2009年6月5日金曜日

お遍路さんの作法(2)

「出鐘は突くな 」
境内に梵鐘がある時、どのタイミングで突きますか。山門を入って、おまいりの前に突きましょう。
おまいりの後に突くことを出鐘といい、「お財布からお金がでていきますよ」というのです。
「入り鐘」を突きましょう。

「橋の上では、杖をつくな 」
弘法大師は、高野山奥の院でご入定されていますが、今なお、全国を遊行され衆生をお守りいただいています。この橋の下で、仮眠されているかも知れないので、杖をついて妨げないようにというのです。
かって、伊予の国大洲のあたりを巡錫中の大師は、一夜の宿を求めるも、農繁期で多忙の為か、どなたも泊めてくださいませんでした。やむなく大師は、橋の下で野宿をされましたが、あまりの寒さに「一夜が十夜のごとく感じられた」といいます。
その橋は「十夜ヶ橋」といい、別格二十霊場の札所となっています。橋の下には、横になって仮眠されている大師の石像があり、寒かろうというので、お布団が奉納されています。
そのとき大師は「生死の六道に生き悩む衆生をして、早く信仰の橋を渡らし、常楽の彼岸に至らしめん」と大悲の御心を歌に詠まれました。
     
         いき悩む浮世の人を 渡さずば 一夜も十夜の 橋と思ほゆ

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