2011年1月29日土曜日

四国1回 1~6番 堺発


平成23年1月23日

元気印の若手女性先達が、風邪でダウンというので急遽ピンチヒッター、堺から添乗することになった。お客様は17名、本来なら催行できる人数ではないのだが、1月の設定日は全て催行すると発表しているので、たとえお客様が一人でもバスを走らせるということになる。お客様には「こんなことは今回限りですから、ゆっくり楽しみましょう」と話しておいた。添乗員から88歳老と60歳のお嬢さんのペアや若年性脳溢血か何かで半身が不自由な御主人と奥さんのカップルもいらっしゃると聞いた。本日は特に安全第一にと、気を引き締めた。88歳老は、歩き遍路3回の大ベテラン、金剛杖もすり減って短くなっている。今回が最後のお遍路と決断したとか。「まだまだ大丈夫ですよ。94歳の常連のご婦人もいますよ」と和尚は励ます。1番霊山寺では、法話は大師堂。幸運なことに我々が一番乗りだったので、次のバスのお客様が到着するまでの間、ゆっくりとお大師様を拝んでいただいた。2番極楽寺の本堂への石段が登れるかと心配したが、半身の不自由な方も「大丈夫、この位なら何とか登れます」との声。登れない時はどうすればとの質問に、「遥拝」すれば良いと答えた。確かに「石段の下から拝みますから、納め札をお願いします」との声はよく聞くこと。和尚の高野山大学の道場での修業中にも、何度か「遥拝」ということがあったのだ。6番安楽寺に向かう車中で、いつものようにお弁当を頂く。本堂で、錀の叩き方を講釈し、本尊薬師如来の脇侍である日光・月光両菩薩の働きについて、いずれが男性また女性の働きをするかを問うた。日光菩薩が男性の働きをすると答えた人の方が多かったが、正解は逆だ。だから「太陽である奥様が、一杯光を与えないと、月である旦那様は輝きませんよ」と兄弟子の土口哲光師の受け売りで語る。本日のバスは8台、5番地蔵寺の駐車場の状況を見て、4番大日寺からお参りすることに変更した。これが大正解。3番金泉寺の大師堂では、京都発のお客様と合同で勤行。打ち止めのお寺とあって、始めは小さかった読経の声も張りが出て、素晴らしい大合唱となった。堺到着が19時、順調な一日だった。合掌

   手を引かれ 寒風歩む 老遍路

   石段を 手すり頼りに 寒遍路

(写真は、地蔵寺の修行大師像)

1 件のコメント:

  1. 安楽寺の仏様は、本尊以外は京都の大仏師・松本明慶師の作品だ。
    若い頃からの作品もあり、明慶美術館が出来るほどだ。いつも仁王門の前で、解説するのだが、じっと見つめていると、仁王様の表情がだんだんと慈愛あふれるものと変化する。そう感じるのは和尚だけではないでしょう。

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