2012年7月10日火曜日

中部阪急 逆打ち7回 36~24番

平成24年7月7~9日

愛知県各地からのお客様36名一行にお供することになった。合流ポイントの新大阪発8時17分のひかり493号に乗り込み、添乗員と打ち合わせ。昨夜からの雨も上がり徐々に青空が広がっていく。岡山でマリンライナーに乗り換え坂出駅に。高知県交通バスが、待っていてくれる。アシスタントがいないと気にかかっていたが、なんとバスのガイドさんが、納経の補佐をやってくれると云うのだ。12時半頃、青龍寺近くの「三陽荘」に到着、まずは腹ごしらえだ。打ち始めは36番青龍寺、マイクロで門前まで送ってもらう。横綱朝青龍の明徳義塾相撲部が、うさぎ跳びで登ったという170段の階段を、ゆっくり登り境内に。下りは、スロープを使い「恵果堂」の前に出る。弘法大師の師である真言七祖恵果阿闍梨をお祀りしてある。お四国で「恵果堂」があるのは此処だけだ。お大師が、恵果阿闍梨の報恩の為に建立したと云われる寺であるだけに、寺名も唐の長安・青龍寺にちなんでいる。35番清滝寺には、麓のスパーマルナカの駐車場でジャンボタクシーに乗り換えて細い山道を登る。カーブも曲がり切れなくて、2~3度は切り返しのポイントがある。お客さんは冷や冷やだが、ドライバーさんは馴れたものだ。勤行後は、境内に立つ薬師如来の台座に造られた戒壇巡りを体験してもらう。漆黒の闇の中を上がったり下ったりする小さな段差の階段を、足元に気遣いながら、右手を壁に添え一周してもらうのだ。和尚は出口で、お迎えするのだが、出て来た時の安堵の表情が素敵だ。34番種間寺に向かう「あじさいロード」に期待していたのだが、残念ながら花は既に終わっていた。安産祈願のお寺とあって、無事出産後に奉納された底の抜いた柄杓が、子安観音像の周りに並んでいる。結構高齢出産で、40歳代の方もチラホラ見受けられる。16時打ち止め。桂浜に向かい、記念撮影の後は自由散策に。17時半高知プリンスホテル入り。
8日 8時出発。33番雪渓寺は、長宗我部家の菩提所、隣接の秦神社も元親親子を祀る。この辺りは長宗我部の霊場と云える。32番禅師峰寺は、行基菩薩(禅師)が開いた峰の寺と云うことなのだが、地元では「峰寺」だ。境内からの景色も素晴らしい。31番竹林寺は、『坊さんかんざし買うを見た』の「おうま・純信」の恋物語ゆかりの寺であるが、五台山の頂上近くにあり緑豊かな雰囲気の良いお寺と云う方が勝っている。本堂・大師堂の後に、五重塔や一言地蔵に案内する。30番善楽寺に着くと、バス3台が先着し、狭い境内はお遍路さんで満ち溢れている。3台は、島根からの一行と云う。隙間をぬって、大師堂から本堂へとお参りするが、さすがに納経は遅れてしまった。早めに入って欲しいと云われていた昼食会場の「土佐海」に入れたのは、真にお昼時。29番国分寺は、別名「土佐の苔寺」杉苔が美しい。和尚の錫杖や網代笠の面倒を見て頂いたお店が門前にある。顔を出すと親父さんが急逝したという。聞けば末期癌だったとか。息子さんが、お店を切り盛りしていらした。28番大日寺へ150mの上り坂、本堂の扉が開いていたので、覗いて声を掛けると本堂でおまいりしても良いと云う。和尚も数十回来ているが、初の体験だ。外陣に座り、彩色された本尊大日如来をお客さんと有難く拝ませていただいた。奥の院まで足を延ばし「爪彫薬師」を拝む。涌く霊水も咽にさわやかだ。1時間程走って、打ち止めは27番神峯寺。マイクロに乗り換えて山門近くまで。駐車場から参道を登ると、水谷繁治・しづ夫妻の「報恩の碑」が待っている。長年、脊カリエスを患っているしづさんがご縁を頂いて、この寺で歩くことができるようになったと云うのだ。同郷の方の話とあって、お客さんは感概深げだ。「神峯の水」をいただき、汗を拭い、呼吸を整えてのお参り。打ち止めは16時半。麓まで戻り、地場産品直売「神峯」でお買いもの。一番人気は「お遍路さんのピンバッチ」かも。お宿は、土佐ロイヤルホテル。近くの阪神タイガースのキャンプ地安芸を通るのだが、大半が中日ドラゴンズのファンなので、無視されてしまう。このホテルの露天風呂は広々とし、海洋深層水を使ったお風呂もあって大満足だ。
9日 朝湯を楽しんで、7時半出発。26番金剛頂寺に向かう。国道からの進入路、2km程が離合できない狭い道路なので、門前駐車場に店を出す「はらみたや」に電話し状況を確認する。すると、青バスが2台下って来ると云う。これは始めてのことだった。この寺の本堂は、雄大で荘厳もキッチリとして見事だ。本尊薬師如来(お前立)の向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩、さらに十二神将の拳族を配置し、右前には不動尊護摩壇、左に愛染明王だ。両部曼荼羅もあって和尚の説明にも力が入る。お参り後は、「はらみたや」のアイスクリンに列をなし、自慢の五鈷杵のペンダントや手造りのさんや袋も良く売れていた。何しろ親父さんの手が起用で、なんでも手造りしてしまうのだ。25番津照寺の石段は予告していたより大変だったようだ。総数は120段位なのだが、踏み幅が狭く歩きずらい為かと思う。ガイドさんが、門前のスーパー「夫婦善哉」の芋天麩羅が美味しいというので買ってみた。100円で5切れ入り、本当にお薦め商品だった。いよいよ24番最御崎寺で打ち止めだ。説明ポイントが多く、困ってしまう程の名刹だ。突かせていただける梵鐘も腹に響く良い音色だが、本来の梵鐘は何度もNHKの除夜の鐘に登場した名鐘なのだ。大師堂の脇に「一畑薬師」が勧請されている。
ついで、麓の御蔵洞に案内する。『三教指帰』にも登場する大師の修行の地だ。海に向かって二つの洞窟がある。和尚もガイドさんも向かって左が修行の場と思っていたが、納経所で聞くと左は居住地で右が修行場と云う。左は奥深く、スペースも広い。中から見る外の光景は、空と海しか見えず、これぞ「空海」と思っていたのだ。右は、奥行きも浅く、風雨にさらされる。その意味では、修行地にふさわしいのかも知れない。さらに海辺に降りて、岩場の間に設置された遊歩道を歩いて、昼食会場の「ホテル明星」に向かう。途中にある「弘法大師行水池」を見るためだ。お大師が御蔵洞での禅定中に、明星が口に飛び込んできたという。それから取ったネーミングで「あけのほし」と読む。
坂出まで戻り、岡山経由の帰路だが、岡山駅でお別れする。お客様は13号車、和尚は自由席で5号車と云う訳なのだ。天気予報では、梅雨の晴れ間の数日間とは言っていたが、まさしくそのど真中。心温まるお参りができました。お心遣い頂き、本当にありがとうございました。合掌

出発前    七夕に 逢えぬ二人の 涙雨

土佐路にて  早稲青く 生姜緑に 土佐のみち

三陽荘にて  子供らの 水浴び待つや 土佐の海

御蔵洞にて  お大師の 行水池や 夏の磯

(写真は、上は竹林寺の五重塔、下は最御崎寺の一畑薬師)

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