺へ。観音堂に上がり込んでお勤めの後、境内を巡る。弁慶の引きずり鐘、金堂、三井の晩鐘の順だ。お客様に右代表で300円払って、鐘をついて貰う。ドーンとお腹に響く、良い音だ。31番長命寺はタクシーで登るが、残り120段は石段が待っている。松山からという団体が先着しているが、ご朱印を貰うだけで、お勤めはしないようだ。山を降りて、32番の観音正寺へ。ここでもタクシー利用だが、山頂近くの駐車場からは15分ほど山道を歩く。本堂で、松本明慶作の白檀の千手観音様とご対面。納経所が、本堂内に移転していて、顔馴染みの声帯を削除している方も居る。「お元気ですか」と声をかける。お勤めを終えたが、先ほどの松山組が数人残っているので、「お勤めはしないのですか」と聞くと「やれる人がいないのです」との返事、「では私についてきて下さい」と先導する。打ち止めは、16時30分。お宿の長浜ロイヤルホテルまで、1時間弱で到着。
   秋雨の 岩間の寺や 観音供
18日 朝には雨も上がり、長浜城がすっきりと見える。出発は竹生島行きの始発に合わせて設定しているので、ゆっくりだ。ドライバーさんに休養してもらおうと、船着き場まで歩く。松山組も同じ船で、「今日もよろしく」と声を掛けられる。石段を本堂まで登り、お勤め。松山組も一緒に、心経を唱え、弁天様のご真言を三唱する。帰りの便まで、時間がたっぷりあるので、宝物館に案内する。お四国の志度寺縁起でいう「面向不背」の珠がここにある。どういう経緯かは不明とのことだが、これにはびっくりなのだ。観音堂の国宝唐門は修理中。お勤めを済ませ、舟廊下から神社へと案内、瓦ヶ投げを何人かが試みる。土産物屋の「弁天芋餅」が美味くて安い。(150円)ホテルに戻り、11時半再出発。まずはサガミでお昼、いよいよ打ち止めの谷汲山華厳寺を目指す。参道を歩き、本堂、おいずる堂、満願堂と順に巡る。満願堂の周辺に狸の石像がたくさん並んでいる。「なんで狸なの」との質問に答えられない和尚は、納経所で聞いてみた。すると「満願できたということは、他人を抜いたこと。他を抜いたでタヌキなのです。」との返事。これには参りました。
谷汲あられの里に立ち寄って、新幹線岐阜羽島駅へ。ここで皆さんとお別れ、和尚は名古屋から近鉄特急で帰宅。7泊8日のお参り、お疲れさまでした。合掌
  秋風や 狸迎ゆる 満願堂
満願堂の狸

西国全周の旅 その2

平成27年9月11~18日
ヤマトの柿の葉寿司定食

西尾八橋の里のランチ
14日 8時に出発し、29番松尾寺まで1時間、一番乗りのお参りだ。本堂で法話も頂く。21番穴太寺まで1時間強走る。お昼は、宝塚ワシントンホテル。24番中山寺は、腹帯で有名な寺、明治天皇の祈願所でもある。境内の石段横にエスカレーター完備なのは、ここだけだ。不動堂、羅漢堂、石棺など案内して廻る。23番勝尾寺も境内が広く、石段も多い。本堂にたどり着くと、「中でどうぞ」との声、他に参拝客の姿もないところからのご配慮と有り難く、和尚も初めての本堂内でのお勤め。荘厳が素晴らしく、皆で感動。22番総持寺へは、少し離れたところから徒歩での参拝となる。打ち終えて16時15分、なんとかもう1ヶ寺と思い添乗員が電話作戦のところ、15番今熊野観音寺が待っていてくれるという。ドライバーさんの踏ん張りもあって、17時前に滑り込んだ。本堂でお勤めし、法話も頂いて打ち止めは17時20分。なんとラッキーな一日だった。お宿は京都東急ホテル。
    柿の実の 色づき始む 松尾寺
15日 8時出発。修学旅行シーズンとあって、16番清水寺の混雑が予想されるので、朝一番にお参りするこことなった。参道の土産物屋もまだ開いていない。本堂でゆったりとお参りし、音羽の滝へ向かう。「何度来ても長い行列で、初めてお水を頂けた」とお客様も大喜びだ。番外元慶寺は、花山法皇の落飾の寺。国道沿いでバスを降りて、しばらく歩く。添乗員を先頭に、和尚が最後尾についてケアする。11番上醍醐寺は、今は下醍醐に観音堂がある。山門から一番奥にあり、帰路に諸堂の参拝をお薦めする。京都市内に戻り、八橋発祥の店である「西尾八橋の里」で京風のお昼、東京のお客様には大好評だ。19番革堂・行願寺、18番六角堂・頂法寺とかっての町堂を巡り、20番善峰寺へ。綴れ折りの急な参道を登らなければならない。本堂でお参りの後は、天然記念物の「遊龍松」を鑑賞してもらう。打ち止めは16時45分。ここからお宿の橿原ロイヤルホテルへ。近鉄線を挟んで橿原神宮があるので、朝のお参りをお薦めする。
    京の秋 音羽の滝の 爽やかさ
16日 和尚も早起きして、小雨の中を橿原神宮へ。門が締まっていたが、まもなく5時45分に開門。一番乗りだった。番外法起院、8番長谷寺からお参り開始。参道は、長い。法起院は徳道上人のご廟所である。そこからさらに歩いて長谷寺に着く。登廊をゆっくりと登る。納経所へ挨拶に行くと、「舞台が修理中で、朝早いので本尊の前でお参りを」と云う。大師堂、元長谷寺、五重塔など山内をぐるりと案内する。7番岡寺の本尊は二臂の如意輪観音、仏教伝来の三国の土で造られたと云う大きな塑像だ。お膝元でお参りする。6番壺坂寺は通称で、壺坂山南法華寺だ。お里澤一の壺坂霊験記で有名な寺。本尊のお姿は、南方風だと和尚は思っている。天竺渡来の石仏などが多く、元気な方をお連れして、山内を巡る。お昼は「ヤマトの柿の葉寿司定食」、お客様には珍しく感じられたのか、好評。9番興福寺南円堂では、時間を取って、国宝館など拝観して貰うことに。なんと北円堂も特別公開中だった。京都に戻り、17番六波羅蜜寺へ。時間があるので、宝物館を皆で覗く。重文がずらりと並んでいる。打ち止めは16時30分。近くの「幽霊子育て飴」を買いに行く。日本昔話などで何度も取り上げられている話に出てくる飴だ。手造りで、さっぱりと爽やかな味わい。お宿は再び京都東急ホテル。
    秋雨の 橿原宮に 朝参り

