2009年11月11日水曜日
ひとふりの命ー大佛師 松本明慶
平成21年11月9日
このほど京都の大佛師松本明慶師が、『ひとふりの命ー大佛師 松本明慶』というエッセイ集を出版した。平成2年7月から4年5月まで「宗教工芸新聞」に22回連載したエッセイを加筆し、一冊の本にまとめたものだ。
17歳で、佛像彫刻の世界に身を委ねて28年経過した頃の思いが記されている。その思いが、今も変わらないからこその今日の出版であろう。明慶師は、今までに13体の大佛を全国に納め、日本を代表する大佛師の一人である。単なる彫刻家でなく、人々の祈りの対象となる佛像を彫り、修復し、またこの伝統の世界に羽ばたく後進を育てる明慶師の厚い思いが伝わってくる。
お四国の第6番安楽寺には、若い頃からの作品が順次奉納され、御住職をして「明慶歴史美術館ができる」と言わしめるほどで、御本尊薬師如来を除く30数体がすべて明慶佛である。力感あふれるお姿に、柔和な表情の仁王さま、本堂前の水盤の上にチョコンと正座する童天女像2体、なんとも愛らしく、特にお尻がかわいいと和尚はいつもお遍路さんにお伝えしている。そして大師堂のたくましい表情のお大師さまと脇侍の不動明王と愛染明王等などだ。また、四国八十八ヶ所霊場会の出開帳本尊88体も明慶師の刻んだもので平時は、第75番善通寺の遍照閣に祀られている。
西国霊場では、第32番観音正寺の本尊十一面千手観音菩薩(丈六・白檀造)そして、第2番紀三井寺の十一面千手観音立像(総金箔張り・12m)と2体の大佛が納められている。
お礼参りに、高野山に登れば、弘法大師の師僧である恵果阿闍梨尊像に会えるかも知れない。(金剛峯寺)
和尚も10年前の鹿児島・最福寺の大弁天坐像(18.5m)の落慶法要に連れて行ってもらって、初めて明慶師に御紹介いただいた。そんなご縁をいただいて、「松本明慶友の会」の会員となり、念持佛として、明慶作の弘法大師像(白檀・3寸)を我が家にお迎えしている次第である。
明慶佛は、全国で祈りの対象となっているのだが、約100体を展示する「松本明慶佛像彫刻美術館」が京都御所の西に開設されている。開館は、毎月第1.第3週土、日が原則だが、予約制なので、開館日の確認と合わせ電話を。
松本明慶工房 075-332-7974
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「ひとふりの仏師」早速読んでみます。
返信削除発行は「松本明慶彫刻美術館」です。
返信削除松本明慶工房に電話すれば手に入ります。
075-813-3350
電話番号を間違えました。
返信削除075-332-7974が正解です。