2009年10月24日土曜日

お堂でみる阿修羅

平成21年10月24日

10月6日から11月23日まで「興福寺国宝特別公開2009」が開催されている。いつもは宝物館にいる10大弟子や八部衆をお堂の中に安置し、本来の姿で拝観しようとする試みだ。会場は、仮本堂と北円堂の二ヶ所。夕刻から早稲田大学校友会奈良支部総会があるため奈良ホテルを訪れたのだが、早く着いたので興福寺に向かった。一時間の余裕があると思っていたが、仮本堂で40分、北円堂で60分並ぶ必要があるとわかった。チケットは、期間中有効なので、阿修羅のいる仮本堂だけでも拝観しようと列に並んだ。
予想通りの時間で入場できたが、仮本堂の仏像群に圧倒された。中央に釈迦如来坐像、脇侍は、向かって右に薬王菩薩立像、左に薬上菩薩立像、さらにその左右に四天王が2体づつ。釈迦3尊は、いずれも3m60あり、四天王も2mクラスの大きさ、その前に阿修羅を中心に10大弟子と八部衆が居並ぶが、その大きさは1m50前後、そのバランスがいかにも立体曼陀羅だ。
総会で早稲田大学文学部大橋一章教授の講演「奈良美術をつくった工人たち」を拝聴した。平城京に3国家官寺を藤原京から移設したが、時の権力者・藤原不比等が造立したのが興福寺という。官寺の仏像は金銅仏であるに対し興福寺の仏像群は乾漆造である。官寺・薬師寺の三尊像の美しさに対し、不比等の興福寺・阿修羅像の気品ある、憂いをおびた表情が人気の秘密だと話された。改めて、北円堂に行きます。

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