西国全周の旅 その1

平成27年9月11~18日

一乗寺の国宝三重塔
台風の影響で、お参りが中止になったりしたため、久しぶりの先達だが、なんと7泊8日で西国全周という東京からのツアーに乗ることになった。一行はお客様17名と添乗員、名古屋駅に9時過ぎに到着、岐阜バスと和尚が出迎える。1番青岸渡寺に向けて出発、伊勢道が伸延したことによって新しく出来た「紀北・始神(はじかみ)テラス」まで2時間の走行。地場産品を置いてあるゾーンとレストランがある。車中でお弁当をいただき、14時前に那智の滝到着。このところの雨のせいか、流れ落ちる滝の水量は豊かで、盛り上がって見えるほどだ。青岸渡寺では、ご住職の法話を聞き、下山。那智観光センターの「黒飴ソフト」が人気の的、15時15分に出発、「道の駅くちくまの」で休憩し、お宿の南部ロイヤルホテルに17時30分到着。和尚は、メンバーのウエルカムコーヒーで一息いれた。
    天高く 三筋の滝や 那智の山
12日 3番粉河寺へ向け8時前に出発。内陣の拝観も付いているので、左甚五郎の野荒らしの虎や仏像など解説しながら案内する。2番紀三井寺の石段に息が上がる方も多かったが、本堂の後は、新仏殿に案内。松本明慶作の千手十一面観音立像について、寄木造の手法など説明。上天気で、眼下の和歌の浦も絶景だ。「レストランはやし」で昼食を済ませ、本日のメインイベント4番施福寺を目指し槙尾山を上る。無理はしないようにと話しておいたが、全員登りきった。拝観料を払って、ご本尊の前でお勤めし、諸仏を拝観しながら解説する。時計を気にしながら、5番葛井寺へ。門前の葛井餅屋さんに声をかけ、店を開けておいてもらう。丁度17時に打ち止めし、お買いもの。お宿の日航姫路ホテルに18時45分の到着。
    天高く 白鷺城の 白さかな
13日 8時出発、27番圓教寺へ。ロープウエイの始発で登り、全員でマイクロバスに乗ってもらう。時間を節約し、三つ堂に案内しようという和尚の魂胆だ。映画の撮影に良く使われる所なので、お客さんも興味深々なのだ。山を降りると、トム・クルーズも大量に買い込んだというロールケーキの試食だ。
幡州清水寺にて
26番一乗寺の石段も難所の一つ。国宝の三重塔の写真を撮りながら一息。本堂天井の納め札が花びらのように見える。車中で昼食を済ませ、25番幡州清水寺へ。山門から奥行きのある境内だ。
山門前の仁王さんのボードで記念撮影。番外花山院は、花山法皇のご廟所。タクシーのピストンで急な坂を登る。番外ながら「慈悲の道」を作成していたのには、感心させられた。2時間ほど走り、28番成相寺へ急な坂をバスが喘ぎながらノロノロ走る。内陣など拝観させていただいて、16時30分打ち止め。お宿は天橋立宮津ロイヤルホテル。
     星空に 橋立の松 水墨画