2014年11月13日木曜日

秀寛和尚と巡る四国一国巡り―阿波の国

平成26年11月10日~12日

和尚の四国一国巡りシリーズも13回目、今回は阿波の国編だ。出発の前日に、和尚の小学校の同期会が大分市で開催された。和尚の居所を探してくれた友人の尽力で、御案内を頂いたのだ。夕刻からの会なので、何とか出席できないかと調べてみると、当日の夜に小倉で泊まり、一番の「のぞみ」に乗れば、新大阪の集合時間に間にあう。55年振りの再会の夜を堪能させていただいた。
今回のシリーズは、参加予定の方のキャンセルが相次ぎ、催行不能の声も上がったほど。旅行会社の粘り強い交渉で、何とかGOサインがでたのだ。そんな訳で、和尚が添乗員を兼ねることになった。仲間は6人、納経は各自でお願いすることに。
阪神高速の渋滞をすり抜け、11時半頃1番霊山寺に到着。いつもと違って静かな境内を、説明しながら廻る。和尚も新しい発見がある。2番極楽寺の駐車場でお弁当を頂く。本堂に掛けられた地獄、極楽図の2福の掛け軸も1200年イベントの一環、納経所では、奥様の歓待を受けた。3番金泉寺、4番大日寺と参り、5番地蔵寺では、奥の院である五百羅漢堂も拝観。阪急のお参りでは、その余裕はないのだが、マイツアーなので、自由が効く。7番十楽寺では、仲間の先達と遭遇、本堂と大師堂に別れてお参り、治眼疾目救歳地蔵や愛染明王など拝観する。時間的余裕があるので、欲張って8番熊谷寺に足を延ばす。有難いことにご本尊千手観音がご開帳中、金色に輝くお姿にため息が漏れる。お宿の5番安楽寺に17時頃到着、18時より食事、19時より法要の段取りだ。控えの間で、法要の説明を聞く。本堂で読経の後、まずは、納め札を納め、燈明流し。供養の札を結んだ楠の小枝を流れの中州に突きたてる。護摩木を供養し、阿弥陀如来立像の廻りをお念仏を唱えながら3周する。荘厳な空間が室内にセットされているのだ。
藤井寺から焼山寺への遍路道の入り口
11日 9番法輪寺からお参り。本尊涅槃釈迦像がご開張、和尚も初めて拝見する。門前の「あわじ屋」が店を開けたので、御挨拶。新商品という「里娘を皮に練り込んだ餡子入りのお餅」を薦められる。これは旨い。いつもの草餅よりこれをこれから推奨することにする。10時半過ぎ、10番切幡寺へ。金山商会から、マイクロで登る。切幡の大塔にも皆で登って、雄大な景色も楽しんでもらう。塔は、豊臣秀頼が秀吉の菩提を弔うために大阪・住吉大社の神宮寺に建立した東西両塔の西塔だ。明治の廃仏毀釈で破壊される運命であったのを、時の住職が買い取り2代10年かけて移築したもの。それがなんと桃山時代の貴重な建築物として重文指定となったのだ。11番藤井寺、本堂の30畳敷きの龍の天井画を拝し、大師堂、白龍弁天と巡り納経所へ。「しばらくお待ちください」の表示があるだけで誰もいない。少しイライラしながら待っていると、我々が早すぎるような口ぶりで姿を現した。12番焼山寺に向かう前に、13番大日寺を訪れた。住職は、韓国出身の伝統舞踊の名手、御主人の亡くなられた後は韓国に帰ろうとしたのだが、息子さんの父の後を継ぐという言葉に、一人前になるまではと修行し、尼僧となった方だ。納経所に姿を現したので、「脇侍は大日如来のはずでは?」と質問する。美しいお顔をくもらせて、今はいないという。いつの頃か流出した模様だ。お目にかかった記念に著書を購入した。焼山寺の麓に到着するとタイミングよくお昼時、まずは腹ごしらえと「田中食堂」へ。ここのメニューは「うどんとチラシずし」のみ、そのうどんは食べ放題。前回は5杯頂いたという先輩が、4杯しか食べられなかったと悔しがること。和尚は、2杯とおにぎり。「チラシずし」はお土産になる。マイクロに乗り換え、登り下りすると、14時頃。目標はあと4ヶ寺だ。14番常楽寺から15番国分寺は、バスは入れないので、歩け歩けだ。途中の「八祖大師堂」が格好の休憩ポイントだ。16番観音寺もいつもは、バイパスに路上駐車し、歩きなのだが中型なので、何とかなるとドライバーさんが門前の駐車場まで入ってくれた。お陰で、17番井戸寺までの目途がついた。16時半頃、到着しまずは納経所へ。お参りの前にご朱印をお願いする。たまたま、井戸寺の遍路バスが結願で帰着予定とかで、本堂も開けて待機中。本尊七仏薬師も日限り大師(面影の井戸)もゆっくり拝観させていただくことができた。お宿は、ホテルサンシャイン徳島アネックス。
太龍寺本堂への石段
12日 7時半出発。ホテルで東京の顔見知りの先達とバッタリ。四国全周14日間のお参りにお客さんとして参加中とか。費用を聞くと44万円、これにはびっくり。一気に23番薬王寺を目指す。今日は遠いところから逆打ちで廻る。車中での朝のお勤めの後は、皆ぐっすりと御休みだ。女厄坂、男厄坂を登り、本堂に上がらせて貰ってお参り。天井の格子画も見事だ。大師堂から還暦坂を登り瑜祇塔へ。五智如来を拝み、景色を愛でて、戒壇廻りに案内。中程に薬師三尊が祀られている。さらに奥の部屋には「十王図」の掛け軸が並び、ミニ宝物館といったところ。22番平等寺に戻る。なんと大師堂の三方の蔀が開放されての御開帳だ。21番太龍寺は、弘法大師の修行の地としても名高く「西の高野」と云われる。その名の通り、大師堂付近は、高野山の奥の院と同じ配置になっている。11時のロープウエイに間に合い、12時発で下山する。お山は手入れが行き届き、趣深い。ロープウエイ乗り場に併設されているレストラン菩提樹で昼食。天麩羅定食うどん付きというところか。20番鶴林寺へ向かう川沿いの道路が決壊し不通となっていた。その対岸の道路が通れることを思い出し、ドライバーさんにアドバイス。30分程で到着できた。白衣の背に鶴の朱印を押して頂くのが通例、延光寺の亀とセットにするのだ。19番立江寺は「立江のお地蔵さん」で名高いのだが、外からはガラスが光ってお姿が見えにくいのだ。そんな話をかって副住職にしたら、「どうぞ本堂に上がってお参りしてください」との言葉。それ以来和尚は、納経所に声を掛けて、上がらせていただいているのだ。今回もゆっくり拝観させていただいた。打ち止めは、18番恩山寺、ご母堂玉依御前ゆかりの寺である。「摺り袈裟」のお守りを買う方も。16時過ぎ帰路についた。阪神高速が一部通行止めになっていたので、迂回して梅田19時半到着。お疲れさまでした。無事結願のお二人、おめでとうございます。合掌

  熊谷寺にて  紅葉や 金色観音 ご開張

  


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