2016年11月9日水曜日

阿波の国一国巡り 1~23番

平成28年10月24~26日

安楽寺の大師身代わりの逆松
秀寛和尚と巡る一国巡りシリーズも今回で17回目、メンバーが和尚を含め6名なので、10人乗りのレンタカーを借りて、プロのドライバーに運転をお願いすることにした。
24日 新大阪駅からなんばへと回送し、1番霊山寺を目指す。霊山寺では、多宝塔から十三佛を巡り不動堂を経て本堂へ。龍の天井画をゆったりと楽しむ。2番極楽寺では、大奥様の歓待を受ける。抱き地蔵、子安大師、長命杉などと多彩な寺である。3番金泉寺は、源義経が屋島の合戦に向けて、戦勝祈願をした寺で、亀山法皇所縁の寺でもある。本堂、大師堂、黄金の井戸、閻魔堂、弁慶の力石とまわる。4番大日寺は、我が東寺真言宗準別格本山で、ご本尊は大日如来。平成の大修理中である。寄付者一覧ボードに和尚の名もあったが、県別表示が奈良でなく京都になっていたので、訂正をお願いする。東寺真言宗と肩書を入れた為の錯覚のようだ。5番地蔵寺では、奥の院の五百羅漢を拝観。マイツアーならではの贅沢さだ。7番十楽寺の治眼疾目地蔵に歳の数ほど「め」と納め札に書いて祈願。役者顔の弘法大師もいつもながら美しく、愛染明王にご挨拶して6番安楽寺へ。夜は、本堂でのお勤めがあるので、納経を済ませ、大師堂でお勤め。夕食後の法要が素晴らしい。本堂での読経の後の流れが実に心に浸みわたるもので、初めての方は驚きの連続である。和尚も同行の先輩も経験者なので、落ち着いたものだ。ここに泊まると松本明慶の仏像群を堪能できるのが有り難い。しかも温泉だ。
25日 朝の食堂では、本尊薬師如来の縁起が水谷繁治夫妻の霊験のエピソードとして放映されている。朝一番の8番熊谷寺は、格別に清々しい。ご詠歌の流れる中、秋気を満喫する。9番法輪寺門前のあわじやで石焼きイモのご接待、折角だからとコーヒータイム、芋餅がまた格別だった。10番切幡寺では、一気に本堂下まで登らせていただく。女人卽身成仏の寺で、はたきり観音がその縁起を物語っている。何といっても切幡の大塔(重文)からの眺めが一級品だ。吉野川の両岸の堤防が緑の平行線となり、中洲の緑と相まって川とは思えない景色となっている。11番藤井寺、本堂天井の龍の絵は30畳敷の大迫力、本尊薬師如来は、何度かの災難に遭いながら、現存する「厄除け薬師」である。12番焼山寺へカーナビをセットすると、どんどん山道に入って行く。初めてのルートなので、どうなることかと思っていると、なんと山頂の駐車場にたどり着いた。約30分の短縮でびっくりだ。麓の田中食堂で遅めの昼食。うどんとチラシずしのシンプルメニューなのだが、うどんは食べ放題。チラシずしは、お持ち帰りなのだ。スープをできるだけ飲まずに、おかわりを重ねるが、和尚は5杯でギブアップ。山を下ると13番大日寺、金昴先住職にご挨拶と思ったが、不在だった。14番常楽寺、15番国分寺あたりは、バスなら歩き遍路ゾーンなのだが、我々の車ならスイスイだ。お陰で16番観音寺では、笈摺の襟に光明真言の梵字を摺り込んで頂くことが出来た。お宿は、サンシャイン徳島アネックス。毎回お世話になっているホテルだ。
26日 前回は、23番薬王寺から逆に廻ったのだが、17番井戸寺を打ち漏らした。今回は、順に廻ることにしてみた。井戸寺に着くと、本堂はまだ扉が閉まったまま。しかし、すぐに開扉して下さり、
本堂でお勤め。七佛薬師様にお会いすることができた。面影の井戸で、霊水をいただく。18番恩山寺には、釈迦の10大弟子像が鎮座する。何人かを説明して、19番立江寺へ。納経所に声を掛け、本堂に上がらせていただく。本堂左右にある両界曼荼羅にも照明を入れて下さり、映画空海で撮影に使ったものを間近に鑑賞させていただいた。鉦の緒に巻き上げられた髪を祀る黒髪堂は、この寺が関所寺であることを表している。門前の地蔵餅を買って皆にご接待。20番鶴林寺へも、通称蜜柑畑ルートを上がる。最近バスは、大回りしてこのルートは禁止になっているようだ。深山幽谷の山寺で、ご本尊地蔵菩薩を2羽の鶴が守って老樹に降臨したと伝わり、「お鶴さん」と呼ばれる。笈摺の背中に鶴の朱印をいただき、39番延光寺の亀とセットにするのが習わしとなっている。21番太龍寺は、弘法大師修行の地、ロープウエイで那賀川を渡り、山を2つ越えて10分かかる。西の高野山と称されるだけあって、大師堂周辺は、高野山奥の院と同じ配置だ。本坊廊下の天井に龍がとぐろを巻いている。22番平等寺は、本堂の修理も終わり、すっきりとしている。大師堂も蔀を開け、オープンで有り難い。何とか、23番薬王寺まで行けそうだと、ホッとする。和尚の師僧砂原秀遍東寺長者の修行の寺でもあり、天下の厄除けの寺である。厄坂に1円アルミ貨を一段ごとに置いて行く、無神論者の司馬遼太郎もその光景に心を奪われたと「空海の風景」に書いている。本堂に上がらせてもらってお勤め。天井の格子の絵が綺麗だ。大師堂を打ち上げて、瑜祇塔へ。五智如来を拝して展望階へ、海亀の来る日和佐の海が眼下に広がる。さらに下層階の戒壇めぐりや寺宝を楽しんで帰路に。次回は来年3月末に土佐の国を廻る。合掌

    秋風に 一国巡り 阿波の国

    道野辺の 地蔵の肩に ばったかな

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