2016年1月19日火曜日

読売奈良 逆打ち1回 88~86番 大和八木発

平成28年1月17日
混雑の大窪寺前

うるう年の今年は、逆打ち遍路の年でもある。遍路の開祖と云われる衛門三郎が、空海上人の後を追いかけて20周、追いかけるから会えない、さすれば逆にと廻ってようやく焼山寺の中腹で会えたのが、うるう年。そんな伝説から、逆打ちは2~3倍のご利益があるとされている。
日曜日とあって、読売奈良から7台各所から合計22台が88番大窪寺からスタートするのだ。大和八木~橿原神宮前のコースでお客様は41名。大窪寺に着くと、既に仁王門前にバスがたむろしている。門前の飛猿閣の2階が納経用品の臨時の売り場となっているのだが、そこに入場するのに30分待ちの状態。記念撮影、本堂から大師堂のお参りとスムースに行ったが、納経所が大渋滞の様子で、添乗員が帰ってこない。お客様はバスに揃ったので、その時間を利用して、お念珠の構造や作法についてお話しする。聞けば、今日が最もバスの多い日のようだ。結局、大窪寺で2時間半ほど費やした。87番長尾寺は、「静御前の得度の寺」「大会陽鏡餅競技の寺」として有名で、山門前の一対の経幡は、元寇の役でなくなった将兵を弔う供養塔で重文だ。本堂の前面には、箒が描かれている。これは釈迦の弟子「周利槃特(しゅうりはんどく)」を表すもの。彼は、自分の名前を忘れるほどの愚者であり、釈迦に教わる短い経文もすぐ忘れてしまう。釈迦に「自分の愚かさに嫌気がさしました。とても仏弟子の資格はありません。」と言うと、釈迦は「おまえは愚者ではない。愚者でありながら自分が愚者たることを知らぬのが本当の愚者である。お前は愚かな己を知っている。だから愚者ではない。」そして、周利槃特に一本の箒を与え「塵を払い、垢を除かん」の一句を教えた。それから彼は、多くの人の履物の塵を払い、箒で各所を掃除しつつ、この句の意味を考え、唱えた。やがて「愚者の周利槃特」から「箒の周利槃特」とあだ名されるようになり、数年たつと自分の心の塵垢をすっかり除くことができて聖者になったと云う。
打ち止めは86番志度寺、山門を始め、重文の宝庫でもある。藤原不比等開基の寺で、「面向不背」の宝珠にまつわる海女の物語でも有名。(どういう訳かこの珠は、西国30番竹生島の宝厳寺宝物館に有る)不比等と海女の息子である藤原房前が母の菩提を弔う為に建立した千基の石塔の内20基が残っている。何と「閻魔堂」がご開帳中、和尚も初体験だ。全員で、すし詰状態で入らせていただき閻魔様のご真言を三唱、説明を伺う。閻魔様の頭上に十一面が乗っているのが特徴で、ご本尊の十一面観音に関連しているのではないかと。とても珍しい御姿だ。眼も玉眼で睨みを利かしているが、どことなく優しい表情だ。五重塔から海女の墓をお参りして帰路に。打ち止めは16時半、往復とも高速道路はスムースで、橿原神宮前着20時過ぎ。雨が心配されたが、お参り中は降られることもなく良いお参りだった。合掌

 逆打ちの 初遍路かな 大窪寺

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